ラルーナ作品一覧
-
4.5
-
3.5
-
4.3組織犯罪対策課いわゆるマル暴の刑事、三宅大輔と、その情報源である大滝組のインテリヤクザ、田辺恂二。ただの利害関係から始まり長年にわたって肉体関係を続けてきた二人だが、ついに田辺が大滝組を離れることによって本当の恋人同士となった。そんな彼らの愛の軌跡をたどる小さなエピソードの数々――。恋人になって初めてのクリスマス。大輔の希望で田辺のマンションで過ごすことにした二人。残業を早めに切り上げた大輔は、帰り際に同僚からあるものを渡され…。(「ベルベット・クリスマス」)多忙で半月も会えなかった大輔から「明日休みがもらえたから飲みに行こう」とメッセージが…。その日は二月十四日。思わずにやける田辺だったが…。(「クルージング・ナイト」)友人夫婦から強引に誘われ海水浴に出かけた大輔だが、行ってみたらそれは合コンで…。仕方なく女の子と入った海の家にいたのは…田辺!?(「ビーチサイド・ベッドサイド」)オフの大輔と田辺。唯一無二でビターハッピーなラブ満載・短編集第一弾!
-
4.5
-
4.2
-
4.6学生時代、家族にゲイであることがばれ、以来、周囲の理解を得られぬまま偽りの生活を送ってきた圭。そんな彼に転機が訪れた。総合電機メーカー・サミーに就職して三年目、ニューヨークにあるアメリカ本社への一年半の駐在だ。自由の国そして最先端の街…ここでなら自分の性的指向を偽ることなく新しい恋に出会える。期待を胸に渡米した圭だったが…。上司のアダム・ヘイワードは大層なイケメン、引き抜きで入ってきた仕事のできる男だが、いかんせんストイックで愛想がない。だが、圭はそんなアダムとも交流をもちたいと積極的に声をかけランチを共にするようになった。やがてニューヨーク生活も充実してきたある晩のこと、初めてゲイバーを訪れた圭は帰り際数人の男たちに囲まれてしまう。レイプされる!…恐怖に慄く圭を助けてくれたのはたまたま通りかかったアダムだった。彼は茫然とする圭を己の部屋に連れていき一晩泊めてくれて…。
-
3.0ルヴァンヌ王国第三王子で五歳のリュカは、ちょっとしたことですぐにかんしゃくを起こし行儀作法も知らない問題児。持て余した国王から、友好国であるベルーサ王国で一年間遊学し見識を広めてくるようにと命じられてしまった。そんなリュカの従者に選ばれたのは厳格な寄宿学校を出て教師を目指していた、いとこに当たる青年・レネ。二人は海を渡り、「太陽と海の国」と呼ばれるベルーサ王国の王宮で貴賓として世話になることになった。世話係は第二王子のアレッサンドロ――褐色の肌と豊かな黒髪、野性的な美を放つ彼は気さくで少々破天荒なところがあり、いきなり二人を港町に案内するという王族らしくない振る舞いも。だが気遣いもできる男で、リュカが周囲と馴染めるよう頑張るレネを傍でしっかり支えてくれたりもする。こうして初めはレネ以外とは打ち解けず反抗的だったリュカも少しずつ王太子の子どもたちと仲良くなっていき、それとともにアレッサンドロとレネの距離も近づいて…。
-
4.7
-
4.6
-
-現世を邪な気から守る異世界、『鏡界』。そこへ召喚され、四獣の霊体を身に宿した四人の王たちと契り、『麒麟』を産む器になる運命をもつ少年・小夜。獣王たちのやさしさに触れ、小夜は少しずつ身も心も委ねてゆく……。務めを重ねていく中で、いずれ一人を伴侶として選ばなければならないことに心が揺れはじめる小夜。そんな時、小夜たちの運命を変えるさらなる試練が舞い込んでくる――。 異世界に召喚された少年・小夜と四人の獣王が紡ぐ、異世界求婚ファンタジー!! (この作品はラルーナ文庫『四獣王の花嫁』(発行:シーラボ)を分冊、再編集しコミックノベル化したものです。)
-
4.5
-
4.5
-
4.0
-
3.0
-
3.3
-
3.0同盟継続のため、隣国エスパニルの王太子アロンソのもとへ嫁いだフロレンス王国のオメガ王子ユベール。前代未聞の政略婚から五か月――想いが通じ合ってから初めての発情期を迎えたユベールはついにうなじを噛まれ、二人は真の番となった。ところが、そんな幸せのさなかの二人のもとへ、フロレンス国王が病に倒れ国が存亡の機に瀕しているという知らせが届く。これまで虐げられてきた民衆が現王太子トリスタンの王位継承に反対して一斉蜂起しているという。人々が望んでいるのはユベールが母国に戻り王位に就くこと。だが、ユベールはエスパニル王太子の后の身。フロレンスの王になれば愛するアロンソと一緒に暮らすことが叶わなくなってしまう。母国を思う気持ちと愛しい伴侶への想いの板挟みで苦悩するユベールに、アロンソは「二人で最善の道を探そう」と言ってくれて……。
