BL - ラルーナ作品一覧
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-オメガの、オメガによる、オメガのための喫茶店。通称――オメガ喫茶――。 上司からの度重なるセクハラ、モラハラ、オメハラが原因で会社を辞めた榎坂玲音が、オメガ喫茶「清流」で働きはじめてひと月。優しい清水店長と三人の従業員仲間、そして店長の弟、アルファの泰斗との出会いは榎坂の運命を大きく変えた。作詞作曲をこなすプロミュージシャンでボカロPの泰斗は、榎坂こそがずっと探していた歌い手E/Knоwだとわかると、強引に自分専用の歌い手にしてしまった。それから、紆余曲折の末、榎坂は泰斗と結ばれ番となった。そんな折、榎坂はレコード会社のプロデューサー・守屋からデビューの誘いを受ける。清流での仕事の傍ら、守屋との打ち合わせやボイトレ、そして引っ越し…と忙しいさなかに泰斗と過ごす甘いひと時――。ところがそんな幸せいっぱいな榎坂の前にトリプル・ハラスメントの元上司・坂井が現れ、狂気じみた執着を見せてきて……。
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3.0オメガの、オメガによる、オメガのための喫茶店。通称――オメガ喫茶――。 そこは、店長の清水が作った、客も従業員もオメガだけという、オメガのための癒しの場所だ。そのオメガ喫茶のバイト募集に応募した榎坂玲音は、たび重なるオメガ・ハラスメントにあった末に会社を辞めたばかり。癒し系の店長のもと、個性あふれる三人のスタッフとともに榎坂の新しい生活が始まる。そのオメガ喫茶に、唯一の例外として出入りするアルファの男がいた。店長の弟の泰斗だ。彼は、作詞作曲もこなすプロミュージシャンかつボカロPの北斗として活動中。そんな泰斗は動画サイトで正体不明の謎の歌い手――E/Knоwの歌声に惚れ込み、「俺のディーヴァ」と呼んで捜し求めていた。実は、榎坂こそE/Knоwだった。互いの正体を知らず、オメガ喫茶で出会ったふたり。ひょんなことから泰斗がE/Knоwの正体を知ることとなり…。
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-「ランベルト,僕の騎士,お前は僕の聖域だ」――豊かな自然に恵まれ,昔から魔術がごく自然に根づいているエンデル王国。第一王子のユージアは,精霊と交信できる力を持っているがゆえに十歳から城の中に幽閉され,自国の未来などを精霊たちから聞く役割を担わされてきた。国王は精霊の言葉に頼り切り,己で政治を行うことすら放棄している始末だ。だが精霊との交信儀式では特殊なお香が使用され,その副作用は心身共に疲弊するものだった。そんなある日のこと,ユージアの食事に毒が盛られるという事件が起こった。ユージアを失うことを恐れた国王は,国一番の騎士団の団長ランベルトを専属護衛として息子につけた。精霊王子となる前の幼い頃から憧れの存在であった,凜々しく逞しい騎士ランベルトがつきっきりで護衛をしてくれる。長い間,孤独に苛まれていたユージアの胸に初めて甘い思いが芽生えていき――。
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4.8女性向けタウン誌の編集者、五十嵐律は二十九歳。独身だが、彼には十四歳になる息子の縁がいる。――オメガである律は中学三年で縁を産んだ。放課後の学校で起きた、初めての発情。居合わせたアルファの友人と見知らぬベータの生徒ふたりに犯され…。それ以来、アルファを、そしてアルファの理性を狂わすおのれの身体を嫌悪するようになった律だが、皮肉なことにそうして生まれた縁もオメガで…。思春期を迎えた縁が自分と同じ道を辿るのではないかと過剰に心配しては、彼とぶつかる日々。そんなある日のこと。律は、弱冠三十一歳でイベント会社を経営するやり手社長、栗原聡一朗を取材することになった。『若くて見目がよくて仕事のできる』典型的なアルファの栗原に、つい辛辣な態度をとってしまう律だったが、逆に栗原はそんな律を面白がりプライベートにまで踏み込んでこようとする。栗原の真っ直ぐな口説きに、頑なな律の心も少しずつほどけていき…。
