西田佳子のレビュー一覧

  • ユードラ・ハニーセットのすばらしき世界

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    先ごろ読んだ『ふたりのソフィー 77歳はなれた親友』と同様な85歳の老女と隣に越してきた10歳の少女の年齢を越えた友情の話。だが、私は圧倒的にこちらが好き!ユードラの今と過去の話が代わる代わる語られる。ユードラの人生悪くなかったよね?と思える1冊。

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    2025年08月26日
  • クレア・バーチンガー自伝 紛争地の人々を看護で支えた女性の軌跡

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    自分が生まれるよりも前の時代の体験かと思って読むも、今なお、ロシア・ウクライナ問題を筆頭に中東地域でも今なお続く戦争を考えさせてくれる。
    自分らしく生きることを思い出させてくれた。

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    2025年06月13日
  • 警視の慟哭

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    ダンカンが、スコットランドヤードから所轄署に理由も告げられずに異動させられた謎が解明されます。

    っていうか、一応、その謎の解明とともに、警察に潜む大きな闇も解決された体をとっていますが、どうなんでしょうね?そう言う思いを抱かせられた作品です。なんか、この後も影響を引きづりそうな気がします。

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    2025年06月04日
  • 警視の謀略

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    スコットランドヤードの警視として活躍していたダンカン。前作での上司との衝突の影響なのか、所轄署で、同じ警視として異動となってしまいました。階級は同じだけど、実質左遷だそうです。異動先には、一癖ある部下。大変ですね。

    なんか本作あたりから、急にほのぼの(とまでは言えないかもだけど)した話から、エスピオナージ臭が漂い始めますね。そもそも、この作品も、テロか?と思うような事件だしね。

    しかし、犯人、怖いよね。イギリスって、時々、こう言う犯人居るけどね。

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    2025年05月24日
  • ニュージーランド アーダーン首相 世界を動かす共感力(集英社インターナショナル)

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    やはり国のトップは人格者でなくてはならない。
    それに性別や年齢は関係無い。
    そしてアーダーンの様な、本人に国のトップになりたいという野心が無かったとしても、性別や年齢に関係無く国のトップに選んだ、そして何よりその様な人物を育んだニュージーランドという国を尊敬する。
    勿論、女性蔑視などの様々な障害はあったが、それを乗り越える強さと行動力は、本当に素晴らしい。
    もう退任されたがドイツのメルケルをはじめ、フィンランドや台湾など、女性がリーダーの国は実際の国力以上の強さを感じる。
    そんな事を強く感じさせる一冊でした。
    そして巻末のスピーチは、心を揺さぶられる。
    やはり人格者である国のリーダーの言葉は強

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    2022年06月02日
  • 男の子は強くなきゃだめ?

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    ジェンダーフリーの内容。
    男の子はこうあるべき!はおかしいことで、それぞれ強さも好きなことも、得意なことも違っていいんだ。
    と、男の子に向けて語りかけています。
    男の子、女の子って、決めつけはまだまだあるように思うけれど、みんな違うのが当たり前、それはいいこと!の考えが当たり前の世界になりますように。

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    2022年06月01日
  • ぼくがスカートをはく日

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    ネタバレ

    体と心の性が一致しないLGBTの男の子の話。
    グレイソンは丈の長い服を着て女の子のスカート姿を空想していたが、思春期になり、自分が変わっていく姿に、空想が出来なくなってきた。
    だれにも言えず悩み、ドレスを着るお姫様を描いたりして空想を続ける。
    ある日、学校の劇のキャストオーディションを知り、応募、そしてその役は主役の女の子の役。そして見事獲得。

    ここからグレイソンを取り巻く環境が変わっていく。
    一緒に暮らしている養父母やいとこは、そんな彼に戸惑い、これによって彼がいじめに合うのを恐れ、養母が学校に苦情を入れ学校全体の問題に発展し、劇監督を務めるみんなの人気者フィン先生は退職に追い込まれそうに

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    2022年05月29日
  • ニュージーランド アーダーン首相 世界を動かす共感力(集英社インターナショナル)

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    アーダーンのような政治家が日本にもいてほしいと思った。