-
4.0
-
3.2
-
5.0
-
5.0
-
5.0
-
5.0
-
4.8
-
3.9
-
2.0理想のイケメンとの恋のチャンスを夢見て東京での就職を決めた一穂。しかしある日、用水路で溺れている女の子を助けてそのまま水の中へ引き込まれ…気づくとそこは、最近ハマっているアドベンチャーゲーム、アストラムリンクによく似た異世界だった。だがゲームのような武器もなく魔法も使えない。ドラゴンの攻撃を受け困り果てていると、そこへ好みど真ん中の逞しい身体つきの美形が現れて助けてくれる。彼の名はミカ、魔王討伐を目指す冒険者だった。一穂は記憶がないと嘘をつき、ゲームで使っていた名前アインを名乗って、彼に誘われるまましばらく一緒に冒険の旅を続けることになった。フレンドリーな性格のミカとの旅――時にはドキドキするような接触もあったりして、一穂が恋に落ちないはずがない。そんななか、一穂は次第に頭痛に襲われては「世界を滅ぼせ」という声が流れ込んでくることが多くなっていき……。
-
5.0獣人族の家系、時信家の孫息子・勇佑は、人狼の母が人間との間にもうけたハーフだ。母亡きあと叔父の秋人とそのパートナーの古書店主・蓮見に愛情いっぱいに育てられてきた。そんな勇佑も十三歳になり、北海道の大自然の中に建つ全寮制のフィリス学園に入学した。ここは人狼のみが入れる六年生の学園で英国のパブリックスクールをモデルとし、公用語は英語、外国からの人狼も多かった。入学式で勇佑は懐かしい相手と再会する。小学校の途中で転校し以来、音信不通となっていた親友の劉生だ。すっかり大人びた雰囲気の劉生に、まだ幼さの残る勇佑はドギマギするばかり。二人は偶然にも寄宿舎で同室だった。入学して間もなく、学園では「ウルフ&ラビット」という新入生歓迎の催しが開かれることに。それは広大な森の中、ウルフ役の上級生がラビット役の新入生を探して追いかけ、捕まった生徒は七日間、相手の世話係をするというもの。劉生とともに逃げ惑う勇佑を、なにかと噂のある上級生が狙っていて…。
-
4.2
-
3.3
-
5.0子供の頃からの夢を叶え、結婚に関するあらゆることを総合的にプロデュースする会社『ラブライフ・ブライダル・カンパニー』に就職した朝陽だが、配属された先は第三事業部、通称メンズブライダル部――男性の同性婚を扱う部署だった。まだ立ち上がったばかりで社内での風当たりも強く、いつ潰されるかわからない。とはいえ今は有名ブロガーで動画配信者のカリスマ美容師YOUがパートナーとの挙式をオファーしており、この案件が成功すれば風向きも変わるはず。朝陽は部署を牽引する弱冠34歳の辣腕部長、実相寺圭のもと一人前のブライダルプランナー目指して厳しく鍛え上げられていく。いつしか彼への憧れ、尊敬、畏れは少しずつ別な感情へと姿を変えていき…。そんな折、朝陽が不用意に発したひと言が、気まぐれでプライドの高いYOUの機嫌を損ね、挙式がキャンセルされてしまい…。
-
4.5肥沃な大地をもつ大国グランデール王国のオメガ王子、アールことアルフレートと、小国ながら魔法使いの末裔が住むランデンブルク王国のアルファ王子、ライことエルンスト――紆余曲折を経て二人が結婚してから四年が過ぎた。二人の間には三歳の双子の男の子を筆頭に、総勢六人の子どもたちがいる。そんな幸せいっぱいの二人だったが、ある日一番上の双子ジュールとデュールが強い魔法の力を受け継いでいることがわかり、その魔法教育をめぐって初めて言い争いをしてしまう。そうして自己嫌悪に陥ったアールが思わず、いっそ猫になりたい…と呟いたものだから大変。こっそりそれを聞いていたジュールとデュールが、願いを叶えてあげようとアールを猫の姿に変えてしまったのだ。この魔法を解くにはライがある決断をせねばならず…。愛と魔法のミラクル★オメガバース、ふたたび♪
-
4.7
-
-
-
3.8
-
4.4
-
-「負けたら相手の言うことを聞く」…全てはひとつの賭けから始まった。――飲料メーカーに勤める二十七歳の三枝太一は、途中入社で入ってきたドイツ系ハーフの山田恭一郎に営業トップの座を奪われ、猛然と闘志を燃やしていた。そんな山田から新規開拓先の企画で勝負を挑まれ負けてしまった太一。約束通り、恭一郎の指定したホテルの一室に向かったのだが…なぜか押し倒され…翻弄され…気づくと飛行機の中で…。着いたところはアルプスの麓の小国、リーツェンベルク王国。なんと恭一郎はこの国の王位第一継承者、すなわち王子様だった! 自分を支えてくれる側近のひとりになってほしくて、一目惚れした太一を拉致してしまったと言う恭一郎ことフランツ王子。やり方はあまりに強引だったが、恭一郎の真摯で熱い思いに心打たれ、太一は彼とともに『国を動かす』という、この突拍子もない壮大な仕事に懸けてみようと決意するのだが…。
