あらすじ
ありきたりな「いつもの暮らし」にも、ときどき小さな幸せがある
コロナ禍前から半分隠居状態、同居の猫とも少々ディスタンスあり気味な関係。たまに出かけることもあるが、基本的にひとりで過ごす。事件と呼べるほどのことは何も起きない極めて平穏な日々。そんな生活の中でふと見つけた「茶柱」のような、ささやかな発見や喜びを綴ったエッセイ集。
インスタグラムに現れる動物にほのぼのし、絶景に縮み上がる。ベランダ菜園で生まれてきた野菜たちを親父気分で歓迎する。気のおけない先輩たちとの「婦人会」で、暑苦しくなくお互いを応援し合う。幼なじみとのバスツアーで「おつまみこんぶ」とバスガイドの素晴らしさを噛みしめる。キャットタワーが捨てられなくてひとり途方に暮れる――。日常を面白がろうとする姿勢から生まれた、ユーモアあふれる着眼点に思わずクスッと笑ってしまうこと間違いなしの一冊です。
【プロフィール】
小林聡美(こばやしさとみ)
1982年、スクリーンデビュー。以降、映画、ドラマ、舞台で活動。主な著書に『ワタシは最高にツイている』『散歩』『読まされ図書室』『聡乃学習』『わたしの、本のある日々』など。
感情タグBEST3
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つい先日久しぶりに映画「かもめ食堂」を見ていたので、読みながら始終小林聡美さんの声で脳内再生されて楽しかったです。小林聡美さんとは同世代なので、共感しかないエッセイ集でした。パスポートのお話しでもちょうど私も更新してたばかりなので、すごくすごくそうよね〜、となりました。昔より10年があっという間に感じられますよね。だけど、年齢を重ねるからといって悲観的になるのではなく、肯定的で、チャレンジ精神もあって、とっても好感がもてました。ほっこりとして、心の余裕の持ち方が学べました。タイのホテルで猫ちゃんと同室になったエピソードが特にほっこりして好きです。
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世の中の変化を受け入れながらも、自分の信念を持ち続け、老いを楽しんでいる様子が文章に現れていて、非常に清々しい気持ちになれる本でした。(かもめ食堂をもう一度観たくなりました)
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小林さんについて興味があったので、このエッセイを通して、たくさん知ることが出来ました!愛猫、旅行、料理、ピアノ等どのお話も興味深く読みました。なるほどと思ったのは「一生ものを信じない」!この言葉(お話)は、印象が強く、私のこれからの教訓になりそうです。
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大好きな女優さんなので読んでみたかった一冊。
読むのは難しいのでオーディブルですけども。
大女優さんですし、前回鑑読した俳優さんのエッセイのように自分を異世界へ連れてってくれるのかなと思って居ましたが、とても身近に感じられるエピソードばかりで親近感が湧きますし、小林さんのイメージそのもののような気がして耳心地が良かったです。これまで鑑賞した映画のつづきのようで、そのようなエンタメコンテンツが好きな私にとってすごくすごく生きる希望になっています。
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小林聡美さん大好き❤
この自然な感じがいいのよねー。
お一人を楽しんでいらっしゃるのね。
でも、軽い感じの結婚会見もよく覚えているし。
同年代だし、なんか一緒に進んでる感じがすごくいい‼️
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気負いのない自然な文章にホッとする
「つまるところ、一生ものとは、
自分の体しかないのだ」
断捨離スタートライン一歩手前のわたしにスッと入った言葉
「急げば急ぐほど人生は短くなる」
等々
そうだよね、なるほどね、と素直に頷けるエッセイ
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どこまでも自然体で、読むほどに笑顔と元気が湧いてくる感じがします。
年齢を重ねることは、トホホな事ばかりではなく、むしろ味わい深くて肩の力をフッと緩めていい気がしました。
同年代として、憧れる生活でした。
「婦人会」いいなぁ〜
どこか旅行に行きたいなぁ
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小さい頃は早く自由な大人になりたい!と思っていて30代になると衰えを感じ若さに憧れるようになるけれど、小林さんを見てると、私も早く自由な本当の大人になりたい!と憧れる。歳をとることに逆らわない、諦めては…ない、でも確かに自分のご機嫌が何かを理解し毎日を攻略していくような楽しさをされている人生なのが、本当の大人であって本当の自由。小林さんの演技など見ると淡々として笑顔の時が少ないけど怒った時も神妙な面持ちも少ない、まっすぐ前を見てるだけですよ。という魅力がある。そんな小林さんの毎日を知る作品。歳をとることに諦めてはないと書いたのは、若作りの意味ではなく新しい事への小さな挑戦の積み重ねだったり常に脳も身体もフレキシブルである事。30代になると体力もさることながらやる気やモチベーション、熱中する事の向き合う頻度が落ちてきてウダウダしがちだけど、そうじゃないのが小林さんのあの魅力に繋がるのかなと思った。