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-大戦の影響で好景気が続く大正時代半ば。不動産業を営む榎本は工場建設用地である山奥の森を訪れた折、ひっそりと佇む祠を見つけた。ほんの好奇心からその中を覗いた榎本が目にしたものは、ひとり絵を描く美しい青年の姿。抜けるように白い肌、肩まで届く銀色の髪、そして鮮やかな赤い瞳。弓弦と名乗る、この世ならざる美貌の青年に誘われるまま、榎本は彼と体を繋げてしまう。あどけない笑顔や言動とは裏腹に、弓弦の体は熟れた果実のように甘く蕩け、榎本を底なしの快楽へと導く。弓弦を東京に連れ帰り、自分だけのものにしたい――制御できない灼けつくような想い。共同経営者の塩崎の困惑をよそに、弓弦を己の邸に住まわせることにした榎本。弓弦への執着は次第に常軌を逸したものになっていき……。妖しく艶めく大正エキセントリック浪漫。
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3.0「子供の面倒を見てほしい…」――大学生の翼のもとへ突然現れたのは、姉・蒼空とかけおちしたはずの会社員・遙人、そして五歳になる息子・栄。蒼空に逃げられた挙げ句、栄を押しつけられた遙人は天涯孤独の身ゆえ、どうすればいいかわからず翼を頼ってきたのだ。幼いながら人に迷惑をかけまいと気遣う栄のいじらしい姿に翼は断ることもできず、遙人のマンションで住込み家政夫のバイトをすることに。だが、遙人は残業を理由に毎晩遅く帰宅し、食事も一緒にとらない有様で、「お父さんは僕を嫌いなの」と泣く栄。ついにブチ切れた翼に遙人が明かしたのは、栄は蒼空が不倫して出来た子…という真実だった。遙人を本当の父と思っている栄を見捨てることはできない。なら、俺たち三人で家族になろうよ――翼の提案で、ぎこちないけれど楽しい家族ごっこが始まった。ところがそんなある日、栄の実の父から連絡が…。
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-小さな本屋を営む真一は、ある日、助けを求めて店に飛び込んできた貴族風の出で立ちの美しい青年キャルを家に置いてやることに。彼は異世界に暮らす侯爵の息子で、お家騒動のさなかに騙されてこちらの世界に来てしまったというのだが…。それから一週間、キャルがこの世界に迷い込んだという廃墟の地下廊下を一緒に抜けてみると…なんとそこは見知らぬ世界――戻るに戻れなくなった真一は、今度はキャルの住んでいた異世界で暮らすことになった。ここは獣に変身できる獣人を頂点とした身分制度で成り立っていて、キャルは狼獣人の侯爵家嫡男なのだが人間とのハーフのせいか二十歳になっても獣姿がとれず出来損ない扱いされていた。貴族社会の煩わしさを嫌い跡を継ぐ気はないと公言しているキャルだったが、なぜか再びお家騒動の渦中に…。そして彼のおかかえ魔導士に扮した真一は散々な目に遭いながらも、いつの間にか彼の婚約者にされてしまって…。
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4.0秋月紫苑は,外食産業の大手・秋月カンパニー経営者の第一子。だがオメガであることを理由に虐げられ,屋敷で家政婦のようにこき使われていた。両親に甘やかされて育ったアルファの妹・凛音には,事あるごとに罵倒され見下される始末。そんな紫苑の楽しみは,裏庭の離れでお茶を点てること。亡き祖母との思い出が詰まった離れで過ごすことが,唯一心休まる時間だった。そんなある日,秋月カンパニー主催の企業交流会パーティーのため,紫苑は一人屋敷の留守番を言いつけられる。家族がいない間に久しぶりの休暇を……と心踊らせながら茶道具の準備をする紫苑だったが,そこへ一人の青年――九条蒼牙がやってくる。超有名企業グループの御曹司である彼は,パーティー会場をうっかり間違えて秋月邸を訪れてしまったらしい。アルファの雰囲気を醸し出しつつもどこか飄々とした蒼牙に,紫苑は「運命の番」のトキメキを感じてしまうのだが……。
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4.5二十歳の佳はオメガ。初めて迎えた発情期に兄から襲われそうになり、家庭での居場所も失ってしまったため、「自分の身は自分で守るしかない」と高校卒業後すぐに家を出た。コンビニでバイトをしながら一人暮らしを始めた佳だったが、粗暴でけんかっぱやい性格が災いしてクビに。おまけにアパートまで追い出されてしまい、思い余ってマッチングアプリを使い『ウリ』をしてみたのだが…。そこで出会ったのはなんと超がつく御曹司、名門・扇家の令息でグループ企業の社長を務めるアルファの麟哉だった。てっきり警察へ通報されるかと思いきや、麟哉から『婚約者のふりをするアルバイト』をしないかと持ちかけられた佳は、健気で不憫なオメガを演じながら、麟哉の豪邸で至れり尽くせりの同居生活を送ることになった。だが、本当の番になりたいと言い自分を大切にしてくれる麟哉に、真の姿をさらすことができず、次第に佳は心苦しくなっていき…。
