国内小説 - 新潮社作品一覧

  • 成瀬は天下を取りにいく
    4.3
    1巻1,705円 (税込)
    中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言。今日も全力で我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない! 話題沸騰、圧巻のデビュー作。
  • 成瀬は信じた道をいく
    4.7
    1巻1,760円 (税込)
    成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!? 読み応えますますパワーアップの全5篇!
  • ローマ人の物語(I~XV)合本版
    -
    1巻22,319円 (税込)
    知力ではギリシア人に劣り、体力ではケルトやゲルマン人に劣り、技術力ではエトルリア人に劣り、経済力ではカルタゴ人に劣るローマ人だけが、なぜ巨大な世界帝国を繁栄させることができたのか? ささやかな建国伝説から始まる一千年の興亡史がいま幕を開ける。もはや古典といっても過言ではない歴史大作シリーズの電子版が待望の配信開始! ※当電子版は『ローマ人の物語』I~XV巻をまとめた合本版です。

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  • 不毛地帯(一~五) 合本版
    5.0
    1巻4,290円 (税込)
    拷問、飢餓、強制労働――11年に及ぶ地獄のシベリア抑留から生還した壹岐正は、第2の人生を商社マンとして生きる事を決意する。「商戦」という新たな戦いに身を投じ、戦後日本の高度成長を陰に陽に担った男を活写する、記念碑的長編。 ※当電子版は『不毛地帯』(一)~(五)の全五巻をまとめた合本版です。
  • 公孫龍 巻一 青龍篇(新潮文庫)
    続巻入荷
    5.0
    1~2巻737円 (税込)
    中国戦国時代、人質として周から燕に送られることとなった十八歳の王子稜(りょう)。父赧王の燕王宛ての書翰に、己を殺すようにと書かれているのを知った稜は愕然とする。王宮内の陰謀に巻き込まれたことを悟った稜は、山賊の襲撃から救った強国趙の幼き二公子の求めに応じ、商人「公孫龍(こうそんりょう)」として趙の都邯鄲(かんたん)を目指すことに。群雄割拠の乱世に颯爽と現れた青年の成長を描く波乱万丈の大河歴史小説開幕。
  • 正欲(新潮文庫)
    4.2
    自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繋がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。(解説・東畑開人)
  • しゃばけ(新潮文庫)
    4.0
    1~20巻605~737円 (税込)
    江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、猟奇的殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに。若だんなの周囲は、なぜか犬神、白沢、鳴家など妖怪だらけなのだ。その矢先、犯人の刃が一太郎を襲う……。愉快で不思議な大江戸人情推理帖。日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。(解説・小谷真理)
  • 街とその不確かな壁
    4.0
    1巻2,970円 (税込)
    十七歳と十六歳の夏の夕暮れ……川面を風が静かに吹き抜けていく。彼女の細い指は、私の指に何かをこっそり語りかける。何か大事な、言葉にはできないことを。高い壁と望楼、図書館の暗闇、古い夢、そしてきみの面影。自分の居場所はいったいどこにあるのだろう。村上春樹が封印してきた「物語」の扉が、いま開かれる。
  • あいにくあんたのためじゃない
    3.4
    1巻1,760円 (税込)
    過去のブログ記事が炎上中のラーメン評論家、夢を語るだけで行動には移せないフリーター、もどり悪阻とコロナ禍で孤独に苦しむ妊婦、番組の降板がささやかれている落ち目の元アイドル……いまは手詰まりに思えても、自分を取り戻した先につながる道はきっとある。この世を生き抜く勇気がむくむくと湧いてくる、全6篇。
  • 小説 イタリア・ルネサンス(1~4)合本版(新潮文庫)
    5.0
    1巻4,840円 (税込)
    時は16世紀。ヴェネツィア共和国の若き外交官マルコは、欧州制覇を目論むスペインとイスラムの盟主トルコに挟撃される国難打開の密命を託される。しかし、トルコでマルコを出迎えた旧友で敵国の宮廷深くに通じるアルヴィーゼの瞳にひとたび暗い光が灯ると、世界の命運は激しく変転していくのだった……。愛と陰謀が渦巻くルネサンス時代を描いた傑作歴史小説。 ※当電子版は新潮文庫版『小説 イタリア・ルネサンス』1~4巻をまとめた合本版です。
  • 白い巨塔(一~五) 合本版
    5.0
    1巻3,377円 (税込)
    国立大学の医学部第一外科助教授・財前五郎。華麗なるメスさばきでマスコミでも脚光を浴びる彼は、当然、次期教授に納まるものと自他ともに認めていた。しかし現教授の東は、財前の傲慢な性格を嫌悪し、他大学からの招聘を画策。産婦人科医院を営み医師会の役員でもある岳父の財力とOB会の後押しを受けた財前は、あらゆる術策をもって熾烈な教授選に勝ち抜こうとするが…。教授選挙に絡む利権をめぐり蠢く人間模様を描いた医療サスペンスの傑作! ※当電子版は『白い巨塔』(一)~(五)の全五巻をまとめた合本版です。
  • ぎょらん(新潮文庫)
    4.3
    人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」。噛み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだという。地方都市の葬儀会社に勤める元引きこもり青年・朱鷺は、ある理由から都市伝説めいたこの珠の真相を調べ続けていた。「ぎょらん」をきっかけに交わり始める様々な生。死者への後悔を抱えた彼らに珠は何を告げるのか。傷ついた魂の再生を圧倒的筆力で描く7編の連作集。文庫書き下ろし「赤はこれからも」収録。(解説・壇蜜)
  • #真相をお話しします
    3.7
    1巻1,705円 (税込)
    家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変に気がついて……(「惨者面談」)。不妊に悩む夫婦がようやく授かった我が子。しかしそこへ「あなたの精子提供によって生まれた子供です」と名乗る別の〈娘〉が現れたことから予想外の真実が明らかになる(「パンドラ」)。子供が4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとびとがやけによそよそしくなっていって……(「#拡散希望」)など、昨年「#拡散希望」が第74回日本推理作家協会賞を受賞。そして今年、第22回本格ミステリ大賞にノミネートされるなど、いま話題沸騰中の著者による、現代日本の〈いま〉とミステリの技巧が見事に融合した珠玉の5篇を収録。
  • 1Q84(BOOK1~3)合本版(新潮文庫)
    4.5
    1巻4,114円 (税込)
    1Q84年──私はこの新しい世界をそのように呼ぶことにしよう、青豆はそう決めた。Qはquestion markのQだ。疑問を背負ったもの。彼女は歩きながら一人で肯いた。好もうが好むまいが、私は今この「1Q84年」に身を置いている。私の知っていた1984年はもうどこにも存在しない。……ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』に導かれて、主人公・青豆と天吾の不思議な物語がはじまる。 ※当電子版は新潮文庫版『1Q84』BOOK1~3の全6冊をまとめた合本版です。
  • 小説8050(新潮文庫)
    NEW
    3.6
    このままでは、我が子を手にかけ、自分も死ぬしかない。歯科医の大澤正樹とその妻、節子は悩んでいた。長男の翔太は中学で不登校に、以後七年間引きこもり続けている。一方、一流企業に勤める姉の由依は、弟のせいで結婚できないと両親に訴える。ついに息子と向き合う決心をした正樹が知った恐ろしい真実とは――。引きこもり、家庭内暴力、不登校、いじめ……現代日本を抉(えぐ)る社会派エンタメ長編。(解説・三浦友和)
  • 君が手にするはずだった黄金について
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの? 青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。彼らはどこまで嘘をついているのか? いま注目を集める直木賞作家が、成功と承認を渇望する人々の虚実を描く話題作!
