皆川博子のレビュー一覧

  • 倒立する塔の殺人

    Posted by ブクログ

     終戦間際の時代、ミッションスクールの図書室に置かれていた『倒立する塔の殺人』と書かれたノート。そのノートには手記と終わりのない小説が書かれている。その手記とノートが書き継がれていくうちに徐々にそのノートに秘められた企みが明らかになっていく。

     濃い世界観の小説はいろいろありますが、この作品の世界観はただ単に濃いだけでなく、甘く妖しい芳醇な他の作家さんではなかなか出せない独特の濃さがあるように思います。

     それは戦時下から終戦直後という時代設定や、キリスト教系で女子学生だけのミッションスクールという舞台設定に加えて、
    女子だけの世界だからこそ起こりうる愛憎を雰囲気たっぷりに描いているからだ

    0
    2014年12月29日
  • 少女外道

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「少女外道」というタイトルとあらすじに惹かれて読みました。7話からなる短編集です。
    順番に感想を書きます。

    「少女外道」
    表題作です。
    あらすじには『(割愛)久緒は、あるとき怪我を負って苦悶する植木職人・葉次の姿を見て、自分が苦しみや傷に惹かれる「外道」であることを知る―。』とあります。
    期待して読んだのですが、わたしの想像していた「外道」とは少し違ったので、この本、ちょっとわたしの好みとずれてるんじゃないだろうか、大丈夫かなあと思いました。
    うまく言えませんが、本当に怪我をしてしまった人には不憫で惹かれないのです。
    そういう意味では主人公は本当に「外道」ですね(笑)

    「巻鶴トサカの一週間

    0
    2016年08月16日
  • 倒立する塔の殺人

    Posted by ブクログ

    作中作が盛り込まれた作品構造が複雑で
    理解しきれないまま終わってしまった。

    ミッションスクールと女学校の独特の雰囲気と
    その中で繰り広げられる濃密な人間関係は
    味わえた気がする。

    0
    2014年06月19日
  • 伯林蝋人形館

    Posted by ブクログ

    複数の視点が交錯しながら時が過ぎてゆく中に、退廃的というか耽美的というか、独特の世界が感じられた作品でした。

    0
    2014年05月13日
  • アルモニカ・ディアボリカ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    プロットそのものがかなり入り組み、相当複雑な構造になっているのだが、それを齟齬なくまとめ上げているのはさすがだと思う。
    ただ、通読して感じるのが、なんだかこれまでの皆川作品とは少し違う、という漠とした心地。
    二昔前のロールプレイングゲームのように、極めて限定的な細い筋の上を、辻褄を合わせるために辿らされているかのような、とでも表現すればいいのだろうか。
    登場人物のことごとくがストーリーにバチッとリンクしていく様に、いつものような気持ちよさの代わりにちょっとした強引さというか、お仕着せのご都合主義に近いものを感じてしまった。

    「開かせていただき光栄です」の世界が再び展開されていることについては

    0
    2022年01月04日
  • 少女外道

    Posted by ブクログ

    現実と幻想と、夢と記憶と、彼岸と此岸と、それらのあわいをふわふわと漂っているみたいな感覚。
    そこに血の匂いが立ち込め、死の気配が漂い、すべてを見下ろしている「神」的なものの存在を感じさせる。
    やっぱり皆川博子さんの短編はすごい。

    「戦時中」の「少女」という視点が、すでに大きな仕掛けになっているのだと思う。
    慎ましく生きることを望まれ、純真無垢であることが当たり前だった少女の中に、芽生えてしまった「外道」性。それが少女たちの心の中に隠されて、沼の奥深くに沈められているうちに、ここまで大きな幻想に成長したのだろうか。
    それでいて語り手が、その「少女」自身ではなく、(神的な)第三者であったり、成長

    0
    2014年04月30日
  • 妖恋

    Posted by ブクログ

    1作約30頁という短篇でありながら、読者を世界観に浸らせさらに主人公の狂気的な恋情を恐怖や絶望だけでなく切なさと幸福に変える文章に感服。
    江戸なのに江戸ではない、江戸でないようで江戸の出来事。曖昧さ加減が絶妙で、そのなかで揺れ動く恋もまた絶妙で、この人にしか書けない文章だなと思った。
    挿絵がまたきれいで、作品の雰囲気にとてもあっている。

    濡れ千鳥が一番好き。

    0
    2014年04月20日
  • 恋紅

    Posted by ブクログ

    ずいぶん前の直木賞作品ですが読んでみました。
    江戸から明治にかけて吉原の遊郭の娘として生まれた主人公が役者にほれ、恋に身を投げこみ、不自由な暮らしながら旅役者の恋人として時を過ごしていく様があでやかに描かれていて十分に楽しめた。恋に一途になれるのって素晴らしいなあ。

    1
    2014年04月06日
  • 妖恋

    Posted by ブクログ

     ファンタジーだなぁと思ったら、解説で幻想小説とあって納得。
     1話1話の重みが軽いんだけれど、よくよく読むと、がっつりと重い。そして酷い。
     それなのにきれいなのか文体のせいなのか、書き手の心根ゆえなのか。

