作品一覧

  • ロケット・ササキ―ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正―(新潮文庫)
    4.4
    敗戦から高度成長期にかけて、デジタル産業の黎明期に、常に世界の最先端を突っ走ったスーパー・サラリーマンがいた。シャープの技術トップとして、トランジスタからLSI、液晶パネルと当時のハイテクを導入して苛烈な「電卓戦争」を勝ち抜き、電子立国・日本の礎を築いた佐々木正。インテル創業者が頼り、ジョブズが憧れ、孫正義を見出し、サムスンを救った「伝説の技術者」の痛快評伝。(解説・孫正義)
  • 東芝解体 電機メーカーが消える日
    4.1
    巨大な負債を抱え、会社解体の危機に喘ぐ東芝――いや、東芝だけではない。かつて日本企業を代表する存在だった総合電機が軒並み苦境に陥っている。東芝・ソニー・日立ほか大手8社の歴史や経営を詳細に分析することで日本の総合電機がはまった巨大な陥穽を描く。名著『失敗の本質』総合電機版とも言える1冊。
  • 流山がすごい(新潮新書)
    3.8
    1巻858円 (税込)
    「母になるなら、流山市。」のキャッチコピーで、6年連続人口増加率全国トップ――。かつては数多ある東京のベッドタウンの一つにすぎなかった千葉県流山市がいま、脚光を浴びている。「子育て中の共働き世代」に的を絞った政策をはじめ、人材活用、産業振興、都市計画、環境保全まで、あらゆるテーマを同時並行で推し進める。流山市在住30年、気鋭の経済ジャーナリストが、徹底取材でその魅力と秘密に迫る。
  • 東芝 原子力敗戦
    4.0
    身も心も会社にささげる「サラリーマン全体主義」が企業を滅ぼす。 「東芝原子力事業の暴走と、それを糊塗するためにほぼ全事業部で行われた粉飾には、何千人もの東芝社員が関わった。(中略)まさに「滅私奉公」「全社一丸」だ。 そのやり方では、もはやグローバル競争に勝てないことを、我々は知っている」(エピローグより) 社内で経営陣が交わした粉飾メールをはじめ、数々の内部資料をもとに東芝を追及してきたジャーナリストによる決定版。 ●目次● 第1章 原子力ルネサンス 「テレビやスマホの代わりに原発を輸出すればいい」という経産省の思惑。それに乗った東芝・西田厚聰社長には経団連会長への野心があった。 第2章 東日本大震災 次々と水素爆発を起こす福島第一原発。メーカーとして最大の危機を迎えてなお「原発輸出」にまい進する佐々木則夫社長を支えた一人の男。 第3章 粉飾決算(2013年~2014年) 買収した米原発機器大手・ウエスチングハウスの減損を隠すため、巨額の粉飾に走る幹部。社内を飛び交うメールからは粉飾指南役の陰も。 第4章 破滅への道程(2015年~2017年) 第二の減損発覚で追い詰められた東芝。優良事業の売却を繰り返し、残るのは原発事業のみ。倒産の危機に。 第5章 原発ビジネスの終焉(1956年~2017年) 「国策」への協力を決断したかつての東芝社長、土光敏夫と現経営陣の違いは何か。 第6章 東芝が消える日(2017年~) 原子力業界には東電を頂点とするヒエラルキーがあり、東電は「東電の正妻」と言われていた。東芝の命運を握る東京電力で、いま何が起こっているのか。
  • 稲盛和夫 最後の闘い
    4.2
    1巻1,361円 (税込)
    官僚的で大嫌いだったJAL。「2次破綻もありうる」と懸念されていた同社の再建をなぜ稲盛和夫は引き受けたのか。経営者としての最後の闘いを京セラ創業やDDI時代のエピソードも交えドキュメント仕立てで描く。
  • GAFAM vs. 中国Big4 デジタルキングダムを制するのは誰か?
    3.8
    1巻1,500円 (税込)