  • ねじまき鳥クロニクル(第1部~第3部)合本版(新潮文庫)
    4.0
    1巻2,607円 (税込)
    「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして?」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった?」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。(本文より) ※当電子版は新潮文庫版『ねじまき鳥クロニクル』第1部~第3部の全3巻をまとめた合本版です。
  • 塩野七生ルネサンス著作集(1~7)合本版
    -
    1巻7,777円 (税込)
    見たい、知りたい、わかりたいという欲望の爆発、それがルネサンスだった――フィレンツェ、ローマ、ヴェネツィアと、ルネサンスが花開いた三都市を順に辿り、レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、フリードリッヒ二世や聖フランチェスコ、チェーザレ・ボルジアなど、時代を彩った人々の魅力を対話形式でわかりやすく説く。40年にわたるルネサンスへの情熱が込められた最高の入門書。(『ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―』の内容紹介文より) ※当電子版は『塩野七生ルネサンス著作集』1~7をまとめた合本版です。
  • 晏子(一~四)合本版(新潮文庫)
    -
    強国晋を中心に大小いくつもの国が乱立した古代中国春秋期。気儘な君公に奸佞驕慢な高官たちが群れ従う斉の政情下、ただ一人晏弱のみは廟中にあっては毅然として礼を実践し、戦下においては稀代の智謀を揮った。緊迫する国際関係、宿敵晋との激突、血ぬられた政変……。度重なる苦境に晏弱はどう対処するのか。斉の存亡の危機を救った晏子父子の波瀾の生涯を描く歴史巨編。 ※当電子版は新潮文庫版『晏子』一~四巻をまとめた合本版です。
  • 名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件―
    4.1
    1巻2,090円 (税込)
    病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。調査に赴いたまま戻らない助手を心配して教団の本拠地に乗り込んだ探偵・大塒は、次々と不審な死に遭遇する。奇蹟を信じる人々に、現実世界のロジックは通用するのか? 圧巻の解決編一五〇ページ! 特殊設定、多重解決推理の最前線!
  • しろがねの葉
    4.3
    1巻1,870円 (税込)
    戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。生きることの官能を描き切った新境地にして渾身の大河長篇!
  • ボッコちゃん
    4.0
    1巻616円 (税込)
    スマートなユーモア、ユニークな着想、シャープな諷刺にあふれ、光り輝く小宇宙群! 日本SFのパイオニア星新一のショートショート集。表題作品をはじめ「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「鏡」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」「よごれている本」など、とても楽しく、ちょっぴりスリリングな自選50編。
  • 十字軍物語(一~四)合本版(新潮文庫)
    5.0
    1巻2,992円 (税込)
    ローマ帝国が滅亡し、「暗黒」と呼ぶ者さえいる中世――。カトリック教会は、イエスが受難した聖地であるにもかかわらず、長くイスラム教徒の支配下にあるイェルサレムを奪還すべく、「十字軍」結成を提唱する。これに呼応した七人の諸侯たちは、それぞれの思惑を抱え、時に激しく対立しながら異国の地を進むのだが……。中世最大の事件、現代まで残響とどろく真相に迫る、歴史大作の開幕。 ※当電子版は新潮文庫版『十字軍物語』第一巻~第四巻の全四巻をまとめた合本版です。
  • 異人たちとの夏(新潮文庫)
    4.0
    妻子と別れ、孤独な日々を送るシナリオ・ライターは、幼い頃死別した父母とそっくりな夫婦に出逢った。こみあげてくる懐かしさ。心安らぐ不思議な団欒。しかし、年若い恋人は「もう決して彼らと逢わないで」と懇願した……。静かすぎる都会のひと夏、異界の人々との交渉を、ファンタスティックに、鬼気迫る筆で描き出す、名脚本家山田太一の独自の小説世界。第一回山本周五郎賞受賞作品!(解説・田辺聖子)
  • 白い巨塔(一)
    4.1
    1~5巻649~781円 (税込)
    国立大学の医学部第一外科助教授・財前五郎。華麗なるメスさばきでマスコミでも脚光を浴びる彼は、当然、次期教授に納まるものと自他ともに認めていた。しかし現教授の東は、財前の傲慢な性格を嫌悪し、他大学からの招聘を画策。産婦人科医院を営み医師会の役員でもある岳父の財力とOB会の後押しを受けた財前は、あらゆる術策をもって熾烈な教授選に勝ち抜こうとするが…。教授選挙に絡む利権をめぐり蠢く人間模様を描いた医療サスペンスの傑作!

