あらすじ
キリスト教抜きに世界のスタンダードは理解できない!
旧約・新約聖書を丁寧に解説、「救世主」「アダムとイヴ」「三位一体」「クリスマスツリーと十字架」「原理主義」「進歩主義とグローバリゼーション」などのキーワード/トピックから、キリスト教理解を立体的に組み上げる。信仰生活のリアル、各宗派とのかかわり方など、実践的なガイドも盛り込んだ、非キリスト教文化圏に住まう「普通の日本人」のための最良の入門書! 混迷の時代、普遍宗教が示す未来とは?
[目次]
はじめに 教養としてのキリスト教
キリスト教を読む
キーワードで考えるキリスト教
三次元で読むキリスト教
知の道具箱
おわりに
学術文庫版へのあとがき
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
30年以上もキリスト教を信じていますが、まだまだ分からない事だらけでした。
もう今となっては、神を信じたからその教義も信じたのか?教義があり神を信じるようになったのか?どっちだったか良く覚えていませんが、キリスト教でない人にはこの両方をうまく腹落ちさせることが難しいのだろうなぁと思いました。
最後にある練習問題では宗教との付き合い方を自分なりに考えてみる良い機会になりました。
『現代で宗教を信じる多くの人は、蒙昧と言うよりは、宗教を介してその人の価値観を確立している人ではないだろうか。
宗教が原因の争いの仲裁は、無宗教であれば中立な立場を取れると言う意見はもっともだが、何かしらの考えに則った現実吟味能力を持たなければ、どちらの言い分も正しいのでは?と言う双方が納得できない結論になりかねない。
神の存在と計画が示されたと考える啓示宗教としてのキリスト教は、確かに敷居が高く感じるかもしれないが、自分の知らないところでキリスト教のネットワークに関わっている場合もある。
とは言え馴染みの薄い宗教を心から信じるのも難しいし、真理の探究としての宗教を学ぶと言うのも信心から信じている人たちを正しく理解できるとは限らない。
それよりも、嫌な事は人に仕返しせず善い事だけ行うと言う教えなど、まずはキリスト教の教義を人生の道標として、そのあたりからキリスト教と付き合ってみることも考えられる。
キリスト教を意識した行動を重ねる事で、自分自身もそうしたコミュニティの一員として感じられるようになり、最終的には本当の意味で宗教を信じる人と対話する事ができるようになるのではないか?』
Posted by ブクログ
キリスト教の入門書
入門書は数多あるが、その中でも全体がわかるように工夫してあり、初心者でも知識がある人でも読みやすいものだと思う。
日本人はローマ字に弱いんだと気付かされた。
例えば「サタン」悪魔だが、これはヘブライ語なんだと。ギリシャ語ならディアボロやデモン。語源も知るとなるほどそうだったのかといくつかの知識の欠片が繋がるようだった。
こうした言葉の〇〇語による違いで、ミカエルがフランス語だとミッシェルで有名なモン・サン・ミシェルだと言うのは本当に驚いた。
ヨーロッパの人たちは隣国や同じかローマ字の国の表現の違いは知っているんだとしたら、日本人はちょっとした壁があるな…と更なる難しさを感じた。
こうしたことの一つに、日本やアジアに多い長子相続があるが、これは儒教文化圏特有なのか。末子相続というのがあると言うのも初めて聞いてとても納得した。
巻末にはブックガイドもあり、もっと深めたいと思える書の紹介があります。