まだまだ素敵で憧れる年上がいるって若さに戻りたいより前を見ているほうが人生がより豊かになる。
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女優・小林聡美さんのエッセイ。独特なトーンの演技が好きで良く出演作を見ていたが、エッセイを読む限り、飾らない地に足のついたお人柄は印象のまま。コロナが始まったあたりからの、ご本人が50代の数年間分のエッセイ集。丁寧な日常と、ご自身に正直な暮らしがうかがえて好感が持てた。
それにしても、姉妹で国内バスツアー旅行に出かけたり、お友達と旅行に行かれたり、家で餃子を作って焼くのに失敗したり、有名女優さんと言えど普段は世を忍ぶ仮の姿で我々と同じ世界にいらっしゃるんだなぁという感じ。一言で言うと、普通の…妙齢の女性といった感じ。
そんななか、ピアノを習い始めたり、一念発起して大学に通い始めたり、柔軟で穏やかな心で人生後半の舵取りをされているのだなと、憧れのような気持ちを持った。自由を心に飼う自立した女性。一生物とは結局自身の身体だけだよ、と高価な買い物もしないのだが、心は満たされていそう。
特に心に残ったエピソードに、パンを買いに、というものがある。お気に入りのパンを自分のために買いに行くという話から、女性が家族のために食事を用意するということについて、そして子を持たず離婚をして独り身になったご自身についての話に転じてゆく。
五人家族でにぎやかな食卓で育った小林さんは、そのうち自分にも家族のために料理をする日々が訪れるだろうと若い時分には思っていた。しかしついぞその「任務」は訪れなかった。それでも「私は私のために料理をする。そこにとりわけ感情はない。お腹が空くから料理する。」
「任務」につかなかったことについて、いまは心理的にも肉体的にも楽でありがたいと言う思いが勝つ、という。ということは、昔は色々と葛藤があったのかしら、と奥行きが残る語り。1人の食事が続くのは地味だしさみしい気もすると言いつつ、生きるためだけに食べていることを侘しいとは思わない、なぜなら私は私のために私の好きなパンを買いに行けるのだから。
そう言い切るわずか数ページのエッセイから、小林さんの巡る想いの過去や今の真摯にご自身の生活や人生に向き合うフラットさや潔さ、そしてやはり心の自由さと軽やかさ、それがもたらす強さが滲む。
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女優の小林聡美さんのエッセイ。
ゆったりとしたあの語り口が耳元で聞こえてくるような、素朴で優しい文章だ。
「買い物」では、キャットタワーの処分に悪戦苦闘した経験が語られる。買い物の失敗はよくあるが、買うときよりも手放すときのほうがエネルギーが要るという教訓は身につまされる。買ったものの責任は自分で取らなければならない。心ときめくものに出会い、自分のものにするときの高揚は、そのときがピークであることが多く、後々ゴミになる可能性も想像できる自分でありたいという小林さんに深く共感した。
50代の目の見え方事情を赤裸々に告白している「老眼」を読み、「そんなに見えないんだ…」と愕然とした。私はかなりの近眼のため、近くも遠くも見えなくなって何も見えなくなってしまう。今のところ絶望しかないが、小林さんの言うように、視覚を補うような第六感が研ぎ澄まされることを切に願う。
最後の「もろもろのおわび」は、当の本人は忘れているけれど、知らずに傷つけてきてしまった相手への懺悔を綴った一篇。本の締めに置くのは、少しネガティブな気持ちになったというか、真ん中ぐらいで読みたかったなぁと思った。せっかく楽しいエッセイだったのに。
小林さんの実直な暮らしぶりや、生真面目なお人柄が伝わってきて、なんだか身近な存在に感じられ、爽やかな読書体験だった。
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ゆったりとした雰囲気がただようエッセイ。
生き急がずに日々を丁寧に暮らす50代女性の余裕があるのが心地が良かったです。
忙しい芸能界を生きてきた方でありながら、小学生の頃の友人や古い知人とのエピソードが多くあることに、人を大切にする素敵な人間だなぁと感じました。あとがきの茶柱の話が面白く興味深かったです。
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テレビや舞台で活躍の小林聡美さんの肩肘張らない自然体のエッセイ。
同世代なので共感するところも多い。
自分の雑さを、言い訳していたところなんか同じ気持ち。
