長谷川眞理子の作品一覧
「長谷川眞理子」の「赤の女王 性とヒトの進化」「美しく残酷なヒトの本性 遺伝子、言語、自意識の謎に迫る」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
文庫で600頁超えの科学書ですが、翻訳も素晴らしく、サラサラ読めるほど内容も平易です。
(文系でも全然平気だと思われ。)
一節が割と短いので、細切れ読書でも平気。
ただ、やたら冗長な内容なので、「もっと、端的にまとめてくれないかなぁ」と思いつつ、途中で飽きたりダレたりする可能性が高いと思います…。
***
数の感覚「数覚」は動物にもあるけど、「数学」は人間が(発見ではなく)発明したもの、というのが著者の考えのようです。
数学は自然科学に含められることもありますが、実際には形式科学で、だから他の物理や化学と比較すると、パラダイムシフトのようなものが起こらないと思われがちです。
ですが、そんなことなくない? というのが著者の主張のようです。
なぜなら、数覚は人間と知覚やアナログ思考と紐づいているから。
敷衍して、物理学の「万物の理論」なんて、見つからないと思うよ? とのこと。
こういう考えが、数覚の研究から出てくるのは確かにめちゃくちゃ面白いなと思いました。
ただ、この実験をすると脳のこの部分が活性化して、そのためにはこういう技術が必要で…みたいな文章を読むのがめちゃくちゃダルかったです…。
***
「万物の根源は数である」というピタゴラス教団のテーゼですが、その背後には数覚に近い発想があったのかもしれません。
やっぱり、数覚の理解にも哲学が必要なんじゃないのかなぁ…言語との比較研究も必要になってくるだろうし。
Posted by ブクログ
2006年に刊行された『ダーウィンの足跡を訪ねて』(集英社新書)は、よくできたダーウィン入門書だった。写真満載、ダーウィン巡礼ガイドやミニ伝記も兼ねていた。
その20年後の本書、体裁はよく似ている。いわば居ぬきのリノベ。前著と多少かぶりながら、ダーウィンの生きた時代からその生き方・考え方を解説している。もちろん、本書も恰好のダーウィン入門書。
とくに目を引いたのは、ウォレスについての箇所。進化や自然淘汰についてダーウィンとほぼ同じことを考えながら、途中から違う方向に向かった。本書では、その理由を、性淘汰、心霊主義、社会主義に探っている。
ダーウィンの著作は170年以上もまえのもの。遺伝のメカニズムはまったくわかっていなかった。遺伝子という明確な概念もなければ、DNAなんて想像すらできなかった。そのなかであれらの著作は書かれた。170年後のいま、苦労して原著を読んだところで、ガチの専門(学史)でなければ、益なし。ダーウィンの著作を翻訳している著者がそう言っている。
自分語りの章も読みどころ。なぜ生物進化の道に進むようになったか、そのきっかけを書いている。当時の日本は、進化論といえば、今西進化論。著者はそれに与(くみ)しなかった。いま振り返りながら、今西進化論は、科学ではなく、日本文化論の類だったと言い切っている。
Posted by ブクログ
国内の第一人者が、進化心理学についてわかりやすく紹介している。
見解が分かれがちな事柄については、自身の立場を明確にした上で考察・説明を示していることにとても好感がもてます。
橘玲さんの著作で進化心理学を始めて知ったが、ここ数十年の新しい領域とのこと。社会政策、教育政策などに応用されることを期待しています。
【引用】
どの文化でも、ヒトはかなりの量のタンパク質を含む、取得困難な食物を食べ、そのような食物を得るために協力して働き、母親・父親という概念を持ちつつ、他の人々も子育てにかかわっている。個人が単独で暮らせる社会はなく、シングルマザーが一人で子育てするのが当たり前の社会も存在しない。
目指すべきは、どんな科学技術社会になるにせよ、どんな理想を実現しようとするにせよ、EEAでヒトが快だと感じてきたことに対してはまじめに検討することだろう。