    世界の覇権をめぐり、アメリカと中国は今や、抜き差しならぬ関係にあります。特に両国の企業間では、熾烈な争いが繰り広げられています。 2018年12月、中国ファーウェイの副会長兼最高財務責任者(CFO)、孟晩舟が米司法省の要請により、カナダ政府に逮捕されました。この事件は、米国が中国のIT・ネット産業をいかに「脅威」に感じているかを物語っています。 これまで世界経済を牽引してきたGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)を、中国Big4(バイドゥ、アリババ、テンセント、バイトダンス)が猛追し、肉薄しているのです。 果たして勝者となるのは誰なのか? 「コロナ後」を狙う新興勢力の雄とは? アメリカ勢のグーグルのラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、アップルのスティーブ・ジョブズとティム・クック、フェイスブックのマーク・サッカーバーグ、アマゾンのジェフ・ベゾス、マイクロソフトのビル・ゲイツとサティア・ナデラ……。対するは中国を代表するファーウェイの任正非と孟晩舟、ハイアールの張瑞敏、レノボの柳伝志、滴滴出行の柳青、バイドゥの李彦宏、アリババの馬雲、テンセントの馬化騰、バイトダンス(ティックトック)の張一鳴、メグビーの印奇……。 『東芝 原子力敗戦』『起業の天才!』の著者が、 彼ら「天才起業家」たちの実像を描きながら、その勝負の行方を占う、世界経済の最新入門書です。
  • 日野原重明先生の生き方教室
    2.0
    1巻1,540円 (税込)
    104歳の現役医師、日野原重明先生。 100歳を超えても挑戦し続ける力はどこから来るのか? これからの人生を朗らかに生き、働くためのバイブル 生き方に迷い、何かに追われて、こころも体もへとへとになっている現代人のための「生き方教室」である。 授業が終わるころには、日野原先生のように朗らかな気持ちで日々を過ごす生き方の コツがお分かりいただけるのではないだろうか。 「私は疲労というものを感じたことがないのです」 聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生の言葉だ。 この言葉の通り、104歳になってからも自らがつくった「新老人の会」の会合に出席するため、全国を飛び回っている。 本の出版、俳句、乗馬、そしてフェイスブック。100歳を超えても、その好奇心と行動力に衰えは見えない。 40~50歳代のビジネスパーソンに、その倍かそれ以上の年齢の日野原先生のような挑戦する意欲と行動する気持ちはあるだろうか? 日々の仕事や生活に追われ、愚痴を言ったり、「疲れた」という言葉を連発したりしていないだろうか?  本書では、日野原先生の行動力と元気の源を、自身の言葉をはじめ、日野原先生が読んできた本とその概要を紹介しながら聞き手が探っていく。 これからの生き方に迷う定年前後のビジネスパーソンだけでなく、ますます元気にこれからの人生を楽しみたいという方々にも、元気をくれるはずだ。
  • 修羅場の王 企業の死と再生を司る「倒産弁護士」142日の記録
    4.3
    1巻1,760円 (税込)
    2兆3200億円という巨額負債を抱え2010年1月19日JALは会社更生法の適用を申請し倒産した。だが、わずか2年8ヶ月後には過去最速で再上場を果たす(それ以前に会社更生法を適用した上場企業138社のうち再上場できたのは9社)。 この歴史的再生劇を巡っては「稲盛和夫という名経営者による奇跡」あるいは「多額の公的資金を投入した偽りの再生」という対極的な二つの物語が流布している。 しかしその背後には、倒産・再建プロフェッショナルたちの壮絶な戦いがあった。その主役こそ「修羅場の王」瀬戸英雄である。マイカル、ヤオハン、SFCG(商工ファンド)など大型企業破綻の修羅場を数多く指揮し、JALでも再建司令塔・管財人統括を務めた瀬戸は、「会社更生法」という伝家の宝刀を抜き、既得権益にまみれた巨大企業の宿痾を断ち切った。JAL問題に関わってから会社更生法申請までわずか142日。銀行、財務省、政治家、労組……数々の「難敵」を相手に法的整理に基づく倒産→再生を目指して八面六臂の働きをした瀬戸は、後に稲盛をして「彼がいなければJAL再生はなかった」とまで言わしめる。 本書では瀬戸が初めて語る赤裸々な証言を軸に、当時の関係者への膨大な取材も交え、巨大企業の死と再生を描きだす。民主党への政権交代、リーマンショックなど激動の時代を背景に、読み物としても抜群の面白さ。 さらには、倒産をタブー視する日本社会に対し「挑戦すれば失敗もする。失敗したら、ケジメをつけてやり直せばいい。そのために倒産法がある。正しく真摯に取り組めば、復活は可能である」とのメッセージを届ける。
  • ファースト・ペンギン 楽天・三木谷浩史の挑戦
    3.6
    1巻1,760円 (税込)