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-忌むべきオメガだからと幼い頃、森の中に捨てられたリオン。野獣族の王子ユリアスに保護され森の国で育てられたリオンが、やがて一族にかけられていた呪いを解き、愛するユリアスの伴侶となってから五年ほどの月日が経った。二人の間に生まれたリュドも今はもう四歳。彼らは森の国の城で穏やかに暮らしながら、人の国との交流や交易に努めていた。そんなある日のこと。人の国の長・ユサが亡くなったので速やかに協議をしたいとの知らせが……。ユリアスが人の国の城に駆けつけると、そこには新しく長となった男、ランスがおり「森の国との交易を直ちに取りやめる」と居丈高に告げられた。怪しげな頭巾を被り、尊大な態度で「野獣族は嫌いだ」と言い放つ一方でなぜかリオンや息子のリュドに興味を示す、このランスという男の正体は、そして真意はいったいなんなのか。不信感を覚えながらもユリアスは、リオンとリュドを伴って再度城を訪れるが……。
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4.3水道パーツメーカーに勤める佐々木圭輔は車で山道を走行中、突然現れた怪しい光にさらわれて、異世界――デュナン王国――に移動していた。二百年前、初代国王が異世界からきた大賢者とともに作った、国を守る魔石を使い果たし、再び魔石を作るため、強い魔力をもつ異界人を召喚したのだ。 ところが調べてみると、圭輔は魔力ゼロのオメガであると判明、役立たずの上に元の世界にも帰れない、いきなり詰んだ状態に。 美しく逞しく強大な魔力をもつアルファの国王ブライアンに、圭輔は「保護してほしい」と訴え、なんとか王様の『着替え係』の仕事と王宮の一室を与えられた。こうして圭輔の異世界生活がはじまったが、初めてのヒートがやってきて……。
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4.8組対の若手刑事の弱みを握れと兄貴分から命じられ強姦したことから始まった、大滝組のインテリヤクザ・田辺恂二とマル暴デカ・三宅大輔の関係。情報源のヤクザと刑事…という利害関係はいつしか崩れ、いまでは恋人同士となったふたりだが…。自分のせいで大輔が傷つくことを懸念した田辺は大滝組を脱退し、組長のひとり息子でありながらカタギの投資家・悠護のもとへ行くことを決めた。一方、そのことをまだ知らない大輔は、逆に田辺を守ろうと自分が警察を辞めることを考えていた。最終結論を出すために田辺と旅に出た大輔。行く先は別れた嫁・倫子のところだった。四年前、クスリに溺れ破滅寸前だった倫子も再婚し、一児の母となっている。その暮らしぶりを確認してけじめをつけたい…そう考えた大輔だったが…。大輔と田辺――ふたりが下した決断とは果たして…? シリーズ第二部終了!
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3.0はるか昔より人間の運命を分けてきた三つの因子――アルファ、ベータ、オメガ。ベータへの変換手術が普及し激減したオメガだったが、その稀少価値ゆえに逆に人身売買が多発。警察は闇の犯罪組織撲滅のため専門の部署、通称GF機関を立ち上げた。警官学校をトップの成績で卒業した新米警官の夏琉はそのGF機関に配属され、検挙率ナンバーワンを誇るエリートアルファ刑事・唐立の下につくことになった。実は夏琉は公的職種に就くことが禁止されているオメガ。かつて集団拉致事件に巻き込まれた折、当時新人だった唐立に助けられ、以来彼への憧れを捨てきれずオメガであることを隠して警察官の道へ進んだのだ。あれから7年を経た今、精悍さと冷徹さの増した唐立とともに早速極秘の捜査に向かう夏琉。危険な綱渡りの日々の中、ついに予想外の発情期という絶体絶命の事態が…。
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5.0広陵台総合医療センターで研修中の外科医・庵野定近は、スピードモンスターの異名を持つ五歳年上の指導医――江崎良から目の敵にされていた。二年前、ボストンのメディカルセンターからこの病院にやってきた江崎は、その美しい見た目に反して、オペ室では恐ろしいほど冷徹で定近に対する指導も厳しいものだった。ところがある夜、公園でひとり涙を流す江崎の姿を見てしまう。意外な一面に心がざわつく定近だったが、そんな時、江崎から一緒に暮らす四歳の甥っ子・創哉のために期間限定で「キャラ弁」を作ってくれないかと頼まれる。驚く定近だったが、この日から天才外科医の江崎と、ドクトル・ロートというヒーローをこよなく愛する可愛い創哉との楽しい交流が始まる。やがて定近は、江崎の不器用な性格や秘められた過去を知り、己に芽生えた恋心を自覚することになるが……。
