森嶋マリのレビュー一覧
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我々は「自分たちの力だけで意思決定することが、すでにできなくなっている」という事実を正視できるのか。
このように問われたら、ドキッとする人が多いかもしれない。
コンピュータが超高性能化したことで、すでに人類は、思考の大部分をコンピュータに操作されている。
それにも関わらず、ほとんどの人類がそのことを認識せず、気付かずに日々の生活を送っているという。
人類の意思決定力が極端に弱まった、という話では、決してない。
様々なデータを解析するアルゴリズムが、我々の生活の隅々まで侵食しているという話なのだ。
本書は、様々な事例について、「人間が意思決定しなくても、社会生活が成り立っている」という恐ろしい状 -
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スペイン、ヴェネツィア、ウィーン、サラエボを渡ってきた、伝説の古書『サラエボ・ハガダー』500年の旅を遡っていくミステリー。
1990年代の古書鑑定士が例の古書に付いている、蝶の羽やらワインのシミやら何かの毛を専門家に鑑定依頼していく。
証拠品の鑑定結果が次の章の引きとなって、それが古書に挟まった土地と時代のストーリーが展開されていく構成。
1990年代から1800年代、1600年代、1480年代まで徐々に遡っていくわけだけど、最初はわからなくても、徐々につながりが見えてくる。この名前どこかで見たなー、あの人の知り合いがこっちの話に登場している、みたいな気を抜けば読み飛ばしてしまいそう。
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「自然」はストレス軽減や健康促進に良さそう。だれもが直感的に感じていることだと思いますが、それを証明し、都会暮らしの現代人である私たちにもできる「自然」との接し方を示してくれる本でした。
少し冗長で、目次を見ただけでは何が結論かはっきりせず、レビューを書くにもまとめづらかったことは否めませんが、著者が参加した調査・実験の数々が、面白かったり、ちょっとつまらなかったり・・・何が凄いって、これだけの実験に自ら参加する著者の行動力でした!
森林浴の最先端を行く(?)我が日本、お隣韓国、フィンランドやスコットランドなどのヨーロッパ、そして著者が住むアメリカ、最後には国をあげて都市の緑化を進めているシ -
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ネタバレ・あらすじ
1400年代に作られたとされる伝説のユダヤ教の祈祷書「サラエボ・ハガダー」が発見された。
古書鑑定家のハンナはサラエボに赴き古書の修復、科学的調査を行うことになる。
ハガダーに残された痕跡(蝶の羽、ワインの染み、残されたサイン、塩の結晶、猫の毛)からこの古書がどのような人々と運命を共にしたのか。
スペインで作られたこの古書がサラエボに辿り着くまでの過去パートを逆行していくパートと古書修復家のハンナがその謎を科学的に調査していく現代パートが交互に綴られる。
・感想
サラエボ・ハガダーという古書があることをこの本で知った。
サラエボ•ハガダーとは「14世紀中葉のスペインで作られたハ -
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読む奇きっかけ、ロシアによるウクライナ侵略
世界が直面している問題に関心を向けられる内容
ヨーロッパの一国であるが、近年の独裁、侵略、分断の歴史がメルケルのスター性を自身に求めない人柄を作った
特に気づいた点
•外国目線で世界の歴史を振り返ると、日本など殆ど存在しない。
•プーチンの厄介さをヒットラー独裁の歴史と東ドイツで育ったメルケルはとても理解していた。
•目を引くような事はしないが科学者らしく、着実で正確な措置ができ支持されていた。
•先端分野でトップに立つ中国の脅威
印象的な章
シリア難民の受け入れ
国民の不安、反対の声が相次いでも受け入れる意志を貫いた、生い立ちとも深い関わり -
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タイトルの「NATURE FIX」を訳すと、「自然が回復させる」「自然が治す」となります。
本書は、人が自然に触れたり自然を体験することによって、日々のストレスから回復することがどうやらできるようだ、ということを解説しています。そればかりか、アメリカ、日本、韓国、イギリス、フィンランド、スウェーデン、シンガポールなどの自然と人間の研究やそれらを踏まえた実践的取り組みを取材した著者の経験をまじえながら、おおよそがドキュメンタリータッチで、認知力や創造性などの向上にまで自然の効果が認められることを教えてくれるのです。
近年、都市部に人口が集中し、2008年には世界人口の半分が都市生活者となりま