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  • 流転の海(第一部~第九部)合本版(新潮文庫)
    5.0
    1巻7,194円 (税込)
    理不尽で我侭で好色な男の周辺に生起する幾多の波瀾。父と子の関係を軸に戦後生活の有為転変を力強く描く、著者畢生の大作。 ※当電子版は新潮文庫版『流転の海』第一部~第九部をまとめた合本版です。
  • 沈まぬ太陽(一) -アフリカ篇・上-
    4.3
    1~5巻660~737円 (税込)
    広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命――。人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける!

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  • 湖の女たち(新潮文庫)
    3.4
    湖畔の介護施設で暮らす寝たきりの男性が殺された。捜査にあたった刑事は施設で働く女性と出会うが、二人はいつしかインモラルな関係に溺れていく。一方、事件を取材する記者は死亡男性がかつて満州で人体実験にかかわっていたことを突きとめるが、なぜか取材の中止を命じられる。吸い寄せられるように湖に集まる男たち、女たち、そして――。読後、圧倒的な結末に言葉を失う極限の黙示録。(解説・諏訪敦)
  • 沈まぬ太陽(一~五) 合本版
    4.8
    1巻3,531円 (税込)
    広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命――。人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける! ※当電子版は『沈まぬ太陽』(一)~(五)の全五巻をまとめた合本版です。
  • 雀荘迎賓館最後の夜
    5.0
    1巻1,980円 (税込)
    雀荘「迎賓館」には並外れた技量の打ち手が集まる。枯淡の老経営者、飲食チェーン取締役、広告会社局長代理、記憶システムが異様な高校教師。仲間内のゲームに飽き足らず、敢えて鉄火場に挑んだ国立大生・結城は、強者達の雀卓を凌げるのか。勝負の果てに、彼らは何を失い、何を得るのか。ギャンブル小説の新たなる金字塔。
  • 縁切り上等!―離婚弁護士 松岡紬の事件ファイル―
    3.9
    1巻1,760円 (税込)
    夫のモラハラと浮気に耐えられなくなり家を飛び出した聡美が北鎌倉で出会ったのは、縁切寺の娘で弁護士の松岡紬。勢い込んで離婚相談をするも、思いがけないことを言われ……。上手に縁を切る方法、教えます。温かなヒューマンドラマにして、前を向く元気をもらえる、痛快リーガル小説。
  • 方舟を燃やす
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    口さけ女はいなかった。恐怖の大王は来なかった。噂はぜんぶデマだった。一方で大災害が町を破壊し、疫病が流行し、今も戦争が起き続けている。何でもいいから何かを信じないと、今日をやり過ごすことが出来ないよ――。飛馬と不三子、縁もゆかりもなかった二人の昭和平成コロナ禍を描き、「信じる」ことの意味を問いかける傑作長篇。
  • 海辺のカフカ(上)(新潮文庫)
    完結
    3.9
    全2巻880~935円 (税込)
    「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」――15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃない。古いライター、折り畳み式のナイフ、ポケット・ライト、濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。小さいころの姉と僕が二人並んでうつった写真……。
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)
    4.0
    1巻649円 (税込)
    「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。心に封印し続けた悲劇は、まさにその地で起こったのだ。私は迷いつつも、真実を求めて執筆するが……。評判の占い師、悪夢が憑く家、鏡に映る見知らぬ子。怪異が怪異を呼びながら、謎と恐怖が絡み合い、直視できない真相へとひた走る。読み終えたとき、それはもはや他人事ではない。ミステリと実話怪談の奇跡的融合。(解説・千街晶之)
  • いいひと、辞めました
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    四十路の独身男、平田は自他ともに認める「いいひと」。だが、モテない。結婚はおろか恋人すらできない。「いいひとなんだけどね……」って、もういい! こうなったらとことんサイテーになってやる! 立派な「サイテー男」になるべく向かった場所とは――ふかわりょうが描く、痛快! 人生180度逆転劇!
  • 赤い星々は沈まない
    -
    1巻1,870円 (税込)
    老人介護施設のマドンナ・キヌ子は、いまだ枯れずに「女」を振りまいている。夫とのセックスレスに悩む看護師のミサは、介助しながらその言動を複雑な思いで見ているが……。今の大人の女性たちが抱える「ままならなさ」を真っ向から、時にユーモアも交えて描いた「女による女のためのR-18文学賞」大賞作家デビュー作。
  • あなたはここにいなくとも
    3.9
    1巻1,705円 (税込)
    恋人に紹介できない家族、会社でのいじめによる対人恐怖、人間関係をリセットしたくなる衝動、わきまえていたはずだった不倫、ずっと側にいると思っていた幼馴染との別れ――いまは人生の迷子になってしまったけれど、あなたの道しるべは、ほら、ここに。もつれた心を解きほぐす、ぬくもりに満ちた全五篇。
  • ルビンの壺が割れた(新潮文庫)
    3.7
    「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」――送信した相手は、かつての恋人。フェイスブックで偶然発見した女性は、大学の演劇部で出会い、二十八年前、結婚を約束した人だった。やがて二人の間でぎこちないやりとりがはじまるが、それは徐々に変容を見せ始め……。先の読めない展開、待ち受ける驚きのラスト。前代未聞の読書体験で話題を呼んだ、衝撃の問題作!(解説・西山奈々子)
  • 山本五十六(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,397円 (税込)
    戦争に反対しながら、自ら対米戦争の火蓋を切らねばならなかった聯合艦隊司令官山本五十六。今日なお人々の胸中に鮮烈な印象をとどめる、日本海軍史上最大の提督の赤裸々な人間像を余すところなく描いた著者畢生の力作。本書は、初版刊行後、更に調査し、発見した未公開資料に基づき加筆された新版である。上巻では、ロンドン軍縮会議での活躍を中心に、若き日の山本像が描かれる。 ※当電子版は新潮文庫版『山本五十六』上下巻をまとめた合本版です。
  • 葬送 第一部(上)
    4.0
    1~4巻583~704円 (税込)
    ロマン主義の全盛期、十九世紀パリ社交界に現れたポーランドの音楽家ショパン。その流麗な調べ、その物憂げな佇まいは、瞬く間に彼を寵児とした。高貴な婦人たちの注視の中、女流作家ジョルジュ・サンドが彼を射止める。彼の繊細に過ぎる精神は、ある孤高の画家をその支えとして選んでいた。近代絵画を確立した巨人ドラクロワとショパンの交流を軸に荘厳華麗な芸術の時代を描く雄編。