-
4.6大手の電気通信会社でカスタマーサービスを担当する浅田智紀は、かつて自身の性的嗜好が原因で失態を犯した経験があり、以来、人間関係や恋愛に関してはひどく臆病になっていた。体だけの関係ならたくさん相手はいたが、本気の恋愛は怖い――。だが、同じ部署の上司・芹澤には密かに恋心を抱き始めてもいた。スーツの似合う逞しい体躯に加え、心を落ち着かせてくれるソフトな口調。しかし彼がノンケであることは間違いなく、見ているだけでいいと心に決め、芽生えた想いに蓋をして日々過ごしていた。そんな浅田のスマホには毎日何通も何通もひっきりなしにメッセージが届く。脅迫にも近いそれは、浅田の昔の同僚からの嫌がらせだった。周囲に動揺を気づかれまいと取り繕う浅田だったが、会社の創業祭でその男が目の前に現れて…。解けない縛めに翻弄される浅田とそんな部下への思いがけない感情に戸惑う芹澤――絡み合う感情の行方は…。
-
4.3水道パーツメーカーに勤める佐々木圭輔は車で山道を走行中、突然現れた怪しい光にさらわれて、異世界――デュナン王国――に移動していた。二百年前、初代国王が異世界からきた大賢者とともに作った、国を守る魔石を使い果たし、再び魔石を作るため、強い魔力をもつ異界人を召喚したのだ。 ところが調べてみると、圭輔は魔力ゼロのオメガであると判明、役立たずの上に元の世界にも帰れない、いきなり詰んだ状態に。 美しく逞しく強大な魔力をもつアルファの国王ブライアンに、圭輔は「保護してほしい」と訴え、なんとか王様の『着替え係』の仕事と王宮の一室を与えられた。こうして圭輔の異世界生活がはじまったが、初めてのヒートがやってきて……。
-
4.8女性向けタウン誌の編集者、五十嵐律は二十九歳。独身だが、彼には十四歳になる息子の縁がいる。――オメガである律は中学三年で縁を産んだ。放課後の学校で起きた、初めての発情。居合わせたアルファの友人と見知らぬベータの生徒ふたりに犯され…。それ以来、アルファを、そしてアルファの理性を狂わすおのれの身体を嫌悪するようになった律だが、皮肉なことにそうして生まれた縁もオメガで…。思春期を迎えた縁が自分と同じ道を辿るのではないかと過剰に心配しては、彼とぶつかる日々。そんなある日のこと。律は、弱冠三十一歳でイベント会社を経営するやり手社長、栗原聡一朗を取材することになった。『若くて見目がよくて仕事のできる』典型的なアルファの栗原に、つい辛辣な態度をとってしまう律だったが、逆に栗原はそんな律を面白がりプライベートにまで踏み込んでこようとする。栗原の真っ直ぐな口説きに、頑なな律の心も少しずつほどけていき…。
-
4.9県警の組織犯罪対策課、通称マル暴の刑事、三宅大輔とその情報源のインテリヤクザ、田辺恂二。田辺の兄貴分である大滝組若頭補佐・岩下周平の情報と引き換えに始まった肉体関係はすでに七年近く続いていた。そんなある日、大輔は、岩下の『男嫁』佐和紀と交わした約束を果たすため、田辺を伴って数年ぶりにひとり暮らしの母のもとを訪れる。二人で母親に挨拶に行け――それが佐和紀の出した条件。だが「恋人宣言」などできるはずもなく、田辺を友人として紹介する大輔で…。その夜、実家近くの老舗ホテルに泊まった二人。酔いつぶれた大輔が眠ったあと、田辺はひとり彼の実家へと赴き、離婚の原因は自分が大輔に横恋慕したからだと母親に告げる。――刑事とヤクザ…いつの間にか恋愛感情が生まれ、ケジメをつけないといけないものになりつつある関係の、その行き着く先は…?
-
3.8エミリオは下級貴族アンドリューズ男爵家の長男で、オメガである。美人な努力家だがオメガに似つかわしくない怪力&大食いで、それが原因でサザーランド侯爵家長男・ダミアンから婚約破棄されてしまった。貴族社会では、オメガは未だに「跡継ぎを作るための道具」扱い。中でも男のオメガは特に需要がなく、婚約破棄されたら一生独身でいるか、聖職者になるくらいしか道はなかった。もう結婚は無理だな……と諦めていた矢先、この国の第一皇子ジャハンギールの花嫁コンペティションが開かれることを知る。ジャハンギールは才気煥発で文武両道。南国出身の側室オメガとの子なので皇位継承順位は二番目という噂だった。ちなみに花嫁の応募条件は「二十五歳までのオメガ(性別不問)」。どうせすぐに落ちるだろうと思っていたのだが、エミリオはなぜか一次の書類審査、二次の教養審査を突破し、三次審査の残り十人に選ばれてしまう。三次審査が行われる小城に逗留することになったエミリオだが、そこで風格ある美青年に出会い……。
