小林聡美のレビュー一覧
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ネタバレ以下印象に残った言葉たち。
「子どもとのキャンプ」が一番面白かった。
大阪の子どもたちのパワー。ボケとツッコミの応酬で面白いだろうなあ。
「全く馴染めないまま終わるのもそれはそれで面白いかなと思い、そこからはへらへらせずに普通にしていようと心に決めた。」という言葉に強い意志を感じた。
・「実際にコバちゃんと呼ばれたことがないので、その響きはまるで「チャッピー」「キャロライン」などと呼ばれるのと同じくらいくすぐったいものだった。」には思わず笑ってしまった。
小林さんはどういうわけかあだ名をつけられない子どもであった。「信じらんない。ばっかじゃない。小林さん」笑。たしかに友人との間に壁を感じてしまうよね。
私の場合、逆に友人のことを周りの人はみんな◯◯ちゃんと呼んでいるのに、私は◯◯ちゃんと呼ぶことができず、最後まで〇〇さんのままのことがよくあったな。
たった一泊のキャンプだが「コバちゃん」「怪物のウンコ」と強烈な思い出となったという素敵なお話。
・他にもウンコを踏んだ白いスニーカーを小道具係の青年が洗ってくれた話。優しすぎる。ってその前に自分で洗えよ。と思ってしまった。
・「おめざ」って朝食べるおやつおいう意味だったとは。
・ふてくされネガティブクイーン(笑)
・手相がない人に「あんた人生始まってないんじゃないの」とツッコむ小林さん(笑) -
Posted by ブクログ
小さい頃は早く自由な大人になりたい!と思っていて30代になると衰えを感じ若さに憧れるようになるけれど、小林さんを見てると、私も早く自由な本当の大人になりたい!と憧れる。歳をとることに逆らわない、諦めては…ない、でも確かに自分のご機嫌が何かを理解し毎日を攻略していくような楽しさをされている人生なのが、本当の大人であって本当の自由。小林さんの演技など見ると淡々として笑顔の時が少ないけど怒った時も神妙な面持ちも少ない、まっすぐ前を見てるだけですよ。という魅力がある。そんな小林さんの毎日を知る作品。歳をとることに諦めてはないと書いたのは、若作りの意味ではなく新しい事への小さな挑戦の積み重ねだったり常に脳も身体もフレキシブルである事。30代になると体力もさることながらやる気やモチベーション、熱中する事の向き合う頻度が落ちてきてウダウダしがちだけど、そうじゃないのが小林さんのあの魅力に繋がるのかなと思った。
まだまだ素敵で憧れる年上がいるって若さに戻りたいより前を見ているほうが人生がより豊かになる。 -
Posted by ブクログ
女優・小林聡美さんのエッセイ。独特なトーンの演技が好きで良く出演作を見ていたが、エッセイを読む限り、飾らない地に足のついたお人柄は印象のまま。コロナが始まったあたりからの、ご本人が50代の数年間分のエッセイ集。丁寧な日常と、ご自身に正直な暮らしがうかがえて好感が持てた。
それにしても、姉妹で国内バスツアー旅行に出かけたり、お友達と旅行に行かれたり、家で餃子を作って焼くのに失敗したり、有名女優さんと言えど普段は世を忍ぶ仮の姿で我々と同じ世界にいらっしゃるんだなぁという感じ。一言で言うと、普通の…妙齢の女性といった感じ。
そんななか、ピアノを習い始めたり、一念発起して大学に通い始めたり、柔軟で穏やかな心で人生後半の舵取りをされているのだなと、憧れのような気持ちを持った。自由を心に飼う自立した女性。一生物とは結局自身の身体だけだよ、と高価な買い物もしないのだが、心は満たされていそう。
特に心に残ったエピソードに、パンを買いに、というものがある。お気に入りのパンを自分のために買いに行くという話から、女性が家族のために食事を用意するということについて、そして子を持たず離婚をして独り身になったご自身についての話に転じてゆく。
五人家族でにぎやかな食卓で育った小林さんは、そのうち自分にも家族のために料理をする日々が訪れるだろうと若い時分には思っていた。しかしついぞその「任務」は訪れなかった。それでも「私は私のために料理をする。そこにとりわけ感情はない。お腹が空くから料理する。」