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  • 海戦三部作(コンスタンティノープルの陥落、ロードス島攻防記、レパントの海戦)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,749円 (税込)
    東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。(『コンスタンティノープルの陥落』の内容紹介文より) ※当電子版は新潮文庫版『コンスタンティノープルの陥落』『ロードス島攻防記』『レパントの海戦』をまとめた合本版です。
  • 華麗なる一族(上中下) 合本版
    5.0
    1巻2,596円 (税込)
    業界ランク第10位の阪神銀行頭取、万俵大介は、都市銀行再編の動きを前にして、上位銀行への吸収合併を阻止するため必死である。長女一子の夫である大蔵省主計局次長を通じ、上位銀行の経営内容を極秘裏に入手、小が大を喰う企みを画策するが、その裏で、阪神特殊鋼の専務である長男鉄平からの融資依頼をなぜか冷たく拒否する。不気味で巨大な権力機構〈銀行〉を徹底的に取材した力作。 ※当電子版は『華麗なる一族』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 東京都同情塔
    3.6
    1巻1,870円 (税込)
    ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることに。犯罪者に寛容になれない建築家・牧名は、仕事と信条の乖離に苦悩しながら、パワフルに未来を追求する。ゆるふわな言葉と実のない正義の関係を豊かなフロウで暴く、生成AI時代の預言の書。
  • 死ぬことと見つけたり(上下)合本版(新潮文庫)
    3.0
    1巻1,386円 (税込)
    常住坐臥、死と隣合せに生きる葉隠武士たち。佐賀鍋島藩の斎藤杢之助は、「死人」として生きる典型的な「葉隠」武士である。「死人」ゆえに奔放苛烈な「いくさ人」であり、島原の乱では、莫逆の友、中野求馬と敵陣一番乗りを果たす。だが、鍋島藩を天領としたい老中松平信綱は、彼らの武功を抜駆けとみなし、鍋島藩弾圧を策す。杢之助ら葉隠武士三人衆の己の威信を賭けた闘いが始まった。 ※当電子版は新潮文庫版『死ぬことと見つけたり』上下巻をまとめた合本版です。
  • ねじまき鳥クロニクル―第1部 泥棒かささぎ編―(新潮文庫)
    完結
    3.9
    全3巻737~1,045円 (税込)
    「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして?」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった?」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。(本文より)
  • 西の魔女が死んだ(新潮文庫)
    4.2
    中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。
  • 砂の器(上下)合本版(新潮文庫)
    5.0
    1巻1,430円 (税込)
    東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の今西は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。今西の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する…。 映画でもドラマでも大ヒットした社会派ミステリー。 ※当電子版は新潮文庫版『砂の器』上下巻をまとめた合本版です。
  • 二つの祖国(一~四) 合本版
    -
    1巻3,080円 (税込)
    アメリカに生まれ、アメリカ人として育てられた日系二世たち。しかし日米開戦は彼らに、残酷極まりない問いを突きつけた。アメリカ人として生きるべきか、それとも日本人として生きるべきなのか――。ロサンゼルスの邦字新聞「加州新報」の記者天羽賢治とその家族の運命を通して、戦争の嵐によって身を二つに裂かれながらも、真の祖国を探し求めた日系米人の悲劇を描く大河巨編! ※当電子版は『二つの祖国』(一)~(四)の全四巻をまとめた合本版です。
  • 騎士団長殺し(第1部~第2部)合本版(新潮文庫)
    4.5
    1巻2,508円 (税込)
    一枚の絵が、秘密の扉を開ける――妻と別離し、小田原の海を望む小暗い森の山荘に暮らす36歳の孤独な画家。緑濃い谷の向かいに住む謎めいた白髪の紳士が現れ、主人公に奇妙な出来事が起こり始める。雑木林の中の祠、不思議な鈴の音、古いレコードそして「騎士団長」……想像力と暗喩が織りなす村上春樹の世界へ! ※当電子版は新潮文庫版『騎士団長殺し』第1部~第2部の全4冊をまとめた合本版です。
  • ようこそ地球さん
    4.1
    1巻704円 (税込)
    文明の亀裂をこじあけて宇宙時代をのぞいてみたら、人工冬眠の流行で地上は静まりかえり、自殺は信仰にまで昇華し、宇宙植民地では大暴動が惹起している――人類の未来に待ちぶせる悲喜劇を、皮肉げに笑い、人間の弱さに目を潤ませながら、奇想天外、卓抜なアイデアをとりまぜて描いたショートショート42編を収録。現代メカニズムの清涼剤とも言うべき大人のための寓話集です。
  • 優駿(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,430円 (税込)
    生れる仔馬が牡馬でありますように。風の申し子のように速く、嵐みたいに烈しく、名馬の天命をたずさえて生れますように……。若者の祈りに応(こた)えて、北海道の小さな牧場に、一頭のサラブレッドが誕生した。オラシオン(祈り)と名づけられた仔馬は、緑と光の原野のなかで育ち、順調に競走馬への道を歩みはじめるが、それと共に、登場人物ひとりひとりの宿命的な劇(ドラマ)が、幕を開けた――。 ※当電子版は新潮文庫版『優駿』上下巻をまとめた合本版です。
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    4.3
    1巻1,045円 (税込)
    母の看病のため実家に戻ってきた32歳の都(みやこ)。アウトレットモールのアパレルで契約社員として働きながら、寿司職人の貫一と付き合いはじめるが、彼との結婚は見えない。職場は頼りない店長、上司のセクハラと問題だらけ。母の具合は一進一退。正社員になるべき? 運命の人は他にいる? ぐるぐると思い悩む都がたどりついた答えは――。揺れる心を優しく包み、あたたかな共感で満たす傑作長編。(解説・藤田香織)
  • いつまで
    4.0
    1巻1,595円 (税込)
    長崎屋から妖が消えた! 最初は噺家の場久、次は火幻医師。彼らを探すため、影内に紛れ込んだ病弱若だんなは、すべて西から来た妖・以津真天の仕業だと知る。大事な友を救うため、果敢に悪夢に飛び込んだ若だんなだが、目覚めた先はなんと五年後の江戸。鍵を握るのは、以津真天なのか、それとももっと大きな力なのか……。
  • ともぐい
    3.7
    1巻1,925円 (税込)
    明治後期の北海道の山で、猟師というより獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男、熊爪。図らずも我が領分を侵した穴持たずの熊、蠱惑的な盲目の少女、ロシアとの戦争に向かってきな臭さを漂わせる時代の変化……すべてが運命を狂わせてゆく。人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる、河﨑流動物文学の最高到達点!!
