桜井亜美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「好きになってしまった人はいつかあたしを嫌いになる。だから嫌い」。本当の自分でいられるのは、メイド喫茶でアルバイトをしている時と、アニメやゲームキャラに自分を重ね合わせてイラストを描いている時だけ。エッチの相手にも、生身の自分は見せない。杏は、自分の感情をツギハギだらけにして、その場しのぎの“仮の自分”を繋ぎ合わせた日々を送っていた。だが、ある嵐の夕方、サーフボードを抱えた青年・陸と出会った時、杏の感情に変化が訪れる。やがて二人は奇妙な同居生活をはじめるが……。居場所を探している全ての人に捧げるラブストーリー。
男女の恋愛小説で、さくっと読めた。 -
Posted by ブクログ
結局殺すのかよ、っていう微妙な終わり方。
主人公は実在するらしいが、著者本人ではないので内容はノンフィクションとフィクションが混ざり合っているのだろう。
著者の名が実名だったら、きっと主人公から連絡が来るだろう。
著者は、実体験や周りの人間の話ばかりを物語にしているのだろうか。
恋人のトモヤが死んだ。トモヤの友人ミズホは医学生でレイプ好きだが同性愛者。トモヤの恋人であるサキはキシワダタカシという男の愛人に。日記風のメールを送り続ける。サキはあるゲームをしている。優しい妻とかわいい子供がいる恵まれた家庭を持ち、それを平気で裏切りながら、決して自分を汚れているとは思わない男をずたずたにするというゲ -
Posted by ブクログ
2008.09.16-09.23
人を愛することができない傷を抱えた者達が集まり、狩りや何やと犯罪すれすれ(あ、いや犯罪か)の生活を送っている。
でも何かを(多分愛を)求めてる。
そんな話。
今の携帯文学のはしりのような気がしました。
それよりはもっと人の心理に踏み込んではいるけど、起こっている出来事がね。
たとえ、一見すさんでて破滅的でも、こんな風に自分を発信している方がいいんだろうか。
同じような気持ちを抱えていても何もせず、悶々と自分の中に抱えたままでいると、「つまらない大人」になっちゃうんだろうか。
どっちが生きてけるんだろうね…。 -
Posted by ブクログ
『シネスシージア』という特殊な意識構造を持った彼女は、感情が普通に表現できずに感情の起伏が全て音楽と直結しているため、表現の方法が全て音楽になってしまってる。
切なくて重苦しくて理解されないことの寂しさや、うまく表現できないことへのもどかしさを感じた。
世間からは「エイリアン」のように扱われ、居場所のない悲しさ、疎外感が伝わって来た。。
期限付きで感情を持つことが出来た彼女の最初で最後のFirst Loveが悲しい。
収容先の医療少年院で「何をしてここに入れられたの?」の友人の問いに
「なにもしてない」と答えたのがとても心に響いた。
共感者であるがゆえ感情表現がうまく出来なくて、まわりから理 -
Posted by ブクログ
>名曲をモチーフに紡がれたラブストーリ
と、いうもの
Salyuやくるり、ミスチルに尾崎豊etc...の曲のタイトルがついた話の数々
私はその中でくるりの「ばらの花」をモチーフにした話が好きだ
情緒不安定な彼女、mixiでとある女性と親しく連絡を取り合う彼氏
舞台は下北沢
「mixi」や「下北沢」というフレーズだけで私はすぐに感情移入し、読むことが出来た
付き合っていれば思う、ごく普通の感情
ここに、あたしの隣にいてくれること
手を繋いで、一緒に歩き続けてくれること
存在を、生きることを、許してくれること
そんな人は世界中で彼方しかいない
そして、それを信じることがあたしの結界
あ