-
3.5ホテルのブライダル部門でウェディングプランナーをしているオメガの直央は、同性婚プロモーションの一環として自分自身の挙式の予定が決まっていたのだが、直前になって婚約者にフラれてしまった。今さらできないとも言えず、傷心の中、焦った直央は相手を探すため大手の結婚相談所へ。さっそく「運命の番」と呼べるほど相性がピッタリの人物とマッチングしたのはいいが、その相手はなんとヤクザ、しかも組長である。断ろうとする直央だったが、先方からどうしてもと希望が入りお見合いをすることに。お見合い当日、なぜか子連れで現れた男、大志――見た目は強面だが、話してみれば傲岸不遜なところは微塵もなく誠実であたたかな人柄のアルファ。正直に事情を話した直央に、大志はホテルでの結婚式の相手役を約束してくれた。その代わりに組屋敷で将来の姐さんとして花嫁修業をしてほしいという条件を出され、直央は『部屋住みの契約結婚』をすることになり…。
-
4.3独身アラフォー刑事の中居和樹は、ある晩行きつけの飲み屋『酒処サナエ』でひとりの青年と出逢った。優と名乗ったその彼は、まるでうさぎのような丸い双眸が可愛い、純朴そうな、だがどこかミステリアスな一面もある二十七歳。再びサナエで出逢い、今まで男相手に感じたことのない、恋心のような胸の高まりを優に覚えてしまい戸惑う和樹だったが、いつしか仕事帰りに優の部屋に寄り彼に手料理を振る舞ってもらうという、ほのかに甘い関係になっていた。そうしてついに身体でも結ばれ、二人は恋人同士として付き合っていくことになったのだが…。そんな折、和樹が追っている殺人事件でも進展があった。殺された男は、同性愛者の男性たちに強請を働く極悪非道な輩だったことがわかってきた。やがて被害者の携帯電話の通話記録が開示されて…。
-
-
-
4.4
-
4.7
-
4.7
-
4.0よりよい遺伝子を残そうとWGO(世界遺伝子機構日本事務局)が『運命の番』をマッチングできるようになって十年。中学時代のオメガ差別がきっかけで引きこもりになってしまった大里彰のもとに、「私が君の運命の番です」とゲノム証明書とともにやってきたのは、イケメン・アルファのWGOエージェント、堺宗一郎だった。宗一郎は己の立場を利用し、マッチングが正式に執行される前にやってきたのだという。目的はもちろん、番である彰の社会復帰支援。こうして押しかけ女房と化した宗一郎によって彰は就職活動の手助けを受け、少しずつまっとうな人間になり始める。そんなある日、急な発情に見舞われた彰は本能のままに宗一郎に抱かれてしまった。以来、情熱的な夜を分かち合う二人だったが、不思議なことに、宗一郎は『愛咬』の儀式をしない。それに『運命の番』特有の強烈なフェロモンが感じられないのだ。それからまもなく彰は思いがけない真相を知ることに…。
-
4.5二十歳の佳はオメガ。初めて迎えた発情期に兄から襲われそうになり、家庭での居場所も失ってしまったため、「自分の身は自分で守るしかない」と高校卒業後すぐに家を出た。コンビニでバイトをしながら一人暮らしを始めた佳だったが、粗暴でけんかっぱやい性格が災いしてクビに。おまけにアパートまで追い出されてしまい、思い余ってマッチングアプリを使い『ウリ』をしてみたのだが…。そこで出会ったのはなんと超がつく御曹司、名門・扇家の令息でグループ企業の社長を務めるアルファの麟哉だった。てっきり警察へ通報されるかと思いきや、麟哉から『婚約者のふりをするアルバイト』をしないかと持ちかけられた佳は、健気で不憫なオメガを演じながら、麟哉の豪邸で至れり尽くせりの同居生活を送ることになった。だが、本当の番になりたいと言い自分を大切にしてくれる麟哉に、真の姿をさらすことができず、次第に佳は心苦しくなっていき…。
-
4.9
-
4.7
-
5.0
-
4.4漫画家を目指しながらデザイン事務所の契約社員として働く水谷千里。生まれつき重度の難聴のため引きこもりがちな千里だったが、SNSに投稿した犬が主人公の漫画が人気になり書籍化の話が進んでいた。だが出版社の都合でそれが中止に。落ち込む千里を慰め元気づけてくれたのは、SNSを通じて知り合った浪間はじめというプロの小説家だった。会社員と作家という二足の草鞋を履く浪間は、悩みがちな千里をいつも温かく励ましてくれる心の拠り所だ。そんな浪間から『オフ会をしませんか』という誘いのメールが…。耳が聴こえないことを告げていなかったため初めは躊躇したが思い切って会ってみると、浪間は想像以上に魅力的でスーツの似合うオトナな男性だった。何度かオフ会を重ねるうち、気づけば千里は初めての恋に落ちていた。そんなある日、たまたま訪れた横浜の街で千里は浪間の意外な姿を見かけてしまう……。