    流通総額2兆円。次なる相手は米IT業界の新たなカリスマと目されるアマゾンのベゾスだ。企業家、三木谷の大勝負が始まる。ネット世界一を掲げる同氏の格闘を描いたルポルタージュ。日経新聞連載をもとに大幅加筆。
  • 会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから
    4.1
    1巻1,760円 (税込)
    新潟中越地震での工場被災をきっかけに経営危機が表面化、2006年に米ゴールドマン・サックスグループ、大和証券SMBCグループ、三井住友銀行の金融3社から3000億円の出資を受けた三洋電機。その後、携帯電話、デジカメ、白物家電、信販といった事業は切り売りされ、本体はパナソニックに買収された。散り散りになった旧経営陣は今何を思い、10万人の社員たちは今どこで何をしているのか。経営危機の渦中、同族企業の混乱を克明に取材し、その後も電機業界の動向を見続けてきた新聞記者が、多くのビジネスパーソンにとって決して他人事ではない「会社が消える日」を描く。
  • 最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか
    3.4
    1巻1,782円 (税込)
    楽天・三木谷浩史、絶体絶命!? 【三木谷浩史、絶体絶命!? それでもなぜ楽天は、東大生就職先「3年連続第1位」なのか?】 楽天・三木谷浩史は「価格破壊」を旗印に、3メガが占有する携帯事業に斬り込んだが大苦戦。メディアは「経営難」と書き立て、世間の目は厳しい。一方で、楽天モバイルの「完全仮想化技術」は2年連続で「グローバル・モバイル賞」を受賞し、新卒採用では東大生の就職先の3年連続第1位だ。日本のレガシィメディアと、海外の目と若者たち……一体、どちらの評価が正しいのか? 『起業の天才! 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』の著者・大西康之氏が次の素材として三木谷を取り上げたのは、その真相に迫るためだ。 「タンカー『日章丸』を仕立てて英国海軍の海上封鎖を突破、イランから石油を持ち帰った出光佐三。政府の反対を押し切り四輪車に参入した本田宗一郎。戦後の日本には、新たな事業に社運をかける命知らずの『海賊』がいた。だが、創業世代が去った後、日本の会社は退屈な場所になってしまった。三木谷は楽天市場で大成功を収めた後も、次から次へと危険な挑戦を繰り返す。現役でこれほど無謀な日本の経営者を筆者は他に知らない」(大西康之) (底本 2023年8月発売作品)
  • 起業の天才!―江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男
    4.7
    1巻2,200円 (税込)
    【ジェフ・ベゾスは、このヤバい日本人の「部下」だった】 かつて日本には、「起業の天才」がいた。 リクルート創業者、江副浩正。 インターネット時代を予見、日本型経営を叩き潰し、 自分では気が付いていない才能を目覚めさせた社員のモチベーションを武器に 彼がつくろうとしたのは、「グーグルのような会社」だった。 だが彼の名は「起業の天才」ではなく、 戦後最大の企業犯罪「リクルート事件の主犯」として人々に記憶される。 「ベンチャー不毛の地」となった日本に必要な「起業家の資質」とは何か。 リクルート事件の大打撃を乗り越え1兆8000億円の負債を自力で完済、 株式時価総額で国内10位にまで成長した「奇跡の会社」はどのようにつくられたのか。 苦境に立ち逆風に向かうすべての日本人に贈る、 歴史から葬られた「起業の天才」の真の姿。 【日本にも、こんな経営者がいた!】 ・グーグルの「検索」を先取り ・独自の「クラウド・コンピューティング」 ・読売新聞と「全面戦争」 ・電通から広告を奪う ・日・米・欧を結ぶコンピューター・ネットワーク ・世界の「コンピューターの天才」をかき集める 【「はじめに」より抜粋】 江副さんが生きていたら、保身に汲々とする日本の経営者にこう尋ねることでしょう。 「経営者とはどういうものか、経営者ならなにをすべきか。わたしはつねに学び、考え、 そのとおりにやってきました。あなたがた、自分が経営者であると考えたことがおありですか」 ――瀧本哲史(京都大学客員准教授、エンジェル投資家、2019年没)