「任務」につかなかったことについて、いまは心理的にも肉体的にも楽でありがたいと言う思いが勝つ、という。ということは、昔は色々と葛藤があったのかしら、と奥行きが残る語り。1人の食事が続くのは地味だしさみしい気もすると言いつつ、生きるためだけに食べていることを侘しいとは思わない、なぜなら私は私のために私の好きなパンを買いに行けるのだから。
そう言い切るわずか数ページのエッセイから、小林さんの巡る想いの過去や今の真摯にご自身の生活や人生に向き合うフラットさや潔さ、そしてやはり心の自由さと軽やかさ、それがもたらす強さが滲む。 -
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女優の小林聡美さんのエッセイ。
ゆったりとしたあの語り口が耳元で聞こえてくるような、素朴で優しい文章だ。
「買い物」では、キャットタワーの処分に悪戦苦闘した経験が語られる。買い物の失敗はよくあるが、買うときよりも手放すときのほうがエネルギーが要るという教訓は身につまされる。買ったものの責任は自分で取らなければならない。心ときめくものに出会い、自分のものにするときの高揚は、そのときがピークであることが多く、後々ゴミになる可能性も想像できる自分でありたいという小林さんに深く共感した。
50代の目の見え方事情を赤裸々に告白している「老眼」を読み、「そんなに見えないんだ…」と愕然とした。私はかなりの近眼のため、近くも遠くも見えなくなって何も見えなくなってしまう。今のところ絶望しかないが、小林さんの言うように、視覚を補うような第六感が研ぎ澄まされることを切に願う。
最後の「もろもろのおわび」は、当の本人は忘れているけれど、知らずに傷つけてきてしまった相手への懺悔を綴った一篇。本の締めに置くのは、少しネガティブな気持ちになったというか、真ん中ぐらいで読みたかったなぁと思った。せっかく楽しいエッセイだったのに。
小林さんの実直な暮らしぶりや、生真面目なお人柄が伝わってきて、なんだか身近な存在に感じられ、爽やかな読書体験だった。
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小林聡美という人間はズレている。「どこからのズレか」という話は、大方複雑になるため省略する。しかし、小林聡美の中にはおよそ少女のようで、およそ老女のような「小林聡美」がいる。それでいて等身大なのだ。なんとも不思議である。
「本屋さんに入る。ずらあっと並ぶ本をまずは横目で眺める。気になるところでふと立ち止まる。目の前の棚と対峙する。およそタイトルに釣られて手にとる。手ざわりと文体を見る。一冊くらい買ってもいいかとたまたま思ったタイミングで持っていた爆弾を買う。」
これが僕の本屋でのルーティンなのだが、たまにはこう、もう少し必然的な出会いもいいかと思わせてくれる。読みたい本とかメモしながら読んだんだけれど、これ全部買ったらいくらになるんだろう!考えただけで恐ろしいけど、ゆっくり読もう。 -
Posted by ブクログ
何か本を読みたいと思って本屋へ足を運んでも、結局まごまごしながらうろつくだけうろついて、何も買わずにくたびれて帰る日が結構あります。
そんなわたしにとって書評は、本の試食のようなもので、ただ本屋を歩き回るよりよっぽど効率よく読みたい本が見つけられるので非常にありがたい存在です。
元々小林聡美さんの綴る言葉の、思わずクスッとしてしまうユーモアたっぷりなところや、軽やかさが大好きなので、聡美さんの言葉によって紹介される本はどれも興味をそそりました。
この本では、ご自身でも「こんなに、ほんとに読んだのね」とおっしゃられている通り、かなりの冊数の本たちが紹介されています。わたしも時折読む手を止めて、忘れないうちに読みたい本を記録しながら読み進めていきました。
紹介される本のジャンルも様々なので、ついつい馴染みの作家の本ばかり手に取ってしまうわたしに、新しい世界を切り開くきっかけを与えてくれました。気になったものはぜひ読んでみようと思います。
ラストの酒井順子さんとの対談も良かったです。お二人とも各々が持つ好奇心のつぼみに水を与え、すくすくと育てていらっしゃる姿が印象的でした。生きていると未来を悲観してしまう瞬間は多々ありますが、この対談を読んで年齢を重ねることが少し楽しみになりました。