-
-忌むべきオメガだからと幼い頃、森の中に捨てられたリオン。野獣族の王子ユリアスに保護され森の国で育てられたリオンが、やがて一族にかけられていた呪いを解き、愛するユリアスの伴侶となってから五年ほどの月日が経った。二人の間に生まれたリュドも今はもう四歳。彼らは森の国の城で穏やかに暮らしながら、人の国との交流や交易に努めていた。そんなある日のこと。人の国の長・ユサが亡くなったので速やかに協議をしたいとの知らせが……。ユリアスが人の国の城に駆けつけると、そこには新しく長となった男、ランスがおり「森の国との交易を直ちに取りやめる」と居丈高に告げられた。怪しげな頭巾を被り、尊大な態度で「野獣族は嫌いだ」と言い放つ一方でなぜかリオンや息子のリュドに興味を示す、このランスという男の正体は、そして真意はいったいなんなのか。不信感を覚えながらもユリアスは、リオンとリュドを伴って再度城を訪れるが……。
-
4.0高校の同窓会で十年ぶりに再会した一成。あの頃と変わらない華のある男前、人なつこい笑顔、そして突然抱きしめられて—――純也の心は揺れる。高校時代、二人は付き合いキスまで進んだ仲だった。だが一成に想いを寄せる少女が放った鋭いひとことがきっかけで、ストレートの彼を自分の性癖に引きずり込むことに罪悪感を覚えた純也は一方的に別れを告げてしまったのだ。そんな純也は同窓会のさなか、一成が半年後に結婚すると知った。これでやっと十年間の恋に終止符が打てるという気持ちの一方で、一成を繋ぎ止めておきたい思いが膨らみ、純也はつい「僕はあと半年しか生きられないらしいんだ」と、とんでもない嘘をついてしまう。一成が結婚するまでの間、一緒に暮らしたい…純也のそんな願いを聞き入れてくれた一成との同居生活が始まった。嘘と幸せが隣り合わせの日々…やがてそれは思いがけない結末を迎えることに。
-
4.0佐々倉ハルは大学を出て二年目のひよっこ保育士。小柄で童顔なせいか園児のみならずママたちからも人気がある。そんなハルの密かな楽しみは、三歳児の生野ひなたくんのパパ、直哉さんと送迎の折に交わす小さな会話。均整の取れた長身、シルバーフレームの眼鏡が似合う涼やかな顔立ちの彼はまさにデキる男の見本のようなシングルファーザー。ゲイのハルにとって見ているだけで心が潤う憧れの人だ。ところがある日、友人に連れられ新しい出会いを求めてやってきた店で、ハルは『週末にしか顔を出さない超カッコいい噂の遊び人』ことナオに偶然出会って我が目を疑った。なんとそれはいつもの姿とかけ離れたセクシー全開の直哉さんだったのだ。「俺のものになる? ハル先生」――驚くハルをキスと愛撫で翻弄する直哉さんは一体何者? 園児の父親とのイケない関係…でも転がりだした心はとまらず…。やがてハルは生野父子の複雑な事情を知ることに…。
-
3.8
-
-大正七年。大戦の景気に乗って急成長した嬉野紡績に勤める久瀬は英語の能力を買われ、社長である嬉野子爵の個人的な通訳の仕事を引き受けることになった。訪れた子爵の瀟洒な館。そこで久瀬は跡継ぎのひとり息子・圭一と出会った。18歳はとうに過ぎているはずなのに、どこか幼く少年めいた不思議な魅力で久瀬の心を捉える圭一。いつしか圭一に乞われるまま、久瀬は足繁く館を訪れるようになっていた。それから二年。凋落は突然やってきた。嬉野紡績が倒産。子爵は自害し館も人手に渡って…。そんなある日のこと。久瀬の長屋に、行方知れずとなっていた圭一が…。躊躇うことなく久瀬は圭一を迎え入れ二人の同居生活が始まった。だが圭一のもつ魔性の色香に、娼館・蔭華楼の「蛇」こと佐伯も気づいていて…。妄執のミステリアス大正浪漫。
-
-誰もが恐れる狂月会の行動隊長チョン・ヒョンジン。 だが本当は猫とロマンス映画が大好きで涙もろい。 そんなヒョンジンにとって目の上のタンコブは、上位組織・赤花派の実質的トップ、ハン・コヌだ。 ロシア人の血を引くコヌはその美貌とカリスマ性で、兄と共にソウルのヤクザ組織の頂点に君臨していた。 幼い頃から常にコヌと比較され、劣等感に苛まれてきたヒョンジンだったが…。 ある日、謎の女占い師からもらった「自分の望むものになれる」という薬を飲んだ翌朝、目覚めるとなんとコヌの体になっていた! 一方、コヌの体はヒョンジンのものになっていて……。薬の効果は十四日間。 互いの体が入れ替わってしまった天敵どうし、周囲にばれないよう仕方なくコヌの家で同居するはめに……。 大嫌いな『アイツ』になってみると意外なことが見えてきて……。
