中野康司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレジェイン・オースティンの作品の素晴らしい点は色々あるけれども、一つにはその卓越した表現だと思う。クドいわけではない必要最低限の言葉で、読者が容易に個々のキャラクターを頭の中で想像することができる。しかもこれほど似ている主題で書いておきながら、他作品とは全く別人として書き分けされているのだから凄い。
ついに私はよく議論される「高慢と偏見」と今作のどちらが好きかについて意見を言える。エマには正直、過度の期待はしていなかったのだが私は確実に「エマ」の方が好きだ。ダーシー氏もナイトリー氏も理想的な紳士ではあるが、「エマ」は読んでいて腹が立たないし、表現や登場人物などが円熟しているのは素人の私にも分かる。紳士の好みで言うなら、ダーシー氏は痛い目を見て己を省みたけれどナイトリー氏は最初から立派だったではないか! 作者が言うような、エマ本人は「読者が好きになれない主人公」ではない。寧ろエマにはエリザベス・ベネットより大変好感触。私が好きになれないタイプは、作品も含めて大人しいファニー・プライスの方だ。
私のように、少女漫画や恋愛小説は嫌いでも、オースティンの作品は好きだというケースは往々にしてあると思う。それは、ジェイン・オースティンの小説のジャンルが単なる恋愛小説ではなく、あくまで「novel of manners / 風俗小説」や「comedy of manners / 風俗喜劇」であり、教訓めいたものがあるからではないかと私は睨んでいる。個人的には、作者の生涯よりも時代背景や風俗やテーマについて掘り下げていきたい。取り敢えずWikipedia(en)を読んでみると、例えば今作「エマ」では「階級」というテーマの他に「食べ物」にも意図があるなどとあって大変興味が湧いたので、絶版となっているものも多いが関連本を幾つか読んでみたくなった。 -
Posted by ブクログ
上下巻一気に読んでしまった。ここまで面白いとは。本当に文学というのはその時代に生きた作者の思考だったり価値観だったりエゴだったりがよく分かっておもしろい。この作品の作者、ジェイン・オースティンはかなりの人間観察好きで、それだけではなく人間の心理の深いところまで巧妙に描いている。人間の愚かさとか馬鹿さ加減をここまでユーモアたっぷりに書けるなんて!だから楽しく読めたんだろうけど。私も彼女みたいに人に対する苛立ちとか怒りを笑い飛ばせるようになったらいい。あと絶対に触れないといけないのはエリザベスとダーシー氏の恋愛物語。こんなにも読者にじれったさを感じさせて、興奮させる展開があっただろうか!!というくらいとにかく面白かった。訳者の中野さんもこの作品は恋愛作品としても一級品、とあとがきで述べていた。本当にそうだと思う。ジェイン・オースティン…おこがましいようだけど私自身と少し似ている考え方を持っているようだし、女性ということもあるし、、、これからの人生の伴侶になりそう。他の作品もぜひ読んでみよう~♪
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Posted by ブクログ
ネタバレこの下巻はまた色んな事があります。リジーの妹リディアの結婚とか・・・。
現代では駆け落ちとか、そんなにたいした事ないと思いますが、この時代では家族全員の評価を著しく下げ、未婚の者は結婚など無理!ってなってしまうぐらいとか本当に現代は開けましたね~。
この時代では異性の手が触れるなんてダンスの時だけだったと映画のメイキングで言ってたような~?なのでこの駆け落ちがいかに大変な事だったかというのも、よく分かります。
リジーとダーシー様はというと、高慢で鼻持ちならない以前の彼とは比べ物にならないぐらい気さくな姿に、リジーが段々心を開いていく姿を丁寧に描いているので感情移入出来るというか、この二人が早く幸せになるのを今か今かと待つ感じで凄く楽しめます。
欲を言えばラストがあっさりしているので、ようやく結ばれた二人のその後をもう少し描いてほしかったかな?って感じかな。
でもあっさりしていますが終わり方も凄く良いんですが・・。
本当に世界中で愛されている作品というのも分かる素晴らしい作品だと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画を物凄く気にいったので原作も!と買いまして今回海外ドラマ版を見た事で読みかえしました。
まず読みやすく翻訳してくれているのでスラスラ読めるのがとてもいいです。昔の作品なので読みにくいかも?と思ってましたが全然大丈夫でした。
内容はリジーとダーシー様の結婚までの道に色々な事が起きるって感じですが、この上巻はダーシー様がリジーにプロポーズして、こっぴどく振られ弁明する所までですが、非常に面白いので次!次!ってなります。
また映画ではそんなに感じなかったリジーの母の出来の悪さを今作では嫌って程知らされることにもびっくりでした。
あの母からリジーやジェインが生まれたのが不思議なぐらいです。
ダーシー様も最悪なプロポーズをしたもんですが、彼がそう言いたくなる気持ちも凄くよく分かるぐらい(笑)
また女性で身分が低かったりしたら本当に大変な時代だというのもよく分かる作品でもあります。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ結婚しないと決め込んでいた21歳エマは、
恋愛も結婚も階級が最も大事な要素(ピラミッドの土台)だと考えいました。それを踏まえ、町の人々の結婚の縁組を趣味として過ごします。
結局いつも失敗していた。愛し合う組を階級違いだと言って離れさせ、愛し合わない二人を階級的にぴったりとくっつけようとする。
これは、エマが、階級こそ結婚においてのピラミッドの土台であると考えたからなのです。
さあ、2巻でその間違いにナイトリー氏は気付かせてくれるのか、2巻へ続きます!