ユーザーレビュー

  • 修羅場の王 企業の死と再生を司る「倒産弁護士」142日の記録

    Posted by ブクログ

    修羅場を経験したことにない者ほど、無用なリスクを恐れる
    「小善は大悪に似たり、大善は非常に似たり」
    「聖人、君子、小人、愚人」
    徳と才を併せ持つが聖人
    徳が才を上回ってるのが、君子
    才が徳を上回ってるのが、小人
    徳も才もないのが愚人
    危ないのは小人だ。なまじ才があるので、私利私欲のために組織を危うくする。
    多くの人々は青雲の志を抱いて社会に出るが、いつのまにかそうした「当たり前」を忘れ、日々の「手練手管」を仕事だと勘違いしていく

    0
    2025年11月22日
  • 修羅場の王 企業の死と再生を司る「倒産弁護士」142日の記録

    Posted by ブクログ

    2010年1月19日に負債総額2兆円超で倒産したJALは、わずか数年で業績を急回復し、再上場を果たすV字回復を成し遂げました。それには新生JALのかじ取りを担た稲盛和夫氏の功績が良く知られていますが、稲盛氏を迎える前に、JALをきちんと倒産させる必要がありました。信用不安を引き起こさず、1便の欠航も発生させずに倒産させる、その難事業に挑んだ人たちが本書の主人公です。

    その難事業の中心となったのが企業の倒産を専門に引き受ける本書登場人物の中心的存在の瀬戸氏です。JALの倒産は、2009年の自民党から民主党への政権交代直後から事態が動き出します。日本のナショナルキャリアを潰さないために動き出す国

    0
    2025年11月21日
  • 起業の天才!―江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男

    Posted by ブクログ

    起業家や経営者は必読のビジネスバイブルになり得ると思います。江副浩正さんとその関係者およびリクルートを取り巻くダイナミックなビジネス展開をドラマチックかつ理解しやすい文章で彩り、読み始めたと思ったら時間を忘れて一気に読み込んでしまいました。

    加えて、随所に江副さんおよびリクルートの強さの秘訣やそのDNAとも言えるポイントが本書に散りばめられており、単なるドキュメンタリーではなく、ビジネスの教科書的な役割も果たしていると感じました。

    経団連を象徴する日本的経営が席巻する国内市場において、ドラッカーを師とする江副さんの超合理的経営による真っ向からの快進撃は、読み手の胸を熱くするものがありました

    0
    2025年09月28日
  • 起業の天才!―江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男

    Posted by ブクログ

    ダイナミックな展開に、読み進めるたびに引き込まれた。リクルートという巨大企業の成り立ちから背景を理解することは、一つの経済史を学ぶことにつながる。そうした意味で大きな知を得ることができた。私も経営者であるが、江副さんのような大胆さ、商売根性、人心掌握は大変な学びになった。

    0
    2025年09月27日
  • 起業の天才!―江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男

    Posted by ブクログ

    最高に面白くて一気に読んだ。日本にはこんな稀代の起業家がいたのかと初めて知った。「ネット興亡記」とあわせて読みたい必読書。
    安比高原、いつか行って、近くのローソンの駐車場にある江副死の碑を拝んでみたい。

    1
    2025年09月07日

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