森嶋マリのレビュー一覧
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人生に恐れるべきことは何もありません。ただ理解するだけで良いのです。キュリー夫人
恩師コールに対してきちんとものを言い、さらに時を経て和解をするとは互いに素晴らしい関係であると感じた。
私は話が得意ではない。私にできることは真実を伝えることだ。ソクラテス
メルケルの信念は、静寂の中にこそ力がある。
暴力に暴力で対抗してはならない。
多文化主義は偽善。と述べたことは当初移民を推進していた彼女にとっては深い言葉だと思う。ドイツを異なる民族集団がバラバラに存在し続ける国にはしたくない。という著者の解説。
道徳的人間の要素しか持たない人がいれば、それは馬鹿であろう。ハンス・モーゲンソー。ドイツの政治学者 -
Posted by ブクログ
原題はHellow World:How to be Human in the Age of Machineであり、アルゴリズムとは一言も書いていない。しいていえば機械時代の人間はどうなんだろうか、ということになるのかもしれない。ただし中身はAIのことであり、AIとは言っていないが、アルゴリズムがどのようになっているかについて書かれている。映画のヒットを予測するためのテキストマイニングがあてにならなかったということや、コンピュータが作成した曲がオーディエンスには最もバッハと思われたの例がある。また、有名なバイオリニストが5億円のストラディバリで地下鉄の出口で45分演奏して35ドル
だけだったという実験もあり、芸術関係の著述が面白い。2018年の出版で5年前のことであるので、自動運転は中国で実用化されているなど少し古いところもあるが、この本がいろいろと引用されているのでの読んでみるのもいい。 -
Posted by ブクログ
非常に読み応えがあり、学びが多い一冊でした。
メルケルという人物を知るだけでなく、ヨーロッパの歴史や政治、世界の流れを理解する上で、非常に役立ちました。
メルケルは事実に基づいた粘り強い交渉の人でした。
多くの歴史・文化・思想を持つ難しいヨーロッパの中で、物理学者らしく事実をベースに困難な調整を進めます。そして東独出身の彼女は民主主義や自由の重要性を認識しており、その価値観を世界に訴えていきます。
プーチン、トランプ、中国などとも、謙虚な姿勢で対等に謙虚な交渉を続けていきました。
彼女のライフスタイルは、政治スタイルと同様、目立つことはなく、ベルリンの賃貸アパートで、質素に配偶者と暮らしているようです。
今までの私の政治家のイメージは、言葉のパワーを使ったリーダーシップタイプでしたが、メルケルは全く違いました。事実を中心に粘り強い交渉で物事を前に進める。そして信頼感を蓄積し、他国のリーダーや人民との信頼感を築いていく。様々な価値観が衝突する現代において、最もふさわしいリーダーであったと思いました。
謙虚さ、忍耐力、レジリエンス、理性の大事さを学びました。 -
Posted by ブクログ
読みごたえのある一冊でした。
2021年首相退任までの様子が書かれているので、現在の世界(EU)情勢がよく分かった。
イギリスのEU離脱に見られるように、決して一枚岩ではないEUの中で重要なポジションにいるのがドイツの首相。
メルケルさんは、35歳まで東ドイツで暮らした女性の物理学博士という西側諸国の政治家としては稀有な存在です。
謙虚で質素、正確で根拠(エビデンス)に基づいた意思決定を信条とする。
どんな時でも、どんな相手でも、地道に辛抱強く合意点を見つけ出し問題解決に取り組んできた。
「日本の女性政治家」といえば、市川房枝さん、土井たか子さん、「日本のお母さん」といえば、京塚昌子さんが思い浮かびます。
メルケルさんは政治家なのですが、「ドイツの肝っ玉かあさん」というイメージもどこかに感じます。
これほど存在感と信頼感があり、親近感すら感じる政治家は他にはいません。
メルケルさんは、戦争に敗れロシアに支配された東ドイツという国で人生の半分を過ごしている。
ベルリンの壁が崩壊の時、そこに35歳のメルケルさんもいた。
壊された壁の向こうは、自由度も経済力も科学技術力も別世界だった。
東ドイツはどうなるのだろうと心配になったが、東西統一だと聞いてびっくりした。
ベルリンの壁が崩壊の時、東ドイツに派遣されていたKGBの諜報活動局のプーチンもいて、(おそらく)苦々しい思いを抱いていた。
今またロシアがウクライナ侵攻を再開しているが、2014年のロシアのウクライナ侵攻に対して粘り強く交渉し停戦に尽力したのがメルケルさんです。
メルケルさんはロシア語が話せる。プーチンはドイツ語が話せる。両者は通訳なしに会話ができる。
メルケルさんは長い間ロシアの監視社会の中で生きてきたので、ロシアの思想も理解しておりプーチンと最善の対応ができる人物として頼られもしたのだ。
