小林聡美のレビュー一覧
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私にとっての小林聡美デビュー作。いやー、面白かったなあ。文章上手いなあこの人。緩急のつけどころが素晴らしいです。好きな作家リストに早速入れよう。そして他の作品も読んでみなくては。内容はタイトル通り、キウィの国ニュージーランドでの留学記。全く英語が話せないような状態での語学留学かと思いきや、かなりデキる方なのね……私のように中学英語で苦戦しているような人間には留学なんてお話にならなくてよ!って感じじゃん……というかそもそも私は多分留学には向いてないタイプ。ホームステイなんてもっての他!そういう、普段の生活と違う状況を楽しめるタイプじゃないので、いくら短期であれきっと無理。でもその点小林聡美はすげ
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小さい頃は早く自由な大人になりたい!と思っていて30代になると衰えを感じ若さに憧れるようになるけれど、小林さんを見てると、私も早く自由な本当の大人になりたい!と憧れる。歳をとることに逆らわない、諦めては…ない、でも確かに自分のご機嫌が何かを理解し毎日を攻略していくような楽しさをされている人生なのが、本当の大人であって本当の自由。小林さんの演技など見ると淡々として笑顔の時が少ないけど怒った時も神妙な面持ちも少ない、まっすぐ前を見てるだけですよ。という魅力がある。そんな小林さんの毎日を知る作品。歳をとることに諦めてはないと書いたのは、若作りの意味ではなく新しい事への小さな挑戦の積み重ねだったり常に
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女優・小林聡美さんのエッセイ。独特なトーンの演技が好きで良く出演作を見ていたが、エッセイを読む限り、飾らない地に足のついたお人柄は印象のまま。コロナが始まったあたりからの、ご本人が50代の数年間分のエッセイ集。丁寧な日常と、ご自身に正直な暮らしがうかがえて好感が持てた。
それにしても、姉妹で国内バスツアー旅行に出かけたり、お友達と旅行に行かれたり、家で餃子を作って焼くのに失敗したり、有名女優さんと言えど普段は世を忍ぶ仮の姿で我々と同じ世界にいらっしゃるんだなぁという感じ。一言で言うと、普通の…妙齢の女性といった感じ。
そんななか、ピアノを習い始めたり、一念発起して大学に通い始めたり、柔軟で -
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女優の小林聡美さんのエッセイ。
ゆったりとしたあの語り口が耳元で聞こえてくるような、素朴で優しい文章だ。
「買い物」では、キャットタワーの処分に悪戦苦闘した経験が語られる。買い物の失敗はよくあるが、買うときよりも手放すときのほうがエネルギーが要るという教訓は身につまされる。買ったものの責任は自分で取らなければならない。心ときめくものに出会い、自分のものにするときの高揚は、そのときがピークであることが多く、後々ゴミになる可能性も想像できる自分でありたいという小林さんに深く共感した。
50代の目の見え方事情を赤裸々に告白している「老眼」を読み、「そんなに見えないんだ…」と愕然とした。私はかなり -
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小林聡美という人間はズレている。「どこからのズレ」かという話は大方複雑になるため割愛する。しかし、小林聡美の中にはおよそ少女のようで、およそ老女のような「小林聡美」がいる。それでいて等身大なのだ。なんとも不思議な話である。
"本屋さんに入る。ずらあっと並ぶ本をまずは横目で眺める。気になるところでふと立ち止まる。目の前の棚と対峙する。およそタイトルに釣られて手にとる。手ざわりと文体を見る。一冊くらい買ってもいいかとたまたま思ったタイミングで持っていた「爆弾」を買う。"
これがいつもの自分の本屋でのルーティンなのだが、たまにはこう、もう少し必然的な出会い方もいいかと思わせて