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4.8骨董商・深山凌と、資産家・塔眞一族の三男、貴砺――その運命の出逢いから二年。初めこそ手籠め、そして監禁といういささか物騒なものではあったが、今では凌が貴砺の花嫁であることは一族の間でも周知の事実。なのに未だ己の前で乱れた姿を見せない凌に、もっともっと甘えてほしいと心密かに切望している貴砺は、ちょうど満開となった庭の桜を応接室から花見するという宴の計画を思いつく。凌を酔わせてメロメロにする…という貴砺の企ては果たして…? 表題作ほか、貴砺の第一秘書・王月林と塔眞邸の警備隊隊長・石動舜のツンデレ側近カップルが繰り広げるドSとドМの密室コメディ「王とわんこのワンダフル!」など4作品を収録。(注:「王とわんこのワンダフル!」は『花嫁は遊色に魅せられる』の裏話につきネタバレにご注意ください)
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4.3ここはどこなんだろう――克己は、気づくと見知らぬ商店街を何かから逃げるように必死に歩いていた。自分は無事希望の大学に合格し、卒業を待つばかりの高校三年生のはず。だが交番に保護された克己が知ったのは驚くべき事実――八ヶ月もの間、自分が行方不明になっていたということ。失われた八ヶ月間の記憶。肌に散った無数のキスマークと身体の奥に残る甘い疼き。そして毎晩見る夢――ユキと名を呼びながら何かを探し求めて泣く自分。やがて克己は、日雇いで土木関係の仕事をしている蘇我という男と一緒に暮らしていたことを突きとめる。蘇我の甥・ユキとして暮らしていた自分…克己とは正反対の我が儘で甘えっ子で…でも街の人々に、そして蘇我に深く愛されて…。思い出したい、ユキであった自分を、幸福な時を。「身体に聞いてほしい」――克己は蘇我のもとを訪れ懇願するが…。本編の他、後日談の「明日の寄り道」も収録。
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-大正七年。大戦の景気に乗って急成長した嬉野紡績に勤める久瀬は英語の能力を買われ、社長である嬉野子爵の個人的な通訳の仕事を引き受けることになった。訪れた子爵の瀟洒な館。そこで久瀬は跡継ぎのひとり息子・圭一と出会った。18歳はとうに過ぎているはずなのに、どこか幼く少年めいた不思議な魅力で久瀬の心を捉える圭一。いつしか圭一に乞われるまま、久瀬は足繁く館を訪れるようになっていた。それから二年。凋落は突然やってきた。嬉野紡績が倒産。子爵は自害し館も人手に渡って…。そんなある日のこと。久瀬の長屋に、行方知れずとなっていた圭一が…。躊躇うことなく久瀬は圭一を迎え入れ二人の同居生活が始まった。だが圭一のもつ魔性の色香に、娼館・蔭華楼の「蛇」こと佐伯も気づいていて…。妄執のミステリアス大正浪漫。
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-誰もが恐れる狂月会の行動隊長チョン・ヒョンジン。 だが本当は猫とロマンス映画が大好きで涙もろい。 そんなヒョンジンにとって目の上のタンコブは、上位組織・赤花派の実質的トップ、ハン・コヌだ。 ロシア人の血を引くコヌはその美貌とカリスマ性で、兄と共にソウルのヤクザ組織の頂点に君臨していた。 幼い頃から常にコヌと比較され、劣等感に苛まれてきたヒョンジンだったが…。 ある日、謎の女占い師からもらった「自分の望むものになれる」という薬を飲んだ翌朝、目覚めるとなんとコヌの体になっていた! 一方、コヌの体はヒョンジンのものになっていて……。薬の効果は十四日間。 互いの体が入れ替わってしまった天敵どうし、周囲にばれないよう仕方なくコヌの家で同居するはめに……。 大嫌いな『アイツ』になってみると意外なことが見えてきて……。