    他者への思いやりが込められた行動や言動は、例え“打算”があったとしても、なかなかできることではない。
    それをアーダーンは自然にやってのける様子は、政治家としては異色であると同時に、人々から信頼されるリーダーとなるのも納得がいく。

    さらにアーダーンは、多様性を重視していることが政策や言動から見てもわかり、本当に理想的なリーダーだと思った。

    コロナ禍においては、ニュージーランド国民から批判されていることもあるが、日本と比べたらとてつもなくニュージーランドの方が進んでいる。
    マイノリティーの権利や気候変動対応においてもそうだ。
    ニュージー

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    2022年04月08日
  • 警視の謀略

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    ネタバレ

    警視キンケイド・シリーズの第十六作。

    メロディはギタリストの恋人とうまくいってのに、
    ダグの方は骨折した足の調子も悪いし、
    職場でも冷遇されているようでちょっとかわいそう。

    そんなメロディが、爆破テロに巻き込まれる。
    焼死した男の身元は?
    救助活動をしながらも、現場から逃げた男の正体は?
    一方、ジェマの方は若い女性を殺した容疑者がいながら、
    証拠がつかめず苦しんでいた。

    スコットランドヤードから多分、左遷になったキンケイドは、
    新しい職場で人間関係に悩むし、
    警察内部で何が起こっているのかわからず、
    上司は姿をくらましたまま。
    結局、謎の男は殺されてしまうし、もやもやした。

    キンケイド

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    2022年01月22日
  • 警視の謀略

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    1993年から書かれている警視のシリーズ、16作目。
    主役たちの人柄が良く、ドメスティックな細やかさとあたたかさが魅力のシリーズです。

    前作では、妻のジェマは昇進。
    一方、育児休暇を取っていたダンカン・キンケイドが職場に行くと、異動の辞令が。
    ホルボン署の勤務は、事情を知っている人間は少ないものの、事実上の左遷でした。
    新しい職場にすぐにはなじめず、部下の女性ジャスミン・シダナ警部補にはどうも嫌われている?

    そんなある日、国際駅で爆破事件が起きます。
    ジェマの部下のメロディが恋人の公演を見に来ていて、警察官として奮闘することに。
    テロも疑われる緊迫した状況から、近辺の活動家へ捜査の手が伸び

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    2021年11月17日
  • 静かな力 内向型の人が自分らしく生きるための本

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    静かな人間ならではの能力を活かす。そのためのティーンへのガイドブック。自分なりのやり方で活動するためのアドバイス。

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    2021年08月14日
  • ぼくがスカートをはく日

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    12歳のぼく、グレイソンは誰にも言えない秘密を抱えていた。秘密が知られないためには、他の人と関わらないほうが安全だと関わりを避けて。演劇で女神の役のオーディションを受けるまでは…。
    生まれた体の性と心の性が違うとは、こんなに苦しいものなのだとグレイソンの葛藤は教えてくれる。
    誰もが自分を肯定でき、受け入れられる社会になるために、児童文学に取り上げる意味は大きいと思う。
    「ぼく」と自称していたグレイソンが最後の一文だけ「わたし」に変わる。強い決意にエールを送りたい。

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    2020年04月03日
  • ぼくがスカートをはく日

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    グレイソンは、頭の中で、自分はスカートを履いている、と思っている。
    落書きした絵も、頭の中で補完して、お姫様だと思っている。
    でも、現実は、「僕」は「男の子」で、履いているのはバスケの短パンとTシャツ。
    そんなグレイソンが、学校演劇に出ることになった。
    ペルセポネ、つまり、女性の役で。
    指導してくれるフィン先生は始めこそ少し驚いていたが、グレイソンの心を見透かしたかのように、今まで通り、でもグレイソンを尊重してくれた。
    とても良い先生に出会えた。
    けれども、現実はそんなに良い人ばかりではない。
    焦る叔母夫婦、亡くなった母親のこと、友達との関係。
    いろいろな問題が山積み。
    だが、グレイソンは勇気

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    2020年03月02日
  • アルバート、故郷に帰る 両親と1匹のワニがぼくに教えてくれた、大切なこと

