無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
日本人論の「古典」として読み継がれる『菊と刀』の著者で、アメリカの文化人類学者、ルース・ベネディクトが、1940年に発表し、今もロングセラーとなっている RACE AND RACISMの新訳。
ヨーロッパではナチスが台頭し、ファシズムが世界に吹き荒れる中で、「人種とは何か」「レイシズム(人種主義)には根拠はあるのか」と鋭く問いかけ、その迷妄を明らかにしていく。「レイシズム」という語は、本書によって広く知られ、現代まで使われるようになった。
「白人」「黒人」「黄色人種」といった「人種」にとどまらず、国家や言語、宗教など、出生地や遺伝、さらに文化による「人間のまとまり」にも優劣があるかのように宣伝するレイシストたちの言説を、一つ一つ論破してみせる本書は、70年以上を経た現在の私たちへの警鐘にもなっている。
訳者は、今年30歳の精神科医で、自らの診療体験などから本書の価値を再発見し、現代の読者に広く読まれるよう、平易な言葉で新たに訳し下ろした。グローバル化が急速に進み、社会の断絶と不寛容がますます深刻になりつつある現在、あらためて読みなおすべきベネディクトの代表作。
Posted by ブクログ 2022年02月06日
ルーズ・ベネディクトと言われると、『菊と刀』が思い浮かぶ。
だが、この『レイシズム』も、古典でありながらも、現代に通じる、というよりも、現代で改めて考え直さなければならない一冊だった。
人種差別はよくない、ということは誰でも知っている。しかし、なぜよくないかを、「人種」で説明しようとする。例えば...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年11月08日
『菊と刀』の著者が第二次世界大戦のさなか執筆したもの。国家や言語、遺伝、文化に対して優劣があると喧伝するレイシストを糾弾している。俯瞰的に考えれば、純粋な人種や民族などというものは存在しないことはわかりきっており、特にヨーロッパは長い歴史の中で混血が繰り返されている。
その中でレイシズムに陥るのは自...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年10月30日
レイシズムは科学ではなく政治によって作られ、利用される。一部の人間の利益のために憎悪が利用される。
言い方を変えると、レイシズムを唱える者たちはあらゆる科学に対して背を向けている。
文明や文化の発展が行われるためには、多彩な人種や文化が混ざり合う事が重要なのにもかかわ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年07月13日
時代がアメリカにおいて必要としたパンフレットという性格もあるのか、わかりやすく書かれている。レイシズムは、「弱い少数派の自分(たち)」の仲間を増やし、向こう側よりも少しでも優位に立とうとして、無理やり「差異」を言い立てて攻撃することで、不安を内在する同志たちが内なる自尊心を甘やかすというプリミティブ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月26日
文化人類学者であるルース・ベネディクトが著した菊と刀に並ぶ代表作。
その表題の通り、人種差別に対して社会人類学者として確固たる証拠を突きつけながら明確なNOを突きつけている。
著作が書かれたのは1942年のナチスドイツが勢力拡大している最中であり、ナチスドイツが掲げる人種差別政策への批判を念頭に書...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月21日
そもそもの人種や国の定義の曖昧さ。(前半)
人種の違いから湧いてくると思われがちなレイシズムが、あくまで「あらゆる不平等への不満のはけ口としての手段」に過ぎないこと。そして解決への方向性も示されてる。(後半)
前半部は今でこそスタンダードな考えなので目新しさはないけど、第2次世界大戦時中に書かれ...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。