    0
    2014年03月20日
  • 倒立する塔の殺人

    Posted by ブクログ

    戦時下のミッションスクールで女生徒が不可解な死を遂げます。彼女ら3人が書いたリレー小説「倒立する塔の殺人」を読んで死の真相を探るお話です。
    構造が複雑にも関わらず、作中作の使い方が絶妙ですし、そこに仕掛けられたトリックは圧巻でした。
    ただ、少女漫画チックな独特な表現方法が苦手だったのと、西洋絵画に関する会話が多く、そっち方面に疎い私には多少苦痛でした。

    0
    2014年02月19日
  • 少女外道

    Posted by ブクログ

    「蝶」よりアウトローな感じは薄いと感じたけど、相変わらずの薄暗さ。
    「標本箱」と「有翼日輪」が、よい倒錯でした。だけど前者はちょっとオカルト?なのが…不意打ちでなじまないけど、設定が好きなので

    0
    2014年02月14日
  • 倒立する塔の殺人

    Posted by ブクログ

    嫌いではないけど、あまりピンと来なかった。
    謎解きとしても、雰囲気としても、登場人物も。
    戦争中の女学生と学校、街…その時代の匂いみたいなのは興味深かったかな。

    0
    2013年12月22日
  • 妖恋

    Posted by ブクログ

    タイトルからして美しい言葉が並ぶ。合わせて挿絵の妖しい美しさ。
    本篇を彩る言葉がまた贅を尽くした絢爛さだ・・・人物や風景、行事、召し物などの江戸模様がまた良い。
    今宵はどの篇で甘美な絶望の夢をみようか・・・蛍舞い飛ぶ沢か、菊の香漂う薄もやの早朝か・・・

    0
    2013年09月04日
  • 妖恋

    Posted by ブクログ

    江戸時代を舞台にした幻想的な短編集。恋に縛られ身を滅ぼす男女の心の機微が、幽玄かつ繊細な筆致で描かれる。読んでいるうちに、夢と幻の境目が曖昧になっていくような不思議な感覚が味わえる。特に前半収録の何篇かは、語り口調が泉鏡花っぽいなと思った。

    0
    2013年07月20日
  • 開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―

    Posted by ブクログ

    タイトルがコジャレている。
    作者は、様々なジャンルの作品を書いているが、古い時代のヨーロッパを舞台とした耽美的なミステリーがピカイチ。
    本作は、やや軽めだったが、80近いお年を考えると、なんと若々しいことか。まだまだ、たくさん書いていただきたい。

    0
    2023年06月25日
  • 倒立する塔の殺人

    Posted by ブクログ

    雰囲気とか良かったし、伏線も全部回収されてて綺麗に終わってるけど、トリックとかちょっと残念な感じがする。

    0
    2013年02月06日
  • 倒立する塔の殺人

    Posted by ブクログ

    戦時中の女学校を舞台に巡る秘密のノート。
    幾人もの手に渡り書き出され、明かされる真実。
    作中で流れる歌や語られる絵画と文学に読者までも引き寄せられる。
    物資が乏しい寒々しい時代の中で、知識と教養で色づく女学生たちが眩しかった。
    書き綴られた結末と最後の真相しばらく浸ってしまう作品。
    ジャスミンティーが飲みたくなる。
    解説では三浦しをんさんが熱く語っており、より楽しむことが出来ました。

    0
    2013年01月24日
  • 倒立する塔の殺人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    分かりずらいうえに時系列がややこしい。
    話の中で別の文章が出てくるのは
    何度読んでも苦手なんですが、
    そこがまたわかりずらい。

    ですが、文章的には
    面白かったので、ほかの作品も
    挑戦してみたいです。

    0
    2013年12月02日
  • 聖女の島

    Posted by ブクログ

    『恐るべき子供たち』の物語かと思いきや...

    長崎の軍艦島を想わせる孤島。そこにはさまざまな背徳行為によって矯正を余儀なくされた少女たちが集められている。そして施設の秩序が崩壊しつつある今、ひとりの修道女(マ・スール)が召喚された。

    妖しい香りが匂っています。しかし幻想的という訳ではなく、妙に生々しく泥臭く、土埃を感じさせるリアルさがあります。
    矯正施設を束ねようとするどこか愚かな大人たちと、頭の切れるリーダー格の二人を中心とした少女たちの攻防。その中で修道女(マ・スール)はどういう役割を演じるのか。
    読み進めていくうちにめまいに似た感覚が起こり、しだいに幻惑されていきます。

    果たしてそ

    0
    2012年04月07日
  • 冬の旅人(下)

    Posted by ブクログ

    ■あらすじ
    時は19世紀末。一枚の絵に見入られ、芸術の悪魔に身も心も奪われた環は、露西亜の大地を彷徨い続ける。高名な美術収集家トレチャコフ、怪僧ラスプーチンとも出会い、宮廷へと招かれるが、やがて抗いがたい革命の炎と欲望、過酷な運命の渦に巻き込まれていく……。実在の人物に想を得た壮大な歴史フィクション。

    1
    2011年10月08日