竹下節子のレビュー一覧
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30年以上もキリスト教を信じていますが、まだまだ分からない事だらけでした。
もう今となっては、神を信じたからその教義も信じたのか?教義があり神を信じるようになったのか?どっちだったか良く覚えていませんが、キリスト教でない人にはこの両方をうまく腹落ちさせることが難しいのだろうなぁと思いました。
最後にある練習問題では宗教との付き合い方を自分なりに考えてみる良い機会になりました。
『現代で宗教を信じる多くの人は、蒙昧と言うよりは、宗教を介してその人の価値観を確立している人ではないだろうか。
宗教が原因の争いの仲裁は、無宗教であれば中立な立場を取れると言う意見はもっともだが、何かしらの考えに則 -
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キリスト教の入門書
入門書は数多あるが、その中でも全体がわかるように工夫してあり、初心者でも知識がある人でも読みやすいものだと思う。
日本人はローマ字に弱いんだと気付かされた。
例えば「サタン」悪魔だが、これはヘブライ語なんだと。ギリシャ語ならディアボロやデモン。語源も知るとなるほどそうだったのかといくつかの知識の欠片が繋がるようだった。
こうした言葉の〇〇語による違いで、ミカエルがフランス語だとミッシェルで有名なモン・サン・ミシェルだと言うのは本当に驚いた。
ヨーロッパの人たちは隣国や同じかローマ字の国の表現の違いは知っているんだとしたら、日本人はちょっとした壁があるな…と更なる難しさを -
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【罪も人も時代と共に変遷する。その中で、神と人との関係がどう変わっていくのかということは、一神教世界においては今も変わらぬ大問題なのだろう】(文中より引用)
宗教上はもちろんのこと、国際政治や環境といった面でも強い影響力を誇るローマ法王。歴史や直面してきた問題を顧みることで、ローマ法王の歩みとその役割について考えるための一冊です。著者は、バロック音楽奏者としても知られる竹下節子。
キリスト教の教義や神学面には敢えて立ち入らず、歴史などのわかりやすい部分について触れられているため、一読してローマ法王に関する輪郭がすっと頭に入ってくる良書。近年のローマ法王についてはページも多く割かれているため -
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異端者として処刑されながら聖女となったジャンヌ・ダルクについて、そうした事情を招いた背景を論じたもの。ジャンヌ・ダルクの生涯を解説するだけの本だと思っていたのが、想像以上のおもしろさだった。
ジャンヌが一度は異端とされながら評価が逆転し聖女になったのは、その時代、時代のとらえ方のせい。今の世のなかだって、きのうまでもてはやされていた人が一転して非難されるようなことはいくらでもある。人はあまりにもすごい人がいると恐れるようになるものだし、マスの力をもって排除しようとする。ジャンヌもその例だが、それが大衆の意見だけでなくキリスト教のご都合主義によっていた感じがして、宗教のずるさを見せられた気分。
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某グループの読書会課題図書.フランス在住の著者が外から見た日本のキリスト教を考察している面白い視点の本だ.利他、原罪と言ったキリスト教に絡む言葉が数多く出てくる.文化装置としてキリスト教という発想は新鮮だ.カトリックが"何度も信仰の「イズム」に立ち返って「宗教」を刷新してきた"という考察(p104)、新世界への布教に際して、先住民の存在を神学的整合性の上で苦慮したこと、普遍宗教としてキリスト教の構築などなど、新しい見方が面白かった."祖霊を祀るとか、氏神を祀るとか、自然神を敬うとかというレトリックの影には共同体における権力システムの継承のために個人の尊厳を冒し、死
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「キリスト教」を「宗教」として捉えるのではなく、「生き方の規範」として展開してゆく。既存「宗教」が作り出す「共同体」や「聖」=「掟・禁」を否定する「自由」を有し、最も弱い者達に寄り添い人々がお互いを愛し合う事、それが「キリスト教」(=「聖書」)が説く教えである。
自分自身、日本の「キリスト教の教え」において聖書で述べられている内容と力点が少し違うのではないか?と思っている部分があったのだが、その違和感が間違っていないのではないかとより思う様になった。
難しい言葉が使われているのではないのに、何故か読みにくいというか、何度も行ったり来たりしないといけないのだがが少し残念。ただ読み込む程に理解 -
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ネタバレひと言で評せば「キリスト教の社会学」と謂うが相応しい書だ。
自身の認識不足、不勉強を思い知らされつ、
キリスト教を軸に歴史の、とりわけ西欧史の勉強をさせていただきました。
「無神論-二千年の混沌と相克を超えて」の著者新刊の書。
まえがき冒頭においてー
日本人には「近代はキリスト教を根にもつ」ことがわかりにくい理由は、「非キリスト教国に住む日本人には、西洋近代のパラダイムを作ったキリスト教の要素が見えにくい」という単純なものではない。
より本質的な理由は、近代以降、西洋キリスト教諸国によって書かれた「世界史=西洋史」が、「反キリスト教」プロパガンダによってねじ曲げられているからなのである。
換 -
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ネタバレジャンヌ・ダルクについての記載有りということで手に取った一冊。著者は別に「ジャンヌ・ダルク」を著している。
本書では、聖母マリアの生涯と聖母あるいは聖処女としてのあり方を多面的に分析している。また、聖女リタ(こちらは初めて知った)の生涯と、彼女が聖女とされた過程を紹介し、両者の正確の違いを際立たせている。カトリックに於ける聖女のシステムや歴史、数々のカトリックにおける奇蹟(聖母の御出現、涙を流すマリア像)の紹介など、色々興味深く読んだ。ジャンヌを桜型の聖女(処女性、短期間で自分の信念を貫いた女性)と分類し、薔薇型(長い苦難の人生の果てに、尊敬される)の聖女と類型を別けて説明されているのも面 -