本当の階級とは、本物の紳士とは、恋愛におけるピラミッドの土台とは何か。そんなことを学んだり感じ取れるのではないかと思います。
オースティンのすごさって何なのでしょうか。
オースティンは6大作品全てが似たようなストーリー展開をしています。田舎の町で結婚してない女の人がいて、男の人がいて、ひと悶着ふと悶着の後に結局ハッピーエンドとなります。全て読んでいないのですが、ハッピーエンド化には、多少の無理矢理さも感じさせるものがあります。
それでも読者をなぜ引き寄せるのでしょうか。今尚読みつがれているのでしょうか。
答えは、(読んだ)どの作品にも心の繊細な要素が、あたりまえの現実描写の中に描かれいるからなのではないでしょうか。心の繊細な要素と言語化してしまうとものすごくチープなものになってしまいますね。
主人公だけじゃなく、登場人物の多くの人物の虚栄心やno虚栄性みたいなものが読み取れておもしろいです。
でも、漱石も「Jane Austenは写実の泰斗なり。平凡にして活躍せる文学を草して技神に入る」と述べている。やっぱそうなんでしょうかね!
So, let’s read and feel Jane Austen! -
Posted by ブクログ
19世紀を代表する女性作家の一人。それどころか、イギリスを代表する作家の一人かも。現代のロマンスものの元祖でもあるジェイン・オースティン。
近年出たパロディを紹介する前に再アップ。
ジェイン・オースティンの中でももっとも有名で、愛された作品がこれです。
5人姉妹の次女で利発なエリザベスは、名家の主で印象的な男性ダーシーに出会うが、とっつきにくいダーシーの言動に反発、さらに噂を吹き込まれて、すっかり誤解してしまいます。
一方、最初は気づかなかったエリザベスの生き生きした魅力に目を離せなくなっていくダーシー。
誤解も含めたエリザベスの強烈な拒絶に遭い、生まれて初めて自分の傲慢さを改めようとし始めます。
18世紀末から19世紀初頭にかけてのイギリスの現実を踏まえて、紳士階級だが貧しくなりかけている一家の娘たちと友人それぞれの恋模様を面白おかしく描いています。
女性が家を継ぐことが出来なかった時代。しかも細かい身分制度が厳然とあり、地代収入があることがステイタスな身分の女性が体面を保てる職業もほぼ存在しなかった。
日本で言えば~江戸時代に下級武士が暮らしに困る、みたいなものかな。
オースティン自身は恋愛経験はあるが破れて独身のまま、作家という異例な成功を成し遂げていくわけです。
作者がよく知っている世界の中で起きる出来事を丁寧に描いてあり、引き込まれていきます。
当時の風習は知らないことばかりでも、細かく観察して辛辣に描き出される困った人や嫌なヤツは抱腹絶倒。あるあるな感じを覚えますよ。
人情の機微も心の動きも、いつの時代も変わらないものがあるようですね。
出会った途端に誤解からけんか腰の男女がしだいに恋に落ち、時間をかけてついに障害をも乗り越えるという恋愛物の王道を極めた作品。