  • BUTTER(新潮文庫)
    4.1
    男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ――。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。(解説・山本一力)
  • 楡家の人びと(第一部~第三部) 合本版
    3.0
    1巻2,013円 (税込)
    溢れる楽天性と人当たりの良さで患者の信頼を集めるドクトル楡基一郎が、誇大妄想的な着想と明治生まれの破天荒な行動力をもって、一代で築いた楡脳病院。その屋根の下で、ある者は優雅に、ある者は純朴に、ある者は夢見がちに、ある者は漠とした不安にとまどいながら、それぞれの生を紡いでゆく。東京青山の大病院と、そこに集う個性豊かな一族の、にぎやかな年代記の幕が上がる。 ※当電子版は『楡家の人びと』(第一部)~(第三部)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 流転の海―第一部―
    完結
    4.2
    660~935円 (税込)
    理不尽で我侭で好色な男の周辺に生起する幾多の波瀾。父と子の関係を軸に戦後生活の有為転変を力強く描く、著者畢生の大作。
  • 風は山河より(一~六)合本版(新潮文庫)
    -
    戦国前夜の奥三河。瞬く間に西三河を支配した松平清康の驍名を聞いた野田城城主・菅沼新八郎定則は、帰属していた今川家を離れる決心をする。清康が卓越した戦術と情義の心で勢力を広げる中、新八郎は戦での働きが認められはじめる。一方、綾という女との出会いから、川原で拾った童子・四郎の出自とその周囲の陰謀が明らかになっていく。知られざる英傑たちの活躍を描く歴史巨編。 ※当電子版は新潮文庫版『風は山河より』一~六巻をまとめた合本版です。
  • 博士の愛した数式
    4.3
    [ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。寺尾聰主演の映画原作。

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  • 夜空に泳ぐチョコレートグラミー(新潮文庫)
    4.2
    思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋、そして、ともには生きられなかったあの人のこと――。大胆な仕掛けを選考委員に絶賛されたR-18文学賞大賞受賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。すり鉢状の小さな街で、理不尽の中でも懸命に成長する少年少女を瑞々しく描いた表題作他3編を収録した、どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。(解説・吉田伸子)
  • 熔果
    4.1
    1巻2,090円 (税込)
    白昼堂々起こった5億円の金塊強奪事件。かつて大阪府警のマル暴刑事だった堀内と伊達は、事件の裏に下関港で発生した金塊密輸事件との繋がりを嗅ぎ取る。未だ押収されていない金塊の行方を追う二人に、ヤクザ、半グレ、汚職警官たちが襲い掛かる! 暴力と混沌の中でしか生きられない男たちを描くノワール小説の最高峰。
  • 母性(新潮文庫)
    4.3
    女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語(ミステリー)。(解説・間室道子)
  • ペインレス(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,474円 (税込)
    野宮万浬、ペインクリニックで患者の痛みと日々向き合う優秀な医師。彼女には、秘密があった。心に一切痛みを感じないのだ。一方、数々の国際プロジェクトを手掛けてきた貴井森悟は、爆弾テロに遭って痛覚と情熱を失い、無為に生きていた。謎めいた老人、曾根雅雄の導きにより、ふたりは運命の邂逅を果たす──。人間の根源を抉るサスペンスにして、最もスリリングな医学エンターテインメント。 ※当電子版は新潮文庫版『ペインレス』上下巻をまとめた合本版です。
  • 水よ踊れ
    4.3
    1巻2,420円 (税込)
    「返還」前夜の香港。和志は恋人の死の謎を追い、交換留学生として再びその地を訪れる。幽霊屋敷に間借りする活動家、ベトナムのボートピープル、「共産党員」と噂される大物建築家。次第に浮かび上がる香港の実相。やがて、和志は民主化運動の渦に呑まれてゆく。生と、自由の喜びを高らかに謳う、圧巻の社会派エンタメ。
  • 電子書籍限定版 宮部みゆき よりすぐり短篇集
    4.0
    1巻1,078円 (税込)
    傑作は、いつ読んでも、何度読んでも素晴らしい――。収録作はあらゆるジャンルを網羅した「サボテンの花」「雪娘」「10年計画」「朽ちてゆくまで」「たった一人」「邪恋」「ばんば憑き」「片葉の芦」「神無月」「地下街の雨」「淋しい狩人」「刑事の財布」の計12篇。初心者は納得の、ファンには目から鱗な読みどころポイントを押さえた全作品解説付。
  • 公孫龍 巻三 白龍篇
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    周王朝の王子という身分を捨て、群雄割拠する諸国を商人として渡り歩く青年・公孫龍。その清廉潔白な人格で将軍や有力者たちの信頼を得た彼は、自らその登用に尽力し、燕に仕えるようになった名将・楽毅が企図する空前の大戦略の実現に向け、才覚を発揮する。名作『楽毅』の感動が新たに甦る、宮城谷文学最高傑作、第三部。
  • 家族狩り(第一部~第五部)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻3,102円 (税込)
    高校教師・巣藤浚介は、恋人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。馬見原光毅刑事は、ある母子との旅の終わりに、心の疼きを抱いた。児童心理に携わる氷崎游子は、虐待される女児に胸を痛めていた。女子高生による傷害事件が運命の出会いを生み、悲劇の奥底につづく長き階段が姿を現す。山本賞受賞作の構想をもとに、歳月をかけて書き下ろされた入魂の巨編が、いま幕を開ける。 ※当電子版は新潮文庫版『家族狩り』第一部~第五部をまとめた合本版です。
  • カーテンコール
    3.5
    1巻1,870円 (税込)
    著者曰く「これがおそらくわが最後の作品集になるだろう」(編集者「信じていません!」)。筒井文学の主要登場人物が打ち揃う「プレイバック」をはじめ、巨匠がこれまで蓄積した技倆と思索の全てを注いだ、痙攣的笑い、恐怖とドタバタ、胸えぐる感涙、いつかの夢のごとき抒情などが横溢する圧倒的傑作掌篇小説集爆誕!