ロシアのエネルギー、中国の市場、アメリカとは安全保障と、この3国と特に密接な関係にあるのがドイツという国だ。
アメリカとは、ブッシュ、オバマ時代は友好関係を築いてきたが、2017年にトランプが出現しアメリカが信頼できるパートナーではなくなった。
ドイツにとって最重要3国のトップが、プーチン、習近平、トランプになってしまったのだ。
実は2016年メルケルは首相の座を降りようとしていたが、世界各地での権威主義の台頭がそれを許さなかった。
ISテロ対策と難民受け入れがあり、イギリスのEU離脱が決まり、トランプが西側の秩序を壊しまくる。
プーチンは西側諸国の分断を大いに喜ぶ。習近平は様子を見て弱いところをじわじわ攻めてくる。
このままではプーチン、トランプ、習近平に好き勝手にやられる。世界の秩序を守るためにリーダーの役目を続けるしかない。
メルケルさんは、4期目は特に環境問題対策とデジタル技術の向上に注力するつもりだった。
AIと量子コンピュータの勉強もしていた。中国の技術力に脅威を感じていたのだ。
しかし未知のウイルスのパンデミックにより、コロナ危機管理マネージャーに急遽変身せざるを得なくなる。
コロナ対応に関しては、ドイツ人はメルケルの発する言葉を信じた。
メルケルに嘘をつかれたことは一度もなかったからだ。
15年間信頼を積み重ねてきた首相が、自分の言葉で自分の本心で語っているのが伝わって来たのだ。
日本やアメリカのように、公式な情報が信じられないのとは違っていた。
「国家レベルの危機にあっては、首相はそこにいる必要があって、責任者として指揮する姿を人々に見せなくてはならない。」
という当たり前のことをきちんと実践し、頻繁に国民に訴えかけた。
2005年首相になった当時は、東ヨーロッパやロシアとの友好関係維持やドイツ国内の問題改善に注力していたようだが、
2010ギリシャ財政危機からは、ドイツの首相というよりもヨーロッパの代表のようになる。
「自国のことだけを考えていればいいわけではないのです。我々はみな、この世界の一員なのです。」と言わざるを得ない世の中になってしまった。
メルケルさんの考え方や演説での発言内容は、当たり前のことのように思えるのだが、それが絶賛されるような社会は危険な兆候なのだともいえそうだ。
4期目の任期の終盤にきて、「レガシーは何か。」という質問には、そんなことを考えているヒマはないと答えていた。
自分を振り返る(=おおむね自分への言い分けで終わる)ことがじれったく我慢ならなかったようだ。
メルケルさんは、サッカーが大好きらしい。
世界中が平和の中で、純粋にワールドカップサッカーが楽しめる日が来て欲しいものだ。 -
Posted by ブクログ
世界最高の権力を持った女性宰相メルケルの決定的評伝!東独出身の地味な理系少女が、なぜ権力の頂点に立てたのか?――その強さの源泉は「倫理」と「科学」にあった。
メルケルのことはあまり知らなかった。東独出身の女性ということくらいしか。結婚していたことも知らない。でも演説などからは自分の理想に近いなと思っていた。
でもこの本を読んで、彼女の冷静さ、女性たちが後に続けるよう声高に叫ぶよりも着実に実績を残すこと、話し合いを諦めず妥協地点を見つけること、全てに感銘を受けた。自分はかっとなりやすさがあるし、立場も仕事も違うけれど、おおいに参考にしたい部分がたくさんある。もちろん欠点もあるけれど人だから当たり前で、それ以上に温かさと理想のために身を尽くす姿勢に頭が上がらない。ロールモデルにしたい女性だし、こんなリーダーがいたら安心して国を託したいと思う。
彼女の生い立ちから人生をなぞるように書かれた評伝は、でも暴くというよりも彼女が徹底したプライバシーを守る姿勢を見せていて、その信頼に足る人物しか周囲には残れないのだという事実を浮き彫りにしていて、だからこそ著者のすごさも伝わってくる。 -
Posted by ブクログ
この時期(ウクライナ情勢の懸念からウクライナとロシアの戦争となってしまった)に、この本を偶然読めたことで、もしもメルケルがまだドイツの首相であったなら...
ウクライナ情勢は変わっていたのかもしれないなぁ〜と思いながらワールドニュースを毎日見ていました。というか見ています。
読み応えありです。かなり...
政治の裏(?)話、交渉とは...
文章を読みながらTVで見ていた過去のニュースの画像が目に浮かび、世界の政治がよりリアルに感じられます。
そしてメルケル、そのほかの登場人物(各国の首相など)の
心の動きまでも読み取れる文体で政治音痴の私も本当に十分に興味津々で読み進めることができた。
濃厚で人間像が浮かび上がる文体...。読みやすいです。
EUのことロシアのこと...中国...
世界史って政治って民族って...思想って...
何でしょう...
本当に読み応えのある本でした。本当に!