何かが上手にできなくなることは、これからどんどん増えていくけれど、くじけず、いじけず、自分の暮らし方を確認してみるのも大切だと思う気持ちなど。
ピアノを習い、句会に参加し、仲間たちと集う婦人会も楽しんでいる。
そして猫好きなのがよくわかるほどいろんなところで猫に纏わる話もある。
自然体な感じでほっとさせるような人柄に好感がもてる。
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自由でゆるやかに生きている小林さんに憧れる。
いや本人さんからすれば、それだけじゃないんだろうけどもね。
時にはあたふたする様子も失礼ながら可愛らしい。
キャットタワーの顛末なんて最高よ。
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テレビで見る印象とは違い、何だかとても可愛い印象を受けました。
読み進めるうちに心が穏やかになって、自分の生き方を考え直すいい機会となりました。
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60歳目前の聡美さんが、
自分よりも年上の方に思う事や
60になる自分に思う事など
明るく前向きに、でも真っ直ぐ伝わってきて
私もこれから歳を重ねるので
未来を明るく前向きに照らしてくれる本だなと
思いました。
みんな同じように歳を重ねる。
だから、聡美さんと同年代の方はもちろん
もっと若い方にもオススメ。
私は30代だが
上の先輩方はこう思ってるんだな、と思うと
普段の生活にも変化が出る。
なので、30代20代にも読んでもらいたい。
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日常のなんでもないことがよく洞察されていて、ふっと笑ってしまうような場面があって、気軽に読めて、良い時間を過ごすことができた。
ピアノを習いたくなった。
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読んでいると映像が浮かんでくる。キャットタワーの話は結末も含めてちょっとしたミニドラマだった。買ったのに処分できない物って!購入する時は処分することも考えて買わないとダメなのかもしれない。
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小林さんのドラマを見ているかのような画面が想像できる穏やかな日常を丁寧な文章で綴られていて、エッセイなんだけど優しい物語のような1冊
やっぱり猫が好きのイメージ通り猫好き小林さん
キャットタワーのお話など猫好きさんにもお勧め
Posted by ブクログ
聡美さんは頭をこねくり回して無理矢理にでも生活を豊かにしようという感じがなくて好きだ。
世間にうまく合わせながらも元来の自分らしい生活を貫いているような、自分の国を持っているような。
そんな感じが素敵。
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小林聡美さんのコロナ禍の暮らしぶりを覗くことができる最新エッセイ。
久しぶりに、小林聡美さんを読んだのだけれど、文章に厚みがあって上手だなぁ。さらりと読ませてくれてくれる。今回とても楽しく読んだ。
今まで読んだ中で一番好き❤︎
じわーっとくる。彼女が自分の人生後半の心と身体と向き合っている様子に、共感できるからかも?
この言葉が心に残った。
『豊かさとはどれだけ自分が楽しめるか、ということなのだ。楽しむ覚悟を持って。』
20240620
Posted by ブクログ
audible12冊目。
映画『かもめ食堂』で好きになった小林さん。
このエッセイも面白かった。
日常生活や出先やらで感じたことを、気張らず、自然体で表現されています。
わたしもこんなふうに、ていねいに(ある程度大雑把も大ありで)生活していきたいなあと感じました。
料理や家庭菜園、趣味、などなど。
いまの仕事を続けるうちは、なかなか難しいかもしれないけれど、できることから少しずつ。
片桐はいりさんのエッセイも好きで数冊読みましたが、小林さんのエッセイもこれからチェックしていこうと思います。
Posted by ブクログ
この本を読んで新しく学んだことは、著者の声を知っていると、まるで朗読しているかのように、聞こえてくること。
かもめ食堂やめがねの、小林聡美さんの声や喋り方が、すぐそばで聞こえてくるようなエッセイ。
もし日常を書くなら、こんなふうに書きたいな〜と思う、ステキな文章でした。
Posted by ブクログ
コロナ禍からの小林さんの生活が垣間見れて、あぁこんな生活をされていたんだな(いるんだな)と、親近感が湧いてくる。それと同時に、老いというものは誰にでも平等にやってくるということも改めて気付かされた。
1番最後の話の1番最後に「ひと知れず傷つけてしまったたくさんの人たちに、ごめんなさい、といいたい。そしてこれからもひと知れず人を傷つけて生きていくのかなと、ちょっと緊張した」という文章があり、この一文が自分もそうだとドキッとした。ひと知れず傷つけるって怖いですね。でもそうしてしまっているんだろう。