  • 木挽町のあだ討ち
    4.3
    1巻1,870円 (税込)
    ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙は多くの人々から賞賛された。二年の後、菊之助の縁者という侍が仇討ちの顛末を知りたいと、芝居小屋を訪れるが――。現代人の心を揺さぶり勇気づける令和の革命的傑作誕生! ご購入いただいた方全員に、声優・関智一さんによる冒頭部分の朗読、20分のフルバージョンをスペシャルプレゼント! 巻末に掲載された二次元バーコードあるいはURLからお聴きいただけます。※購入者特典は事前の予告なく掲載が終了する場合があります。
  • 食べると死ぬ花
    3.8
    1巻1,870円 (税込)
    最愛のひとり息子を失った桜子は、カウンセラーの久根からふしぎな壺を与えられる。三つの約束さえ守れば、息子が帰ってくるというが……。「もう本当に最悪でした、もちろん褒め言葉」「吐きそうなくらい嫌な話」連載時から話題沸騰! デビュー作でネット民を震撼させたホラー界の気鋭が描く、血と涙で彩られる美しき地獄。
  • 桜田門外ノ変(上下)合本版(新潮文庫)
    5.0
    1巻1,276円 (税込)
    安政七年(1860)三月三日、雪にけむる江戸城桜田門外に轟いた一発の銃声と激しい斬りあいが、幕末の日本に大きな転機をもたらした。安政の大獄、無勅許の開国等で独断専行する井伊大老を暗殺したこの事件を機に、水戸藩におこって幕政改革をめざした尊王攘夷思想は、倒幕運動へと変わっていく。襲撃現場の指揮者・関鉄之介を主人公に、桜田事変の全貌を描ききった歴史小説の大作。 ※当電子版は新潮文庫版『桜田門外ノ変』上下巻をまとめた合本版です。
  • ご依頼の件
    3.8
    1巻671円 (税込)
    若いころの事件をたねに、金をゆすられているあなた! 殺してもあきたらないほど、憎らしい人がいるきみ! おもいきって、“殺し”はいかがですか? ご依頼の件は必ずやりとげ、絶対安全。あなたには決してご迷惑をおかけいたしません。常識的で、ありふれた世界に安住している人々の意識を痛撃し、人間の心の奥にひそむ願望をユーモアと諷刺で描いたショートショート40編。
  • この気持ちもいつか忘れる(新潮文庫)
    3.7
    毎日が退屈だ。楽しいことなんて何もない。授業を受けるだけの日日を過ごす男子高校生のカヤは、16歳の誕生日を前に謎の少女チカと出会う。美しい目を光らせ不思議なことを話すチカ。彼女は異世界の住人らしいのだが、二つの世界では奇妙なシンクロが起きていた。そして、チカとの出会いを重ねるうちカヤの心にはある変化が起き……ひりつく思いと切なさに胸を締め付けられる傑作恋愛長編。(解説・菅波栄純)
  • ハーシュ(新潮文庫)
    値引きあり
    4.0
    1巻515円 (税込)
    東京荻窪の閑静な住宅街で、新婚夫婦が惨殺された。凶器は手斧。意味不明の遺留品が残され、血まみれの若妻は、結婚式場のパンフレットを口中に押し込まれていた。かつて吉祥寺で起きた類似事件と関係があるのか。謎めいた密告、捜査幹部と被害者の秘められた関係。捜査は泥沼化し、またも新婚夫婦が手斧で殺される……。苛酷(ハーシュ)な真相と重い衝撃が胸を抉る傑作ミステリー。『酷―ハーシュ―』改題。(解説・吉野仁)
  • 細雪(上)
    4.3
    1~3巻605~781円 (税込)
    大阪船場に古いのれんを誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子が織りなす人間模様のなかに、昭和十年代の関西の上流社会の生活のありさまを四季折々に描き込んだ絢爛たる小説絵巻。三女の雪子は姉妹のうちで一番の美人なのだが、縁談がまとまらず、三十をすぎていまだに独身でいる。幸子夫婦は心配して奔走するが、無口な雪子はどの男にも賛成せず、月日がたってゆく。

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  • 怪談小説という名の小説怪談
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    深夜の高速道路で語られる百物語、学校を彷徨う伝説の幽霊、子連れでの散歩中に遭遇した呪いの物件……。古今語り継がれる「怪談」の数々を、ホラー界の旗手が戦慄のアップデート。精緻な技巧と無慈悲な想像力が邂逅を果たすとき、そこに真の〈恐怖〉が現出する――。「小説」ならではの企みに満ちた、著者真髄特濃短編集。
  • 楽毅(一~四)合本版(新潮文庫)
    -
    古代中国の戦国期、「戦国七雄」にも数えられぬ小国、中山国宰相の嫡子として生まれた楽毅は栄華を誇る大国・斉の都で己に問う。人が見事に生きるとは、どういうことかと。諸子百家の気風に魅せられ、斉の都に学んだ青年を祖国で待ち受けていたのは、国家存立を脅かす愚昧な君主による危うい舵取りと、隣国・趙の執拗な侵略だった。才知と矜持をかけ、若き楽毅は祖国の救済を模索する。 ※当電子版は新潮文庫版『楽毅』一~四巻をまとめた合本版です。
  • 今夜
    3.6
    1巻1,705円 (税込)
