皆川博子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
正直外国を舞台にした話は苦手(というかカタカナが多用されるのが苦手w)なのでどうしようかな、とも思ったが、前に読んだこの方の短編集の面白さを覚えていたので。
第二次大戦後のドイツが舞台となっていたせいで時代背景がわからず、カタカナも多く、第一章でまず一度読むのをやめようとして、でも読み続けて見ればなるほど、これは面白い。
構成自体が変わった形態をとっていたのもあとあと考えると震えるほどよくできていて、感動した。
前に短編を読んだ時同様、このひとの頭の中はどうなっているんだろうと思ってしまう。これだけ幻想的な、ある意味幻覚のような後味を残す小説は、すごい。
個人的にはアルトゥールとヨハンの関 -
Posted by ブクログ
第95回直木賞。
江戸末期から明治にかけての、遊郭と芝居の世界を描いた時代小説。
主人公は遊女屋の娘・ゆう。たまたま見かけた三流役者による芝居に魅せられ、遊女屋のおかみとして生きる道を捨てて、旅芸人と結ばれる。
本筋は、ゆうの恋愛、成長の記録であるが、他に裏テーマというか、さまざまな対立の構図が描かれている。遊女屋の娘・ゆう(使用人)と花魁(雇用人)、ゆうときつ(かむろ)、三流役者・福之助と大名題役者・田之助、吉原と深川、劇場と旅芝居などなど。みなそれぞれに自分の立場を理解し、また、自分の立場をあきらめ嘆き、それでも意地を張って生きていく。