-
-
-
4.0大手カルチャースクールで水彩画教室の講師を務める高塢青海は、日本画の大家を祖父に、世界的な版画家を父にもつ身でありながら、まだまだ売れない駆け出しの画家。ある日、青海は勤め先の廊下で出会い頭に、白い杖を携えた美貌の男性――能楽鑑賞講座の講師・葛城冬馬とぶつかってしまう。偶然にも冬馬は青海が長年憧れ続けた、祖父の屏風絵のモデルとなった人。名門葛城流の御曹司だったが、三年前、病で視力を失って舞台を諦め、今は自宅で謡の教室を開いているという冬馬の身の上を聞いた青海は早速、謡を習うという名目で彼のもとへ通うようになった。年上の冬馬への一目惚れに近い想い…迸る熱い気持ちを抑えることができず、ついに冬馬を抱いてしまった青海。だが、青海を受け入れた冬馬の心はどこか分厚いバリヤーに覆われていて…。そんな折、冬馬に舞台復帰の願いがあることを知った青海は…。夢追う画家と舞を忘れた能楽師――胸打つ愛。
-
-親に反対されながらも舞台俳優、それもブロードウェイの舞台に立つようなミュージカル俳優を目指している大学生の高須慎。彼の原点は十二歳の時に観た『ミュージカル版ハムレット』――すらりとした長身、朗々と歌い上げる声、そしてアメジスト色の瞳。主役を演じたフランツ・エールスベルク、その存在のすべてに圧倒され魅了されてしまった慎は以来、舞台俳優を目指し日々努力を続けていた。そんなある日、慎がバイトをしているバーにフランツが打合せのため訪れるという情報が……。なんとかして接触の機会を得ようと試みる慎だったが、その策略をフランツに見破られ、『退屈しのぎ』に弄ばれてしまう。憧れの帝王、フランツに己の熱い情熱をぶつけることは叶ったものの力不足を思い知らされた慎。再会を約して一年後、ニューヨークへと向かうが……。
-
-アダルトショップのバイト店員、カン・ボムはゲイでマゾという性癖の持ち主。 高校の時、先輩に告白して手酷くフラれた結果、みんなにゲイだとバレてしまい、親兄弟にも見放され家出、以来、家族との連絡を絶っていた。 そんなトラウマを抱え、いまだ童貞のボムの心の支えは年老いた飼い犬ボケナスだけだ。 生意気で言葉づかいも乱暴なボムだが、なぜか最近、モテキ到来。 社長のイ・ジュヨンからいきなりコクられたかと思えば、常連客のAV俳優、チョン・ソックンには酔った勢いでついに初体験を奪われた。 もう一人の常連客、人気ホスト、キム・ソンジンも急接近、一方で変態高校生からつきまとわれたり…と、 周囲がこぞってボムのことをかまいまくって、なんだか疲れることばかり。 そんなある日、八年ぶりに兄から電話があり、両親の事故死を告げられ……。
-
2.8片田舎の街酒場でダンサーをしているアルヴィは、色白痩身で中性的な美貌が色気を醸し出している人気ナンバーワンのオメガだ。発情期間近のある日、抑制剤を飲んで店に出ていたのだが、そこへアルファと思しき獣人二人がやってくる。 一気にフェロモンがあふれ発情してしまうアルヴィ。急いで森の中の小屋に逃げこんだが、追ってきた一人の獣人と体を繋げてしまう。アルヴィは首筋を噛まれ強引に番にされてしまい…目覚めると一人取り残されていた。それから半年、尻尾と耳のある赤子・イザークを密かに産み落とした。そんなアルヴィのもとへ隣国クサンドラの王室から使者が現れ、城へと連れ去られてしまう。驚いたことに、アルヴィが一夜の関係を持った相手はクサンドラ王・ブルーノだったのだ。ブルーノはアルヴィこそが長年探していた『運命の番』であり、いずれは己の妃にすると言うのだが…。異種間の上に身分違い――アルヴィは懊悩して…。
-
4.3アルファとオメガの番である医師の香月と心理カウンセラーの千晶、そして二人の間に生まれた真尋と美智瑠の兄妹――両親から虐待を受けていたオメガの瑠佳は、八歳の時に同級生の真尋に助けられ、そんな香月家に引き取られた。それから十年、修道会のフリースクールに通いながら幸せに暮らしてきた瑠佳だったが、まもなくヒートを迎える年齢が迫ってきたある日、一つの決断をする。それは香月家を出て修道院に入ること。瑠佳にとって常に自分を守ってくれる真尋は唯一無二の愛しいひと。だがアルファとしてこれから社会のトップに立っていく真尋のそばに自分がいてはいけない。愛する香月家の皆の重荷になってはいけない。悩む瑠佳だが、そんな折、偶然にも真尋の出生の秘密を知ってしまい衝撃を受けて……。真尋と瑠佳――若すぎる二人のピュアな恋の行きつく先は……?