    プロボクサー、タクシードライバー、交番の警察官、高校教師。その夜、四人の男女は、人生の境界線上に立った。あの日のあなたと同じように。選択の瞬間、夜に潜む魔物が、そっと背中を押す。選んだのは、善? それとも悪? 人間の強さと弱さを繊細な視線でとらえ、忘れられない物語に昇華させた著者会心の書き下ろし長編。
  • ラザロの迷宮
    4.2
    1巻1,980円 (税込)
    湖畔にある洋館を友人と共に訪れた月島。殺人事件の犯人を当てる、脱出型の謎解きゲームが開催されるという。だが、男女8人の参加者たちの前で、本当の殺人が起きる……。戦慄の最終章に備えよ! 大人気シリーズ「心霊探偵八雲」著者が全身全霊をかけて読者に挑む、一頁先さえ予測不能のノンストップ・ミステリ。特別ショートストーリー「使徒の願い」を収録。
  • しろばんば
    4.4
    1巻825円 (税込)
    野草の匂いと陽光のみなぎる、伊豆湯ヶ島の自然のなかで幼い魂はいかに成長していったか。著者自身の少年時代を描いた自伝小説。

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  • のち更に咲く
    4.3
    1巻2,200円 (税込)
    藤原道長の栄華を転覆させようと都を暗躍する盗賊たち。道長邸で働く女房・小紅は、盗賊の首魁が死んだはずの兄との噂を知り探索を始める。その過程で権力を巡る暗闘とそれに翻弄される者たちの恨みを知った小紅は、やがて王朝を脅かす秘密へと辿り着き――紫式部、和泉式部も巻き込んで咲き誇る平安ロマン、艶やかに開幕。
  • 東京奇譚集(新潮文庫)
    4.0
    肉親の失踪、理不尽な死別、名前の忘却……。大切なものを突然に奪われた人々が、都会の片隅で迷い込んだのは、偶然と驚きにみちた世界だった。孤独なピアノ調律師の心に兆した微かな光の行方を追う「偶然の旅人」。サーファーの息子を喪くした母の人生を描く「ハナレイ・ベイ」など、見慣れた世界の一瞬の盲点にかき消えたものたちの不可思議な運命を辿る5つの物語。
  • 何者
    3.9
    就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。
  • 黒革の手帖(上下)合本版(新潮文庫)
    1.0
    1巻1,232円 (税込)
    7500万円の横領金を資本に、銀座のママに転身したベテラン女子行員、原口元子。店のホステス波子のパトロンである産婦人科病院長楢林に目をつけた元子は、元愛人の婦長を抱きこんで隠し預金を調べあげ、5000万円を出させることに成功する。次に彼女は、医大専門予備校の理事長橋田を利用するため、その誘いに応じるが……。夜の紳士たちを獲物に、彼女の欲望はさらにひろがってゆく。 ※当電子版は新潮文庫版『黒革の手帖』上下巻をまとめた合本版です。
  • 雷神(新潮文庫)
    4.1
    あの日、雷が落ちなければ、罪を犯すことはなかった――。埼玉で小料理屋を営む藤原幸人(ゆきひと)を襲った脅迫電話。電話の主が店に現れた翌日、娘の夕見(ゆみ)から遠出の提案を受ける。新潟県羽田上(はたがみ)村――幸人と姉・亜沙実の故郷であり、痛ましい記憶を封じ込めた地だった。母の急死と村の有力者の毒殺事件。幸人らが村を訪れると、凄惨な過去が目を醒まし……。最後の一行まで最上級の驚愕が続くミステリ。(解説・香山二三郎)
  • わたし、定時で帰ります。(新潮文庫)
    4.0
    1~3巻649~880円 (税込)
    絶対に定時で帰ると心に決めている会社員の東山結衣。非難されることもあるが、彼女にはどうしても残業したくない理由があった。仕事中毒の元婚約者、風邪をひいても休まない同僚、すぐに辞めると言い出す新人……。様々な社員と格闘しながら自分を貫く彼女だが、無茶な仕事を振って部下を潰すと噂のブラック上司が現れて!? 働き方に悩むすべての会社員必読必涙の、全く新しいお仕事小説!
  • ドルチェ
    3.7
    元捜査一課の女刑事・魚住久江、42歳独身。ある理由から一課復帰を拒み、所轄で十年。今は練馬署強行犯係に勤務する。その日、一人の父親から、子供が死亡し母親は行方不明との通報があった。翌日、母親と名乗る女性が出頭したが(「袋(ブクロ)の金魚」)。女子大生が暴漢に襲われた。捜査線上には彼女と不倫関係の大学准教授の名も挙がり……(「ドルチェ」)。所轄を生きる、新・警察小説集第1弾。
  • 掲載禁止 撮影現場(新潮文庫)
    4.1
    不気味な廃墟で言い合いをする二人の男の衝撃的結末「例の支店」、自分が犯人だと自首してきた男を問い詰めていくなかで進行する奇妙な議論「哲学的ゾンビの殺人」、カリスマ映画監督の作品に出演した役者が見た、とんでもない光景「撮影現場」、仕掛けが冴える著者の真骨頂特別書下ろし「カガヤワタルの恋人」……。怖いのに、読むのが止められない傑作八編。心臓の弱い方は、ご注意ください。(解説・真梨幸子)
  • 初恋さがし(新潮文庫)
    値引きあり
    3.4
    忘れられないあの人、お探しします。どうか安心してご依頼ください――。高田馬場駅から徒歩5分、所長もスタッフも全員女性のミツコ調査事務所。訪れる依頼人たちが求めているのは、甘酸っぱい思い出の余韻? ふたたび燃え上がる恋心? それとも。眠っていた過去を呼び覚ますとき、怨嗟の血がとめどなく流れる……。秘密と殺意が絡み合い、戦慄のラストへと疾走する、イヤミスの臨界点!
