ねじまき鳥クロニクル―第1部 泥棒かささぎ編―(新潮文庫)
  • 完結

ねじまき鳥クロニクル―第1部 泥棒かささぎ編―(新潮文庫)

737円 (税込)

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「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして?」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった?」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。(本文より)

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  • ねじまき鳥クロニクル―第1部 泥棒かささぎ編―(新潮文庫)
    完結
    737円 (税込)
    「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして?」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった?」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。(本文より)
  • ねじまき鳥クロニクル―第2部 予言する鳥編―(新潮文庫)
    完結
    825円 (税込)
    「今はまちがった時間です。あなたは今ここにいてはいけないのです」しかし綿谷ノボルによってもたらされた深い切り傷のような痛みが僕を追いたてた。僕は手をのばして彼を押し退けた。「あなたのためです」と顔のない男は僕の背後から言った。「そこから先に進むと、もうあとに戻ることはできません。それでもいいのですか?」(本文より)
  • ねじまき鳥クロニクル―第3部 鳥刺し男編―(新潮文庫)
    完結
    1,045円 (税込)
    僕の考えていることが本当に正しいかどうか、わからない。でもこの場所にいる僕はそれに勝たなくてはならない。これは僕にとっての戦争なのだ。「今度はどこにも逃げないよ」と僕はクミコに言った。「僕は君を連れて帰る」僕はグラスを下に置き、毛糸の帽子を頭にかぶり、脚にはさんでいたバットを手に取った。そしてゆっくりとドアに向かった。(本文より)

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ねじまき鳥クロニクル―第1部 泥棒かささぎ編―(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ※第1〜3部の感想をまとめて
    色んな人が主人公のもとを訪れて、色んな不思議な話をしていく。クロニクル(年代記)というタイトルだけれど、彼らが語る体験談だったり、夢のような抽象的な話だったり、何らかに対する考察だったりは時系列的に並べられてはいない。
    この小説を読むのももう何度目かわからない。今回は舞

    0
    2024年02月19日

    Posted by ブクログ

    おもしろかったー。
    様々な要素が絡んでいてとても複雑だったけど、展開が楽しみでどうなっていくのかドキドキしながらページをめくる箇所もちらほらあり、引き込まれた。
    加納マルタ、クレタ、コルシカ、赤坂ナツメグ、シナモン、ネーミングセンスがまた絶妙。
    騎士団長殺しに繋がるなー、という印象だった。

    0
    2023年08月05日

    Posted by ブクログ

    新作が出るたびに過去作も読んで来たが本作が最後の大物と言えるだろう、また著者の最高傑作との誉れもある、出始めは著者らしい不思議な世界への誘いを感じたが最終章はハードなものだった、ロシア人やモンゴル人は決して信じてはいけない人種だと感じた、物語は主人公の岡田が知り合った人物のクロニクルを紹介するような

    0
    2023年07月06日

    Posted by ブクログ

    面白い。全部面白いのよ。
    女子高生のメイ、この子良いよね。まつたけうめ。
    クミコ兄は嫌なヤツ過ぎだろって思ったけど、同じ名前猫につけるはなぜかしら。
    加納マルタとクレタ。マルタの行動力ハンパないね。何考えてるか分からんけど、自分の芯通してるところはすごい。クレタの過去は悲惨過ぎ。
    最後に間宮の長い話

    0
    2023年06月02日

    購入済み

    読み返す本

    村上作品は、自分のコンディション、世代ごとに何度読んでも違った味が出る。
    作品自体が面白いのもあるし、読み手の自分のそのときの状況がすごく影響する。
    不思議な作品。

    0
    2023年01月01日

    Posted by ブクログ

    ノモンハン事件の話はグロかったけど、臨場感はホントにすごかった。
    まだカオスは感じていないし面白い。
    カフカは親の喪失、こっちは伴侶の喪失の物語だね。

    0
    2022年11月29日

    Posted by ブクログ

    読む度に感想が変わり、読む程に面白くなっていく。
    村上春樹の統合小説でいえば、どちらかといえば初期作品になる。それゆえ若干の粗さのようなものがあるが、その粗さが堪らなく良い。
    物語は壮大で、一体何に迫っているのか簡単には分からない。分かったつもりでも、次に読んだ時には全く別のものに変わってしまってい

    0
    2021年06月29日

    Posted by ブクログ

    『みみずくは黄昏に飛びたつ』を読んで、村上春樹に対するイメージが540度くらい変わっちゃった(←180度でもいいけどw)となると、まー、なんでもいいから、村上春樹を読んでみたくなるわけだ。

    『ふくろうは黄昏に飛びたつ』wの感想でも書いたけど、村上春樹は、例の『1Q84』が出た時のバカ騒ぎが全然わか

    0
    2024年05月01日

    Posted by ブクログ

    56冊目『ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編』(村上春樹 著、1997年10月 初版、2010年4月 改版、新潮社)
    90年代の村上春樹を代表する『ねじまき鳥』3部作の第1作。失業中の主人公を中心に、奇妙な人物や事象が渦を巻くように現れては消えてゆく。
    「ノモンハン事件」という実在の戦

    0
    2024年04月22日

    Posted by ブクログ

    どうしてこんなに村上春樹の文ってすっと入ってくるのだろう。
    文を味わった。
    2、3部も楽しみ。
    一部の終わり方の気持ちよさ。

    0
    2024年04月10日

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