-
-アルファの医師・香月とオメガの心理カウンセラーの千晶、二人の間に生まれたアルファの真尋とベータの美智瑠の兄妹――オメガの瑠佳は八歳の時にこの香月家に引き取られ、以来十年間、家族として暮らしてきたが、一年ほど前ついに真尋と番の絆を結ぶに至った。今は二人は同じ大学の二年生。大学近くのマンションで一人暮らしをする法学部の真尋のもとを、通信制で心理学を学ぶ実家暮らしの瑠佳がスクーリングのたびに訪れ、甘い逢瀬を楽しむという日々を送っている。香月家の養子ではあるが籍は入っていない瑠佳なので、真尋としては一日も早く二人で一緒に住みたい、そしていずれは両親のように入籍を…と考えているのだが、瑠佳の方は煮え切らない。というのも、二人の関係を知らない、まだ十三歳の美智瑠が家でただ一人のベータであるがゆえに疎外感を覚えてしまうのではないかと危惧しているのだ。そんな折、突然美智瑠がバレエの海外留学をしたいと言いだした。唐突な申し出に戸惑う家族たち。そして、悩みを抱える瑠佳の前に現れたのは…。
-
4.3
-
4.3
-
-大戦の影響で好景気が続く大正時代半ば。不動産業を営む榎本は工場建設用地である山奥の森を訪れた折、ひっそりと佇む祠を見つけた。ほんの好奇心からその中を覗いた榎本が目にしたものは、ひとり絵を描く美しい青年の姿。抜けるように白い肌、肩まで届く銀色の髪、そして鮮やかな赤い瞳。弓弦と名乗る、この世ならざる美貌の青年に誘われるまま、榎本は彼と体を繋げてしまう。あどけない笑顔や言動とは裏腹に、弓弦の体は熟れた果実のように甘く蕩け、榎本を底なしの快楽へと導く。弓弦を東京に連れ帰り、自分だけのものにしたい――制御できない灼けつくような想い。共同経営者の塩崎の困惑をよそに、弓弦を己の邸に住まわせることにした榎本。弓弦への執着は次第に常軌を逸したものになっていき……。妖しく艶めく大正エキセントリック浪漫。
-
5.0
-
-ヴィオンがカルセニア王国第四王子エリアス付きの侍従となって六年が過ぎた。エリアスは二十二歳だが、見た目も中身も幼くまるで永遠の少年――公務にも就かず離宮でひっそりと暮らす『王家のお荷物』だ。この六年間、ヴィオンは一日中エリアスの相手をして過ごし、そしてエリアスが遅い性の目覚めを迎えてからはその性処理までも手伝うようになっていた。募る虚しさを紛らわすように深夜、城を抜け出しては男漁りをするようになったヴィオンはある晩、南方の国ファインハルスから来たという精悍な男とめくるめくひと時を過ごしたあと、ほんのいたずら心で自分はこの国の第四王子であると告げる。ところがそれからほどなくして、エリアスに縁談が舞い込んだ。相手はファインハルス王国第三王子のバルドゥル――なんとあの夜のヴィオンの行きずりの相手だった。こうしてヴィオンは、輿入れする主君エリアスとともにバルドゥルの城へ行くことになったが…。
-
5.0かねてより希望していたインターネット広告会社、デリングルートへの中途入社が決まり、すべては順風満帆に思えた長身イケメン営業マン、龍田歩だったが…たった一つ問題が…。それは七歳年上の直属の上司、伊地知慶介との「過去」――伊地知は龍田の中学時代の家庭教師。母子家庭で寂しい思いをしてきた龍田にとって兄のような優しい存在…それが伊地知だった。だが、そんな伊地知が実はゲイで自分に恋心を抱いていることを知った龍田は衝動的に彼を辱めた挙げ句、一方的にクビにしてしまったのだ。以来、会うこともなく十年以上が経ってしまった二人――上司と部下として再会した入社初日。潔く過去を謝罪した龍田を伊地知はあっけないほど快く受け入れてくれ、このまま良好な関係が築けそうにみえたのだが……。ゲイとノンケ…押したり引いたり、もどかしい駆け引きラブバトル。
-
4.0
-
4.7代々とある旧家の執事を務めてきた鈴本家に生まれ、自分も一流の執事を目指している理央。仕えてきた当主も執事だった父も亡くなってしまった今、理央は選りすぐりのPA――プライベート・アシスト、すなわち秘書兼執事の派遣会社・ディーナに就職し、まずはPAとなるための研修を受けることに…。そうして向かった先は美しいイングリッシュ・ガーデンで有名な洋館<四香邸>。理央を迎えたのは八頭身の逞しい身体に亜麻色の髪、透き通ったウォーターブルーの瞳…美貌の元英国執事アラン・ブラッドレイ――ディーナの教育係だった。小柄で些か頼りない執事志願者、理央はここ四香邸で約ひと月、アランとともに暮らしながら厳しいレッスンを受けることになるのだが…。何事も身体で覚えなければ身につかない…がモットーのアランから、早々に熱いキスの洗礼を浴びる羽目に…。果たして理央は無事、卒業試験をクリアして一人前のPAとなれるのか…?
-
2.0
-
4.3歯科技工士の陸はある朝、取引先の歯科医院の院長夫人に刺され……。気づけば、まるでファンタジーゲームのような異世界にいた。そこは剣と魔法が存在し、時折魔物が人々を襲う中世ヨーロッパ風の国。守護騎士のエドが剣の精霊を召喚する儀式を行って現れたのが陸だったのだ。剣の姿を取ってみてくれと言われるが、もちろん陸にはそんな変身はできず困惑するばかり。儀式のやり直しを求める声もあるなかエドだけは陸をかばってくれ、しばらく生活を共にすることになった。すると不思議なことに陸は普通の食事では満足が得られず、エドと触れあったり口づけたりすることで腹が満たされることに気づく。エドとの絆を深めることこそが剣の精霊である陸に必要な力であるらしい。そんな折、陸はエドの口利きで鍛冶工房に顔を出すようになり、そこで最強の剣を作る工程を学ぶことに…。果たして陸はエドの剣になれるのか!?