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4.0大手カルチャースクールで水彩画教室の講師を務める高塢青海は、日本画の大家を祖父に、世界的な版画家を父にもつ身でありながら、まだまだ売れない駆け出しの画家。ある日、青海は勤め先の廊下で出会い頭に、白い杖を携えた美貌の男性――能楽鑑賞講座の講師・葛城冬馬とぶつかってしまう。偶然にも冬馬は青海が長年憧れ続けた、祖父の屏風絵のモデルとなった人。名門葛城流の御曹司だったが、三年前、病で視力を失って舞台を諦め、今は自宅で謡の教室を開いているという冬馬の身の上を聞いた青海は早速、謡を習うという名目で彼のもとへ通うようになった。年上の冬馬への一目惚れに近い想い…迸る熱い気持ちを抑えることができず、ついに冬馬を抱いてしまった青海。だが、青海を受け入れた冬馬の心はどこか分厚いバリヤーに覆われていて…。そんな折、冬馬に舞台復帰の願いがあることを知った青海は…。夢追う画家と舞を忘れた能楽師――胸打つ愛。
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-親に反対されながらも舞台俳優、それもブロードウェイの舞台に立つようなミュージカル俳優を目指している大学生の高須慎。彼の原点は十二歳の時に観た『ミュージカル版ハムレット』――すらりとした長身、朗々と歌い上げる声、そしてアメジスト色の瞳。主役を演じたフランツ・エールスベルク、その存在のすべてに圧倒され魅了されてしまった慎は以来、舞台俳優を目指し日々努力を続けていた。そんなある日、慎がバイトをしているバーにフランツが打合せのため訪れるという情報が……。なんとかして接触の機会を得ようと試みる慎だったが、その策略をフランツに見破られ、『退屈しのぎ』に弄ばれてしまう。憧れの帝王、フランツに己の熱い情熱をぶつけることは叶ったものの力不足を思い知らされた慎。再会を約して一年後、ニューヨークへと向かうが……。
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-アダルトショップのバイト店員、カン・ボムはゲイでマゾという性癖の持ち主。 高校の時、先輩に告白して手酷くフラれた結果、みんなにゲイだとバレてしまい、親兄弟にも見放され家出、以来、家族との連絡を絶っていた。 そんなトラウマを抱え、いまだ童貞のボムの心の支えは年老いた飼い犬ボケナスだけだ。 生意気で言葉づかいも乱暴なボムだが、なぜか最近、モテキ到来。 社長のイ・ジュヨンからいきなりコクられたかと思えば、常連客のAV俳優、チョン・ソックンには酔った勢いでついに初体験を奪われた。 もう一人の常連客、人気ホスト、キム・ソンジンも急接近、一方で変態高校生からつきまとわれたり…と、 周囲がこぞってボムのことをかまいまくって、なんだか疲れることばかり。 そんなある日、八年ぶりに兄から電話があり、両親の事故死を告げられ……。
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2.8片田舎の街酒場でダンサーをしているアルヴィは、色白痩身で中性的な美貌が色気を醸し出している人気ナンバーワンのオメガだ。発情期間近のある日、抑制剤を飲んで店に出ていたのだが、そこへアルファと思しき獣人二人がやってくる。 一気にフェロモンがあふれ発情してしまうアルヴィ。急いで森の中の小屋に逃げこんだが、追ってきた一人の獣人と体を繋げてしまう。アルヴィは首筋を噛まれ強引に番にされてしまい…目覚めると一人取り残されていた。それから半年、尻尾と耳のある赤子・イザークを密かに産み落とした。そんなアルヴィのもとへ隣国クサンドラの王室から使者が現れ、城へと連れ去られてしまう。驚いたことに、アルヴィが一夜の関係を持った相手はクサンドラ王・ブルーノだったのだ。ブルーノはアルヴィこそが長年探していた『運命の番』であり、いずれは己の妃にすると言うのだが…。異種間の上に身分違い――アルヴィは懊悩して…。
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4.3アルファとオメガの番である医師の香月と心理カウンセラーの千晶、そして二人の間に生まれた真尋と美智瑠の兄妹――両親から虐待を受けていたオメガの瑠佳は、八歳の時に同級生の真尋に助けられ、そんな香月家に引き取られた。それから十年、修道会のフリースクールに通いながら幸せに暮らしてきた瑠佳だったが、まもなくヒートを迎える年齢が迫ってきたある日、一つの決断をする。それは香月家を出て修道院に入ること。瑠佳にとって常に自分を守ってくれる真尋は唯一無二の愛しいひと。だがアルファとしてこれから社会のトップに立っていく真尋のそばに自分がいてはいけない。愛する香月家の皆の重荷になってはいけない。悩む瑠佳だが、そんな折、偶然にも真尋の出生の秘密を知ってしまい衝撃を受けて……。真尋と瑠佳――若すぎる二人のピュアな恋の行きつく先は……?