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    フィクションとノンフィクションを混ぜたファンタジー。ワニをフロリダまで連れて行く新婚カップル、その先々での思わぬ出来事。人間個人としての成長、お互いを思い遣るカップルとしての成長、読んでいくに連れて私も人間としてひとまわり大きくなった錯覚に陥る。もっと前に読んでたら人生変わったかな〜とも思える作品。子供と読みたいし人としてどうありたいかを指し示してくれる。読んで良かった❗️

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    2019年11月19日
  • ぼくがスカートをはく日

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    「ジョージと秘密のメリッサ」で初めてLGBTをメインテーマにした児童書を読んで、これが2冊目です。
    ジョージを読んだ時も思ったけど、LGBTについて子どもたちがどう受け止めるのか、こういう本がないとなかなか考える機会がないので、大人にとっても子どもにとっても、とても良い本だなと思いました。
    ジョージが小学生の高学年向け、こちらの本は中高生向けかなと思いました。
    ジョージでは悩みながらも、周りに理解者が多く出てきて、読むと勇気を持てるような優しい物語でした。
    でもこの本はもう少し複雑。優しいだけじゃない世間が出てきます。
    自分がどうしたいのか葛藤する様子や、なかなか周りに理解されない苦しみの他、

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    2019年05月30日
  • アルバート、故郷に帰る 両親と1匹のワニがぼくに教えてくれた、大切なこと

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    嘘みたいな本当の様な物語。
    何と無く買って読んだら本当に楽しくスルスルと読んでしまった。他の方のレビューで読み終えられなかったとあったが、薦められて読む様な本ではないと思う。

    なぜかこのタイトル、副題が気になった時、毎日変わらない生活に疲れた時にオススメかも。

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    2019年05月02日
  • ぼくがスカートをはく日

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    ぼくはスカートをはいていると想像する。でも現実は男の子の服を着て男の子として生きなきゃならない。自分が女の子だと感じていることをずっと隠してきたけれど、演劇のオーデションのポスターを見たときに、思ったんだ。どうしても女神の役がやりたいって。
    トランスジェンダーの少年が、自分らしく生きることを選び取る物語。

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    2018年10月13日
  • 静かな力 内向型の人が自分らしく生きるための本

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    本棚を人に見られるのは、自分の頭の中を見られるみたいで恥ずかしい。本の感想をSNSに投稿するようになってから、本を選ぶときに「この本の感想をアップしたら人からどう見られるか」を頭の隅で考えるようになった。
    本屋でこの本が目にとまったときも、私が求めていた本だなと思うと同時に「でも、こんな本の感想をアップしたら根暗だと思われそう」と考えてしまった。無意識にそう考えていたことに気づいたとき、私はあえてこの本を選ぶべきじゃないか! と思った。いいところだけ見せたって意味がないし。今年読んだ本は全部公開するって決めたし。頭の中をさらけ出せる場をせっかくつくったんだから、それなら自分の弱いところを見せる

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    2018年08月01日
  • 静かな力 内向型の人が自分らしく生きるための本

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    10代の子向けに書かれた、内向型の人が秘めた力を発揮するための本。親子で読むとよさそう。内容も翻訳もとても読みやすく、具体例もたくさん載っていたのでイメージが湧きやすかった。

    ただ、ビジネスパーソン向けの本として書かれていないので、慌てて買うと残念な気持ちになるかも(私のように……)。

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    2018年03月17日
  • アルバート、故郷に帰る 両親と1匹のワニがぼくに教えてくれた、大切なこと

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    ネタバレ

    〈それにしても、21世紀になって、これほど面白い小説は書かれていないのではないか〉

    帯のアオリであり訳者あとがきの一説でもある。その言葉を信じて、いや、真偽を確かめるべくこの本を手に取った。なるほど、あながち嘘ではないようだ。まあ、他にも面白い小説はありそうだが。YAのような装丁だが、これは中高生には向かないのではないか。ていうか、大人向けでしょ、これ(きわどい描写もあるし)。

    1935年アメリカ。大恐慌から6年が経っている。ウェストヴァージニアの小さな炭鉱町に住む若い夫婦が主人公だ。妻のエルシーはハイスクールを卒業後、しばらくフロリダのオーランドに住んでいたことがあって、炭鉱の砂埃だらけ

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    2018年03月13日