-
2.0
-
4.0
-
-音大の大学院生・松岡雅路は指の故障もあり、ピアニストになる夢をあきらめるべきか留学するべきか進路に悩んでいた。そんな折、憧れのピアニスト霧島浩輔のサロンコンサートに行くことに。そこは旧華族所有の由緒ある洋館・蓮水館の音楽室。霧島の演奏に聞き惚れていた雅路だったが、突然中庭の木に雷が落ち、意識を失った……。そうして目覚めると、雅路は大正十二年の蓮水館――蓮水伯爵のお屋敷にタイムスリップしていた。当主の蓮水浩輔はまだ学生だが、どことなく霧島に似た端整な面立ちの凜とした青年だった。記憶障害で行くあてもないと偽った雅路を、浩輔は己の下僕として雇ってくれた。やがてピアノの腕を買われ、浩輔の腹違いの弟にピアノを教えるようにもなった雅路は、次第にここが自分の知っている大正時代とは少し違った世界であること、そして浩輔にも何か秘密があることに気づいて……。
-
-『猫になりたい』が口癖の三十路間近のしがない会社員、浅野俊はある晩、バーで隣り合った男から「君、仕事を辞めて僕の飼い猫にならないか?」と持ちかけられる。男の名は鶴澤智彦、小説家だ。最近愛猫を亡くして仕事に不調をきたしている智彦はDomで、今まで猫で発散していたひたすら甘やかしたいという欲求が叶えられるなら相手はNeutralの俊で構わないという。表向きは家政夫だが、家事も一切やらなくていいし居場所さえ特定できれば出かけるのも自由、衣食住も保証され、もちろんセックスもなしというずっと夢見てきたような生活――そんなうまい話があるか、と疑う反面、なぜか抗いがたい誘惑に俊は承諾してしまう。こうして智彦の飼い猫として一緒に暮らすようになった俊。今まで感じていた体調の悪さもなくなって全て順風満帆かと思いきや……。 究極の愛のかたち…溺愛のDom/Subユニバース!
-
5.0民俗学専攻の大学生・明良は山奥にある大賀美村へやってきていた。そこは狼男伝説の残る村。昔は狼の牙で作った矢で嫁選びをしていたという大賀美神社の祭り、「福矢」の儀式を卒論のテーマに選んだ明良は、昨年訪れた祭りで一目惚れをした美貌の禰宜・玲から村の伝承について話を聞く約束をしていたのだ。だが逗留二日目、一人で森を散策していた明良はうっかり立入禁止の「奥の院」と呼ばれる洞窟の中に迷い込み、花嫁候補だけが触ることを許されている鏃を手にしてしまう。するとなぜか鏃は眩い光を放ち…。“鏃を光らせた者が犬神の花嫁になる”という伝承を思い出し慌てた明良は降りしきる雨の中、完全に森で迷子となってしまった。実は明良はオメガ因子を抱える身。数時間ごとに予防薬を飲まないと、オメガ症候群を発症してしまう恐れがあった。そして救出に駆けつけてくれた玲の姿を目にしたとたん、明良の身体に異変が…。
-
4.3小国エルスーリアンは隣国からの干渉を阻むため、軍事大国である獣人国オイラッドと同盟を結ぶことになった。その条件として提示されたのが、王子をひとりオイラッドに送り、向こうの王子と義兄弟の契りを結ぶ…というもの。こうしてエルスーリアン第三王子のジェレミアは侍従エーリクとともにオイラッドへと赴くことに。だが、ジェレミアは幼い頃、野良犬に襲われたことがあり犬が大の苦手。狼に似た獣人が暮らすこの国でうまくやっていくことができるのだろうか…と不安でたまらない。出迎えてくれたのは第三王子オドゥと第四王子ムング――礼儀正しく理性的なオドゥ、そして押しが強く子供っぽいムング。どちらも勇敢で優れた戦士だという。さっそく執り行われた両国の同盟締結の調印式の後、国王から二人のうちのどちらかを選んで契るように言われ、己はただの人質だと思っていたジェレミアはこれが婚姻であったことを知り、ひどく戸惑うのだが…。
-
4.5
-
-「おまえが傷つくくらいなら、俺が血を流す」 24世紀半ばのTOKYO。不老不死の呪いをかけられ千年以上を生きてきた天才薬剤調合師、千早。 吸血人豹一族の白い異端児、セルリアはその千早を餌に選び、彼の血液以外を受けつけない体質になってしまう。 ある日、異能者たちの秘密組織「ルース」の主宰ギメルから、AMERICAの邸でのバカンスに誘われるも、その滞在先で次々とアクシデントに巻き込まれて…。 ※本書は紙書籍『憂える白豹と、愛憎を秘めた男~天国へはまだ遠い~』(ラルーナ文庫 発行:シーラボ)に番外編『相変わらずな僕ら』を追加収録した電子書籍版です。
-
4.0
-
3.0
-
4.3
-
-
-
3.5下賤の身ゆえに村の男衆の性処理に使われ、稚い蕾を散らされそうになった兎族の少年ひらり。逃げ出して山道をさまよい崖から真っ逆さまに…。気づくと、ひらりは狼神・青嵐が治める大口真神の国にいた。なんと、青嵐の『運命の許嫁』として愛染明王に選ばれ、天道界に召喚されたのだった。精悍な顔立ちに逞しい体躯、豪胆で常に民を想う、そんな旦那様・青嵐に守られながら八年が過ぎ、ひらりは成人した。早く子を成して正真正銘の夫婦にならなければ…。そう思うのだが、幼い頃に辛い思いをしたひらりには、果たして生まれてくる子を愛し育てることができるのか…自信がない。それに青嵐は一度もひらりに「愛している」と口にしたことがない。もしかして、愛染明王が決めた仲だからそばに置いているだけ…? 不安と愛情の狭間で揺れるひらり。そんな折、青嵐とともに近隣の国を外遊することになり…。
-
4.0