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-アルファの医師・香月とオメガの心理カウンセラーの千晶、二人の間に生まれたアルファの真尋とベータの美智瑠の兄妹――オメガの瑠佳は八歳の時にこの香月家に引き取られ、以来十年間、家族として暮らしてきたが、一年ほど前ついに真尋と番の絆を結ぶに至った。今は二人は同じ大学の二年生。大学近くのマンションで一人暮らしをする法学部の真尋のもとを、通信制で心理学を学ぶ実家暮らしの瑠佳がスクーリングのたびに訪れ、甘い逢瀬を楽しむという日々を送っている。香月家の養子ではあるが籍は入っていない瑠佳なので、真尋としては一日も早く二人で一緒に住みたい、そしていずれは両親のように入籍を…と考えているのだが、瑠佳の方は煮え切らない。というのも、二人の関係を知らない、まだ十三歳の美智瑠が家でただ一人のベータであるがゆえに疎外感を覚えてしまうのではないかと危惧しているのだ。そんな折、突然美智瑠がバレエの海外留学をしたいと言いだした。唐突な申し出に戸惑う家族たち。そして、悩みを抱える瑠佳の前に現れたのは…。
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4.6大手の電気通信会社でカスタマーサービスを担当する浅田智紀は、かつて自身の性的嗜好が原因で失態を犯した経験があり、以来、人間関係や恋愛に関してはひどく臆病になっていた。体だけの関係ならたくさん相手はいたが、本気の恋愛は怖い――。だが、同じ部署の上司・芹澤には密かに恋心を抱き始めてもいた。スーツの似合う逞しい体躯に加え、心を落ち着かせてくれるソフトな口調。しかし彼がノンケであることは間違いなく、見ているだけでいいと心に決め、芽生えた想いに蓋をして日々過ごしていた。そんな浅田のスマホには毎日何通も何通もひっきりなしにメッセージが届く。脅迫にも近いそれは、浅田の昔の同僚からの嫌がらせだった。周囲に動揺を気づかれまいと取り繕う浅田だったが、会社の創業祭でその男が目の前に現れて…。解けない縛めに翻弄される浅田とそんな部下への思いがけない感情に戸惑う芹澤――絡み合う感情の行方は…。
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-ヴィオンがカルセニア王国第四王子エリアス付きの侍従となって六年が過ぎた。エリアスは二十二歳だが、見た目も中身も幼くまるで永遠の少年――公務にも就かず離宮でひっそりと暮らす『王家のお荷物』だ。この六年間、ヴィオンは一日中エリアスの相手をして過ごし、そしてエリアスが遅い性の目覚めを迎えてからはその性処理までも手伝うようになっていた。募る虚しさを紛らわすように深夜、城を抜け出しては男漁りをするようになったヴィオンはある晩、南方の国ファインハルスから来たという精悍な男とめくるめくひと時を過ごしたあと、ほんのいたずら心で自分はこの国の第四王子であると告げる。ところがそれからほどなくして、エリアスに縁談が舞い込んだ。相手はファインハルス王国第三王子のバルドゥル――なんとあの夜のヴィオンの行きずりの相手だった。こうしてヴィオンは、輿入れする主君エリアスとともにバルドゥルの城へ行くことになったが…。
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5.0かねてより希望していたインターネット広告会社、デリングルートへの中途入社が決まり、すべては順風満帆に思えた長身イケメン営業マン、龍田歩だったが…たった一つ問題が…。それは七歳年上の直属の上司、伊地知慶介との「過去」――伊地知は龍田の中学時代の家庭教師。母子家庭で寂しい思いをしてきた龍田にとって兄のような優しい存在…それが伊地知だった。だが、そんな伊地知が実はゲイで自分に恋心を抱いていることを知った龍田は衝動的に彼を辱めた挙げ句、一方的にクビにしてしまったのだ。以来、会うこともなく十年以上が経ってしまった二人――上司と部下として再会した入社初日。潔く過去を謝罪した龍田を伊地知はあっけないほど快く受け入れてくれ、このまま良好な関係が築けそうにみえたのだが……。ゲイとノンケ…押したり引いたり、もどかしい駆け引きラブバトル。
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4.7代々とある旧家の執事を務めてきた鈴本家に生まれ、自分も一流の執事を目指している理央。仕えてきた当主も執事だった父も亡くなってしまった今、理央は選りすぐりのPA――プライベート・アシスト、すなわち秘書兼執事の派遣会社・ディーナに就職し、まずはPAとなるための研修を受けることに…。そうして向かった先は美しいイングリッシュ・ガーデンで有名な洋館<四香邸>。理央を迎えたのは八頭身の逞しい身体に亜麻色の髪、透き通ったウォーターブルーの瞳…美貌の元英国執事アラン・ブラッドレイ――ディーナの教育係だった。小柄で些か頼りない執事志願者、理央はここ四香邸で約ひと月、アランとともに暮らしながら厳しいレッスンを受けることになるのだが…。何事も身体で覚えなければ身につかない…がモットーのアランから、早々に熱いキスの洗礼を浴びる羽目に…。果たして理央は無事、卒業試験をクリアして一人前のPAとなれるのか…?
