ショーペンハウアーのレビュー一覧
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ロシアの大文豪トルストイに、
多くの人間たちの中でももっとも天才的な人物だと確信すると言わせたドイツの哲学者ショウペンハウエル。
今から150年ほど前、当時の一般的な常識であった、人生とは幸せになるためのものという前提を根底から覆し、人生とは困苦であり退屈であるのだから、いかにその災難から逃れられるかが、幸福を握ると喝破した。
アリストテレスの「賢者は快楽を求めず、苦痛なきを求める」という文言こそが生きる知恵の最高原則だと講ずる。
引用される人物
ソクラテス、プラトン、アリストテレス、ホメロス、セネカ、キケロ、シェイクスピア、ゲーテ、スピノザ等
古代ギリシャ、古代ローマ、中世ヨーロ -
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ネタバレ普通人にとって認識能力とは、自分の実生活上の道を照らしてくれる提灯であるが、天才にとってのそれは、世界を明らかにしてくれる太陽である。p46
「草木はこの世界の仕組みが目に見えて美しいかたちをなすよう、感覚に対しその多様な形態を提供して知覚に役立ててくれる。草木は自分では認識することができないから、いわば認識されることを欲しているようにみえる」(聖アウグスティヌス『神国論』)p91
純粋に後天的(アポステリオリ)には、つまり単なる経験だけからでは、いかなる美の認識も可能にならないであろう。つねに美の認識は、先天的(ア・プリオリ)である。それはわれわれにア・プリオリに知られている根拠の原理の -
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愛、生と死、正義、自己肯定、虚無。ショーペンハウアーの説明はなんとも清々しく感じる。
読んでいて、「そうだ、そういうことなのだ」と自分の内奥に通ずる思いを感じるのだ。
我が意を得たり。あやふやで悩んでいたことへの理解を与えてくれたことに感謝しよう。
愛とは無償の献身であること。
友情とは自己愛と同情の混合であること。
泣くことは他者への同情を介した、自分への同情であること。
永続する幸福など無いということ。
性欲は生を肯定し、死もまた生の一部であるがゆえに生を否定するものではないということ。
真に正義である人は、自分を肯定し、他人を支配せず、自分の受けた分だけ他人にも施そう -
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ネタバレショーペンハウアーが多くの芸術家から支持されたのは当然とも言える。
なぜなら、ショーペンハウアーが登場する以前の時代から、もしかしたらペシミズム(厭世観)という言葉が登場する以前から、絵画、音楽、詩など様々な形で、芸術家たちはこの世が苦しみや悲しみで満ちていることを描くことを試みてきたのだから。
そして、さまざま芸術の中にイデアを見出し、伝達しようとする試みも、芸術の作り手たちが考えてきたことだからこそ、共感を得たのではないかと思う。
悲劇が、人物の特性を遺憾なく発揮し、人間の心情の深さを開示するという点で、詩芸術の最高峰というのはまさに言い得たことだろう。人間の本質は楽なとき、喜びに満ちて -
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ネタバレ私たちは、自分が「享楽的消費社会」の只中でその『自由』と恩恵を享受しながら、収入、生活、老後などの様々な問題で身動きが取れない『孤独』を感じざるを得ない。
水がどのような形であっても、その本質を表すことに変わりないように、人もまた、どのような場合にもその本質が現れることをショーペンハウアーは述べている。
しかし、2012年の現実は、どの場合に誰かが作ったレッテルを貼られ自分の本質で内容に感じられてしまう。
今こそ、自分の好む、好まざるの思想を超え、新しい考え方、生き方を見ようとしなければ。
そのヒントを与えて食えるかもしれないと思える本である。 -
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読書という姿勢について哲学的視点から読み方と良書の選び方を勧め単に読むことで情報を鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考えながら思索し、批判的姿勢、疑問、問いを浮かべながら読むという行為をすることを推奨している。
本に限らず、動画やSNS等で様々な質の悪い誰が言ったのかもわからない情報や誤情報で溢れている。本でも同じことを情報への向き合い方について本著は示すものだ。100年前の書物であるが、良書とは何か、悪書とは何かを自分自身で吟味すると良いだろう。
著者が推奨する良書というのは時代を超えて価値を持つ本というものは、古典のように、長く読み継がれた理由があるもの。短命な流行書ではなく、世代を超えて -
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人は意識せずとも他人と比べ、未来を憂い、今を見ず感じず、他人や過去未来をばかりを見て比較し、不安や不幸の迷路に陥ってしまう。本著で気付けることは、他人や実体の無い過去や未来を憂うことを止め、私たちが「今、生きている」という実感と、様々な視点を本などから学び、多様な経験を通して内面を豊かにすることで、孤独や不安や他者との比較や不幸に迷路に迷わず、今、私が感じている充実感と私だけの本来の幸福に気付くべきだと示唆している。
不安や心配も社会通念上の幸福は「迷妄(幻想・錯覚)」と説き、私も同意する。
私たちは常に誰かが作った幸福の尺度の中で生きている。常に比較し疲弊し摩耗している。自分の声を聞く必要が -
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私にとってショーペンハウアーはド定番なのだが、時々読み返したくなる。心が弱っている時とか、素朴な視点で状況を見直すのに最適だからだ。つまり、そういうタイミングなのだというバロメーターにもなる。食べたいものは身体が欲するもの。読みたいものも然り。実際に弱っている訳ではなく、単に関西と関東を行ったり来たりで疲れているだけだが。尚、本を開いたまま、気付くと駅から駅に瞬間移動している不思議。
ー 人間は知的教養よりも富を得ることに千倍も一生懸命だ。すでに持っている富を増やそうと、休む暇もなく多忙をきわめ、朝から晩までアリのようにせっせと働く、なんと大勢の人がいることだろう。そういう人は富を増やす方法 -
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「読書するとは、自分でものを考えずに、代わりに他人に考えてもらうことだ」はよく引用される箇所だが、それ以外にも「良書を読むための条件は、悪書を読まないことだ。なにしろ人生は短く、時間とエネルギーには限りがあるのだから。」だったり、「読書と同じように、単なる経験も思索の代わりにはなれない。」だったり、ギクリとする記述が多く見られる。その他にも古典や原著を勧めていたり、多読を批判していたりと、著者の読書についての独特の見解が読む者の心に突き刺さる。果敢に読書に取り組んできた自分にもこれらの言葉は突き刺さり、繰り返し問いかけた。読書できているのか、と。読む者に問いかける切れ味抜群の言葉たち。読書する
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厭世世界をどう生き抜いて幸福である事を実感するか、又は真の幸福とは?について書かれていた。
他者からの印象を気にせず、たまには独りの時間をどっぷりと楽しみ、その孤独な時間を愛せる者は真の幸福を知っていると説く。
外的刺激は殆どがまやかしと幻想。
そこから少し離れられるか、そうでないか。
喧騒と社交、対人関係を好む者は時を前借りしていて、そのツケは50代から支払う事になる。
時の前借りとはとても残酷だと思ったし、そうならない為に今をより幸福な、今風に言えばストレスフリーな生き方をする事を勧められている。
ストレス…現代にはストレスの要因になるものばかりで頭が痛くなるが、これを最小限に排除して生き