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)
    完結
    4.2
    全2巻781~880円 (税込)
    高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。
  • 暗殺
    3.3
    1巻1,815円 (税込)
    大学受験の朝、駅で射殺事件を目撃しながら通報を怠った麻紀。やがて親友の恋人として再び姿を現した犯人は職業的殺人者だった――。一方、事件を追う刑事のことみは現役大臣の秘書と交際するうち、大臣の特殊な性癖と周囲の不審な事件を知り、密かに調べを進める。殺人の構図と人間の暗部が読者を打ちのめす傑作長篇。
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)
    完結
    3.8
    全4巻605~693円 (税込)
    一枚の絵が、秘密の扉を開ける――妻と別離し、小田原の海を望む小暗い森の山荘に暮らす36歳の孤独な画家。緑濃い谷の向かいに住む謎めいた白髪の紳士が現れ、主人公に奇妙な出来事が起こり始める。雑木林の中の祠、不思議な鈴の音、古いレコードそして「騎士団長」……想像力と暗喩が織りなす村上春樹の世界へ!
  • 名探偵のはらわた(新潮文庫)
    3.7
    「亘(わたる)君、君は真実を語るべきだ」農薬コーラ毒殺魔、局部切断女、そして恐怖の三十人殺し! 昭和史に残る極悪犯罪者たちが地獄の淵から甦(よみがえ)り、現代日本で殺戮の限りを尽くす。空前絶後の惨劇に立ち上がった伝説の名探偵は、推理の力でこの悪夢を止められるのか。「疑え――そして真実を見抜け」二度読み必至の鮮やかな伏線回収、緻密な論理(ロジック)による美しき多重解決。本格ミステリの神髄、ここにあり。(解説・若林踏)
  • あの子とQ
    4.1
    1巻1,760円 (税込)
    普段は吸血鬼であることを意識せず過ごす高校生・嵐野弓子の前に突然現れたトゲトゲのばけもの。「Q」と名乗るそいつは、弓子が人の血を吸わないか監視しにきたという。でも、考えてみ? 人間社会に溶け込む現代の吸血鬼が、血を吸うなんて絶対ない! だが、思いがけない事件が起こり――。ミラクルな展開が待ち受ける、青春×吸血鬼ストーリー!
  • 荒地の家族
    3.7
    1巻1,870円 (税込)
    元の生活に戻りたいと人が言う時の「元」とはいつの時点か――。40歳の植木職人・坂井祐治は、あの災厄の二年後に妻を病気で喪い、仕事道具もさらわれ苦しい日々を過ごす。地元の友人も、くすぶった境遇には変わりない。誰もが何かを失い、元の生活には決して戻らない。仙台在住の書店員作家が描く、止むことのない渇きと痛み。
  • 可哀想な蠅
    3.7
    1巻1,705円 (税込)
    近所で目撃した光景をツイートしたのをきっかけに絡んできた、粘着質なアカウント。芽衣子は、彼をスマホの中で「飼う」ことに決めるが――。SNSで、会社で、家の中で。どこからか湧いてくる、哀れな人たち。蓋をしてしまいたい感情。日常の裏で誰もが「見て見ぬふり」をしているものを突き付ける、ブラックな短篇集。
  • 文字渦(新潮文庫)
    3.9
    1巻781円 (税込)
    「昔、文字は本当に生きていたのじゃないかと思わないかい」。始皇帝の陵墓づくりに始まり、道教、仏教、分子生物学、情報科学を縦横に、変化を続ける「文字」を主役として繰り広げられる連作集。文字を闘わせる遊戯に隠された謎、連続殺「字」事件の奇妙な結末、本文から脱出し短編間を渡り歩くルビの旅……。小説の地平を拓く12編、川端康成文学賞・日本SF大賞受賞。(解説・木原善彦)
  • 西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集
    4.7
    1巻1,650円 (税込)
    中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、夏のひと月をママのママ、西の魔女と呼ぶおばあちゃんと共に暮す。感受性が強く生きにくいと言われたまいは、その性質を抱えて生きるために魔女修行に取り組む――初刊から23年を経て、書下ろし短篇おばあちゃんのモノローグ「かまどに小枝を」等表題作に繋がる三作も収録。
  • 青い鳥
    4.6
    1巻737円 (税込)
    村内先生は、中学の非常勤講師。国語の先生なのに、言葉がつっかえてうまく話せない。でも先生には、授業よりももっと、大事な仕事があるんだ。いじめの加害者になってしまった生徒、父親の自殺に苦しむ生徒、気持ちを伝えられずに抱え込む生徒、家庭を知らずに育った生徒──後悔、責任、そして希望。ひとりぼっちの心にそっと寄り添い、本当にたいせつなことは何かを教えてくれる物語。
  • 破船
    4.3
    1巻528円 (税込)
    二冬続きの船の訪れに、村じゅうが沸いた。けれども、中の者は皆死に絶えており、骸が着けていた揃いの赤い着物を分配後まもなく、恐ろしい出来事が起った……。嵐の夜、浜で火を焚いて、近づく船を座礁させ、積荷を奪い取る――僻地の貧しい漁村に古くから伝わる、サバイバルのための過酷な風習“お船様”が招いた海辺の悲劇を描いて、著者の新境地を示す異色の長編小説。

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