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4.3歯科技工士の陸はある朝、取引先の歯科医院の院長夫人に刺され……。気づけば、まるでファンタジーゲームのような異世界にいた。そこは剣と魔法が存在し、時折魔物が人々を襲う中世ヨーロッパ風の国。守護騎士のエドが剣の精霊を召喚する儀式を行って現れたのが陸だったのだ。剣の姿を取ってみてくれと言われるが、もちろん陸にはそんな変身はできず困惑するばかり。儀式のやり直しを求める声もあるなかエドだけは陸をかばってくれ、しばらく生活を共にすることになった。すると不思議なことに陸は普通の食事では満足が得られず、エドと触れあったり口づけたりすることで腹が満たされることに気づく。エドとの絆を深めることこそが剣の精霊である陸に必要な力であるらしい。そんな折、陸はエドの口利きで鍛冶工房に顔を出すようになり、そこで最強の剣を作る工程を学ぶことに…。果たして陸はエドの剣になれるのか!?
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2.0理想のイケメンとの恋のチャンスを夢見て東京での就職を決めた一穂。しかしある日、用水路で溺れている女の子を助けてそのまま水の中へ引き込まれ…気づくとそこは、最近ハマっているアドベンチャーゲーム、アストラムリンクによく似た異世界だった。だがゲームのような武器もなく魔法も使えない。ドラゴンの攻撃を受け困り果てていると、そこへ好みど真ん中の逞しい身体つきの美形が現れて助けてくれる。彼の名はミカ、魔王討伐を目指す冒険者だった。一穂は記憶がないと嘘をつき、ゲームで使っていた名前アインを名乗って、彼に誘われるまましばらく一緒に冒険の旅を続けることになった。フレンドリーな性格のミカとの旅――時にはドキドキするような接触もあったりして、一穂が恋に落ちないはずがない。そんななか、一穂は次第に頭痛に襲われては「世界を滅ぼせ」という声が流れ込んでくることが多くなっていき……。
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-音大の大学院生・松岡雅路は指の故障もあり、ピアニストになる夢をあきらめるべきか留学するべきか進路に悩んでいた。そんな折、憧れのピアニスト霧島浩輔のサロンコンサートに行くことに。そこは旧華族所有の由緒ある洋館・蓮水館の音楽室。霧島の演奏に聞き惚れていた雅路だったが、突然中庭の木に雷が落ち、意識を失った……。そうして目覚めると、雅路は大正十二年の蓮水館――蓮水伯爵のお屋敷にタイムスリップしていた。当主の蓮水浩輔はまだ学生だが、どことなく霧島に似た端整な面立ちの凜とした青年だった。記憶障害で行くあてもないと偽った雅路を、浩輔は己の下僕として雇ってくれた。やがてピアノの腕を買われ、浩輔の腹違いの弟にピアノを教えるようにもなった雅路は、次第にここが自分の知っている大正時代とは少し違った世界であること、そして浩輔にも何か秘密があることに気づいて……。
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-『猫になりたい』が口癖の三十路間近のしがない会社員、浅野俊はある晩、バーで隣り合った男から「君、仕事を辞めて僕の飼い猫にならないか?」と持ちかけられる。男の名は鶴澤智彦、小説家だ。最近愛猫を亡くして仕事に不調をきたしている智彦はDomで、今まで猫で発散していたひたすら甘やかしたいという欲求が叶えられるなら相手はNeutralの俊で構わないという。表向きは家政夫だが、家事も一切やらなくていいし居場所さえ特定できれば出かけるのも自由、衣食住も保証され、もちろんセックスもなしというずっと夢見てきたような生活――そんなうまい話があるか、と疑う反面、なぜか抗いがたい誘惑に俊は承諾してしまう。こうして智彦の飼い猫として一緒に暮らすようになった俊。今まで感じていた体調の悪さもなくなって全て順風満帆かと思いきや……。 究極の愛のかたち…溺愛のDom/Subユニバース!
