紀州 木の国・根の国物語

紀州 木の国・根の国物語

715円 (税込)

3pt

紀州、そこは、神武東征以来、敗れた者らが棲むもう一つの国家で、鬼らが跋扈する鬼州、霊気の満ちる気州だ。そこに生きる人々が生の言葉で語る、”切って血の出る物語”。隠国・紀州の光と影を描く。

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紀州 木の国・根の国物語 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    ルポと小説の間の「物語り」とでもいうのか。
    こういうかたちの作品は貴重だと思う。
    読みながら何かに触れているような手応えがあった。

    0
    2012年08月20日

    Posted by ブクログ

    中上健次と一緒に歩き、立ち止まり、考える
    差別という物の怪を
    この国の闇の構造を
    この本はそのための手がかり

    0
    2021年10月26日

    Posted by ブクログ

    鬼らが跋扈する「鬼」州、霊気の満ちる「気」州、中上氏の原点である紀州を巡るルポタージュである。彼が問うたのは自身の源流と紀州サーガであり、それらを霧のように包む被差別と非差別を解き解し、剥き出しの本質を探り出そうとしている。作中の突然の屠殺願望などは、中上氏のなかに眠る「濁った高貴な血」の放出なのか

    0
    2018年04月02日

    Posted by ブクログ

    ノンフィクションでいったらその手の作家たちが必ず薦める本書はやっぱり重厚だった。紀伊半島を六ヶ月旅して記した歪みの構造を見つめるルポであり物語でもある。読んで損することはこれぽっちもない。改めてニッポン人とは何者なんだとういうことを著者は全身の触手を伸ばしてボクらに教えてくれる。彼が偉大だということ

    0
    2011年09月15日

    Posted by ブクログ

    著者の唯一とも言えるノンフィクション。熊野地方を1年近く旅をしたルポである。歩くのではなく車を使う。したがって行ったりきたりもする。
    全編に渡って「差別」をキーとしている。和歌山はそうなのか。中にも書かれているが東北の人間にはわからない事だという。そう私には全く分からない。

    0
    2024年03月17日

    Posted by ブクログ


    作者の魂の故郷とも言える和歌山のルポタージュ。
    ぐるぐると縁の深い土地を回りながら、土着の逸話やそこに住む人々の話を、10p弱で区切った短編集形式。にも関わらず内容は重く、非常に読み進め難い。
    作者の思い入れが強すぎて、あまり楽しんで読めなかった印象。ただ、故郷を通して彼の伝えたい事・想っている事

    0
    2022年10月12日

    Posted by ブクログ

    枯木灘や岬を復讐するようにこのルポルタージュを読んだ。
    差別、被差別の感覚は、ざらっとした感覚として持っていたけど、内面をえぐるような表現で、心を揺さぶられた。
    そして、改めて島崎藤村の破戒を読みました。

    0
    2020年05月06日

    Posted by ブクログ

    紀州に横たわる漂泊者と非人の歴史。私が産まれた頃にはリアルだった歴史の残像。東日本にいると全く理解出来ない、この皮膚感覚。
    分からないから読むのですよ。

    0
    2017年12月11日

    Posted by ブクログ

    空疎なスピリチュアルブームなんかで伊勢や熊野に注目するのではなく、
    その土地の空気歴史を感じる姿勢が大事だと思って読んでみた。
    ガイドブックにあるような観光スポットをめぐるだけでは決して分からない、
    そこに住んできた人を知り、その生活を知る、紀州においてそれは部落差別の問題と切り離すことはできない。

    0
    2011年03月24日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    こう、並べて読んだからかもしれないが、上記の天皇百話、下巻にこの中上の文章が入っていないことが不満に思えるほど、天皇制、差別構造、それらの総体としての日本を考えるときに、この本は必読書なのではないか?80年代初頭という時代を背負っていることは確かだが、現代に生きる我々から地続きの場所から発せられてい

    0
    2014年01月13日

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