池辺葵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ漫画喫茶でオススメとして紹介されてたので、手に取った本。
そうじゃなかったら、きっとこの本を手にとることはなかった。
絵も全然好みじゃないし、さくらももこがシリアスもの描いた、みたいな雰囲気の絵。
「黒田硫黄氏は、キャラクターやエロに隷属された漫画界にあって、真にセンス・オブ・ワンダーを持った作家である。」
って大友克洋が黒田硫黄『大王』の帯で書いてたけど、
このお話もそう言いたくなる感じ。
主人公の女性は頑固で筋が通っているようだけど、
人間らしく心が揺れることもあるし、変化だってする。
恋愛要素は急ぎすぎず、非常にゆるやかながら進む気配をにおわす程度。
扇動されて、大量に消費される洋服。
対して、丁寧に作られる少量の洋服。
小さな町の人間関係。変化する時代。
おおげさに惜しむでもなく、かといって諦めでもなく、
自分たちと同じサイズでゆれる感情を、
きちんと考え込まれたエピソードの中で描く。
淡々としているように見えて、実は意外といろんなことが起こる。
どこだったか忘れたけど、えらい涙した場面もあった。
映画になってもいい雰囲気じゃないかなぁと思う、
ちょっと久しぶりに感動した漫画。
こういうの、ふとぶつかることがあるから人生捨てたもんじゃないなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大好きな池辺葵さんの作品。彬子女王の「赤と青のガウン」を池辺さんが漫画化しているので、そちらを購入するついでにこの本は再読。
人型AIと人間が共存している世界。でも人間の労働場所を奪うからって、都市部から順番に廃棄するために回収されていっている。ただ、人型AI対人間という世界観ではなくて、人型AIは人間に大切にされているし、人間も人型AIと垣根なく、ただの友人みたいに普通に共存している。そこがすごく良かった。
普通に読んでいたら、どの人が人型AIでどの人が人間なのか気づかないくらい自然に調和している。とはいえ登場人物一人ひとりに結構癖があって、それも含めて良かった。
和音ちゃんの、感情ののっていないガラス玉みたいな目が最後までいい味を出していた。
普通の人間の生活を送っているように見えても、時間の流れは人間と人型AIで違う。そこがとても切なかった。