ショーペンハウアーのレビュー一覧
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ショーペンハウアー「 意志と表象としての世界 」
3巻 天才論と芸術論から 新しい世界秩序を展開。全体像が少し見えてくる。2巻の意志の世界を、生に盲目的であり、自由の代償として孤独を感じる苦悩の世界としている。
イデアは 本質、普遍的な真理、不変の原型、意志が適切に客観化されたもの
イデアは いっさいの現象(表象)の普遍的な形式(客観は主観に対応した存在)をまもっている〜イデアのみが意志(物自体)の適切な客体性といえる
純粋な認識主観はイデアを認識しているだけ
著者の伝えたいことは「目前に存在するのは、自分自身でなく 客観のみであるという幻覚を作り出せれば、あらゆる苦悩から免れる -
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俗な幸福論ではない。
「人は幸福になるために生きている」というのはまやかしだという。
幸福はむしろ人を弱くする側面もあるという。
自分だけをよりどころに自分を育て、孤独に耐え、孤独を愛し、不幸の少ない人生を送れ、との主張を、ときにシニカルな(=現実を見据えた)筆致で綴っている。
女性、人種、ユダヤ人、現代で言う「認知症」などへの考え方が時代錯誤なところはある。しかし、名声、名誉、過度に一般化された国民性、決闘、戦争、保険料、青年期と老年期の役割の違いなどへの言及は今も色あせない鋭さをもっている。
日記が大事だとさらりと書かれている。
巻末の解説が素晴らしく、理性を重視したヘーゲル哲学を乗 -
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直接的に幸福にするのは、因果を逆に捉えがちだが「心根が明るいこと」である。「この特性は何にも代えがたい」とショーペンハウアーは語る(5%辺り)。陽気さにとって富や名声ほど役に立たないものはなく、健康ほど役立つものはない。健康第一というわけだ。
置かれた環境下で幸福感が左右されてしまう外的要因に心惑わされることなく、内的要因に心の平和を見出そうとする考えは成熟社会の日本では一般的と言っていい(常にこれに立ち戻るのは難しいが)。「健康な身体」もそういう意味では状態に左右されてしまうので不健康であっても維持できる強固な心の平和、サンクチュアリを創造したい。
著者によると、幸福の基礎をなすのは動物 -
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「意志と表象としての世界」第3巻と第4巻の一部を掲載したのが本書。ショーペンハウアーの芸術論(第3巻)と世界観(第4巻の一部)で構成されている。
芸術論はイデアの世界観と芸術の世界観をテーマにペシミストたるショーペンハウアーが垣間見せるポジティブな世界観。音楽を最高の芸術と称して芸術はイデアの世界を認識させてくれるという。
そしてこの意志というものは万物を動かすエネルギーみたいなもので、盲目なるエネルギー。こうやって考えるとドーキンスの「盲目の時計職人」を想像させる論理で、人間が制御できないエネルギーだからこそ人間の生は苦悩という次巻の結論につながっていく。 -
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ネタバレ『意志と表象としての世界』の構成 p37
第一巻=認識論、第二巻=自然哲学、第三巻=芸術哲学、第四巻=倫理学
《第一巻 表象としての世界の第一考察―根拠の原理に従う表象、すなわち経験と科学との客観》
冒頭 p5
「世界はわたしの表象である」―これは、生きて、認識をいとなむものすべてに関して当てはまるひとつの真理である。
(解説)わたしの意識の外に世界が実在する、と主張してみても、そのことを確信するのもまたわたしの意識である。この言葉は、外から押しつけられるいかなる既成の価値をも疑う、という態度表明でもある。
継続こそ時間の全本質である。p20
理性によって正しく認識されたものが真理 W -
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本書と同じ著者・訳者による、光文社古典新訳文庫の『読書について』(2013年)は以前読んでいた。両書ともに主著『意志と表象としての世界』を敷衍したエッセイ『余録と補遺』からの訳出である。『読書について』は、合計3篇収録され、解説を含んでも194ページと文量が少なく、読みやすかった。一方で、本書は解説込みで427ページと分量が多く、また、読みやすさも感じなかった。解説によると、『余録と補遺』中で、『幸福について』は、一番分量が多いとのことだ。
現代の目で見ると、文章が刈り込まれておらず、くどさを感じるところもある。たとえば、下記の文章はどう感じるだろうか。
したがって私たちの幸福にとって、気 -
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ショーペンハウアーの『余録と補遺』から、読書に関する3篇、「自分の頭で考える(思索)」、「著述と文体について(著作と文体)」、「読書について」を収録したもの。上記カッコ内のタイトルは岩波文庫版の訳である。
3篇のうち、「著述と文体について」が一番ボリュームがある。そこではまず、お金のために書かれた本だと気付いたら、その本をすぐに投げ捨てなさいと促している。その部分を引用しよう。
まず物書きには二種類ある。テーマがあるから書くタイプと、書くために書くタイプだ。第一のタイプは思想や経験があり、それらは伝えるに値するものだと考えている。第二のタイプはお金が要るので、お金のために書く。書くために -
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ネタバレショーペンハウアーの生涯と『幸福について』を照らし合わせる歴史マンガ的な位置。
日本ではあまり情報がない女性彫刻家のエリザベート・ネイとの出会いから始まる。『幸福について』は要素をなぞるような程度で、学術マンガというよりは歴史マンガの印象が強い。でも面白かった。
『孤独を愛しなさい』
『孤独に耐えられない者が社交的になり、余計な悩みを増やしてしまう』
『日記は役に立つ』
『頭でっかちな知識だけで経験がないのは注釈だらけの本に似ている。経験だけで知識がないのは難しすぎてどう読んでいいかわからない古典と同じ。知識と経験をバランスよく身につけるには、毎晩寝る前に一日を振り返ると良い』