作品一覧

  • ダナエ
    3.8
    1巻529円 (税込)
    惜しまれながら逝った著者の傑作中篇集 若くして成功した画家・宇佐美の描いた肖像画が、切り裂かれたうえ硫酸をかけられた。犯人は「これは予行演習だ」と告げるが――
  • 遊戯
    3.7
    1巻544円 (税込)
    「現実とネットの関係は、銃を撃つのに似ている」。ネットの対戦ゲームで知り合った本間とみのり。初対面のその日、本間が打ち明けたのは、子どもの頃の忌まわしい記憶と父の遺した拳銃のことだった。2人を監視する自転車に乗った男。そして銃に残された種類の違う弾丸。急逝した著者が考えていた真相は。表題作に加え、遺作となった中篇「オルゴール」も収録。
  • シリウスの道(上)
    3.9
    1~2巻559円 (税込)
    脅迫状には25年前の秘密が書かれていた! 広告代理店に勤める辰村には、25年前から隠し続ける、友との秘密があった。それが今……。広告業界を舞台に展開する長篇ミステリー
  • テロリストのパラソル
    4.2
    1巻638円 (税込)
    ある土曜の朝、アル中のバーテン・島村は、新宿の公園で一日の最初のウイスキーを口にしていた。その時、公園に爆音が響き渡り、爆弾テロ事件が発生。死傷者五十人以上。島村は現場から逃げ出すが、指紋の付いたウイスキー瓶を残してしまう。テロの犠牲者の中には、二十二年も音信不通の大学時代の友人が含まれていた。島村は容疑者として追われながらも、事件の真相に迫ろうとする――。小説史上に燦然と輝く、唯一の乱歩賞&直木賞ダブル受賞作!
  • 雪が降る
    4.1
    1巻671円 (税込)
    母を殺したのは、志村さん、あなたですね。少年から届いた短いメールが男の封印された記憶をよみがえらせた。若い青春の日々と灰色の現在が交錯するとき放たれた一瞬の光芒をとらえた表題作をはじめ、取りかえようのない過去を抱えて生きるほかない人生の真実をあざやかに浮かびあがらせた、珠玉の6篇。
  • 蚊トンボ白鬚の冒険(上)
    4.1
    1~2巻691円 (税込)
    羽音と不思議な声がすべての始まりだった……。陸上競技への夢を断念し、水道職人となった若者・達夫の頭の中に、ある日奇妙な生物が侵入してくる。その名も蚊トンボ・シラヒゲ。超人的能力を得た達夫は、アパートの隣人・黒木を理不尽な暴力から救う。しかし、それは恐るべき闇社会との対決を意味していた。
  • 名残り火
    4.1
    1巻733円 (税込)
    惜しまれつつ逝った著者、最後の長篇 堀江の無二の友人・柿島が殺された。謎に満ちた死に疑問を持った堀江は調査に乗り出す。病床の著者が最後までこだわった傑作長篇
  • 雪が降る
    4.0
    1巻770円 (税込)
    〈母を殺したのは、志村さん、あなたですね〉一通のメールが、男の記憶をよみがえらせる。メールの送り主は、かつて愛した女性の息子だった……(「雪が降る」)。不世出の偉才・藤原伊織による至高の6篇。
  • てのひらの闇
    3.8
    1巻784円 (税込)
    著者の新たな到達点を示す長篇ハードボイルド 20年前に起きたテレビCMの事故が、二人の男の運命を変えた。男は、もう一人の男の死の謎を解くべく孤独な戦いに身を投じる……
  • ひまわりの祝祭
    3.3
    1巻814円 (税込)
    妻が妊娠をかくしたまま自殺した。ショックで隠遁生活を送る秋山に、元上司から奇妙な依頼が来た。「一晩で500万、カジノで負けてくれ。」その日から、妻に似た謎の美女、やくざ、闇社会の大物などが現れ、執拗に付けまわされる。謎を解く鍵は、ゴッホの名画「ひまわり」だった――。直木賞・乱歩賞受賞第1作。名作『テロリストのパラソル』に並ぶ、疾走感溢れる展開と緻密な構成が秀逸なミステリの傑作。
  • ひまわりの祝祭
    3.6
    1巻935円 (税込)
    自殺した妻は妊娠を隠していた。何年か経ち彼女にそっくりな女と出会った秋山だが、突然まわりが騒々しくなる。ヤクザ、闇の大物、昔の会社のスポンサー筋などの影がちらつく中、キーワードはゴッホの「ひまわり」だと気づくが……。名作『テロリストのパラソル』をしのぐ、ハードボイルド・ミステリーの傑作長編!

ユーザーレビュー

  • 雪が降る

    Posted by ブクログ

    3週目
    favorite:台風

    作品は勿論のこと、黒川博行さんの解説がまた良かった。切なさ、むさ苦しさ、虚しさに加えてユーモアが挟まれていて読んでいて飽きるところが一つもない。自分をここじゃない場所に連れ出してくれる小説。何年経っても何度でも読み返したい。

    0
    2025年11月27日
  • ダナエ

    Posted by ブクログ

    読み直し。
    本文は言うまでもなく小池真理子さんの解説も秀逸で読み終わって心が満たされるような、空っぽになるような不思議な感覚になる。言葉に表せない静かに燃えている登場人物の感情が文字から溢れ出ている感じがして、本を読んでいると言うよりむしろ人物と対話している気持ちになれる何回読んでも飽きない作品。

    0
    2025年10月19日
  • 雪が降る

    Posted by ブクログ

    短編集ですが、質の良いハードボイルド作品が複数話収録されて、読み応えがありました。
    他の書籍と関連があったり、これまでとは違う一面のものもあったりと、ある意味、非常に贅沢な一作だと思いました。
    読んでいる時に未読の書籍を読みたくなるだけでなく、読み終えてからも既読の書籍も読み返したくなりました。

    0
    2025年10月19日
  • 雪が降る

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    表題作『雪が降る』
    男同士でネクタイを結ぶシーンは本当に作者の粋なユーモアを感じさせる。
    かなり凝っていて丁寧な作品。よく短編でまとめあげられるなと思う。
    雪が降ることの意味について。
    まず、アダモの楽曲名であり、歌詞の意味はおそらく雪の日に待ち合わせで相手が来ないことを嘆く歌だろう。
    陽子のメールのタイトルであり、息子の高橋道夫から主人公志村へと向けたメールのタイトルでもある。
    雪が降ったことで志村と陽子は一緒のホテルに泊まることになる。
    そこで、陽子は何を思ったか? 「人はいっぺんにおとなになることもある。」
    少しずつではなく、とある出来事がきっかけで、大きく気持ちに変化がついてしまうとい

    0
    2025年09月11日
  • テロリストのパラソル

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    他の人も書かれていますが、ほんの数頁で引き込まれました。
    物語の重要なカギにもなる公園でのやり取り(本文より引用)
    「神様についてお話ししませんか」と彼はいった。「申しわけないが、いま仕事中なんでね」「仕事? なんの」「これだよ」酒瓶をふった。「プロの酔っ払いでね」

    ・・・もう、これだけで面白いの確定です。

    結末での主人公の「私たちは世代で生きてきたんじゃない。個人で生きてきたんだ」、この台詞が全てです。
    出版当時に「乱歩賞と直木賞、初のダブル受賞作は?」とアタック25で児玉清さんが出題されていて、とりあえず読んでみた記憶が有ります。
    当時、自分にはそこまで響かなかった物語が今回の再読では

    0
    2025年09月10日

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