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5.0民俗学専攻の大学生・明良は山奥にある大賀美村へやってきていた。そこは狼男伝説の残る村。昔は狼の牙で作った矢で嫁選びをしていたという大賀美神社の祭り、「福矢」の儀式を卒論のテーマに選んだ明良は、昨年訪れた祭りで一目惚れをした美貌の禰宜・玲から村の伝承について話を聞く約束をしていたのだ。だが逗留二日目、一人で森を散策していた明良はうっかり立入禁止の「奥の院」と呼ばれる洞窟の中に迷い込み、花嫁候補だけが触ることを許されている鏃を手にしてしまう。するとなぜか鏃は眩い光を放ち…。“鏃を光らせた者が犬神の花嫁になる”という伝承を思い出し慌てた明良は降りしきる雨の中、完全に森で迷子となってしまった。実は明良はオメガ因子を抱える身。数時間ごとに予防薬を飲まないと、オメガ症候群を発症してしまう恐れがあった。そして救出に駆けつけてくれた玲の姿を目にしたとたん、明良の身体に異変が…。
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4.3小国エルスーリアンは隣国からの干渉を阻むため、軍事大国である獣人国オイラッドと同盟を結ぶことになった。その条件として提示されたのが、王子をひとりオイラッドに送り、向こうの王子と義兄弟の契りを結ぶ…というもの。こうしてエルスーリアン第三王子のジェレミアは侍従エーリクとともにオイラッドへと赴くことに。だが、ジェレミアは幼い頃、野良犬に襲われたことがあり犬が大の苦手。狼に似た獣人が暮らすこの国でうまくやっていくことができるのだろうか…と不安でたまらない。出迎えてくれたのは第三王子オドゥと第四王子ムング――礼儀正しく理性的なオドゥ、そして押しが強く子供っぽいムング。どちらも勇敢で優れた戦士だという。さっそく執り行われた両国の同盟締結の調印式の後、国王から二人のうちのどちらかを選んで契るように言われ、己はただの人質だと思っていたジェレミアはこれが婚姻であったことを知り、ひどく戸惑うのだが…。
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5.0子供の頃からの夢を叶え、結婚に関するあらゆることを総合的にプロデュースする会社『ラブライフ・ブライダル・カンパニー』に就職した朝陽だが、配属された先は第三事業部、通称メンズブライダル部――男性の同性婚を扱う部署だった。まだ立ち上がったばかりで社内での風当たりも強く、いつ潰されるかわからない。とはいえ今は有名ブロガーで動画配信者のカリスマ美容師YOUがパートナーとの挙式をオファーしており、この案件が成功すれば風向きも変わるはず。朝陽は部署を牽引する弱冠34歳の辣腕部長、実相寺圭のもと一人前のブライダルプランナー目指して厳しく鍛え上げられていく。いつしか彼への憧れ、尊敬、畏れは少しずつ別な感情へと姿を変えていき…。そんな折、朝陽が不用意に発したひと言が、気まぐれでプライドの高いYOUの機嫌を損ね、挙式がキャンセルされてしまい…。
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-「おまえが傷つくくらいなら、俺が血を流す」 24世紀半ばのTOKYO。不老不死の呪いをかけられ千年以上を生きてきた天才薬剤調合師、千早。 吸血人豹一族の白い異端児、セルリアはその千早を餌に選び、彼の血液以外を受けつけない体質になってしまう。 ある日、異能者たちの秘密組織「ルース」の主宰ギメルから、AMERICAの邸でのバカンスに誘われるも、その滞在先で次々とアクシデントに巻き込まれて…。 ※本書は紙書籍『憂える白豹と、愛憎を秘めた男~天国へはまだ遠い~』(ラルーナ文庫 発行:シーラボ)に番外編『相変わらずな僕ら』を追加収録した電子書籍版です。
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4.0高校の同窓会で十年ぶりに再会した一成。あの頃と変わらない華のある男前、人なつこい笑顔、そして突然抱きしめられて—――純也の心は揺れる。高校時代、二人は付き合いキスまで進んだ仲だった。だが一成に想いを寄せる少女が放った鋭いひとことがきっかけで、ストレートの彼を自分の性癖に引きずり込むことに罪悪感を覚えた純也は一方的に別れを告げてしまったのだ。そんな純也は同窓会のさなか、一成が半年後に結婚すると知った。これでやっと十年間の恋に終止符が打てるという気持ちの一方で、一成を繋ぎ止めておきたい思いが膨らみ、純也はつい「僕はあと半年しか生きられないらしいんだ」と、とんでもない嘘をついてしまう。一成が結婚するまでの間、一緒に暮らしたい…純也のそんな願いを聞き入れてくれた一成との同居生活が始まった。嘘と幸せが隣り合わせの日々…やがてそれは思いがけない結末を迎えることに。
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3.0同盟継続のため、隣国エスパニルの王太子アロンソのもとへ嫁いだフロレンス王国のオメガ王子ユベール。前代未聞の政略婚から五か月――想いが通じ合ってから初めての発情期を迎えたユベールはついにうなじを噛まれ、二人は真の番となった。ところが、そんな幸せのさなかの二人のもとへ、フロレンス国王が病に倒れ国が存亡の機に瀕しているという知らせが届く。これまで虐げられてきた民衆が現王太子トリスタンの王位継承に反対して一斉蜂起しているという。人々が望んでいるのはユベールが母国に戻り王位に就くこと。だが、ユベールはエスパニル王太子の后の身。フロレンスの王になれば愛するアロンソと一緒に暮らすことが叶わなくなってしまう。母国を思う気持ちと愛しい伴侶への想いの板挟みで苦悩するユベールに、アロンソは「二人で最善の道を探そう」と言ってくれて……。
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3.5下賤の身ゆえに村の男衆の性処理に使われ、稚い蕾を散らされそうになった兎族の少年ひらり。逃げ出して山道をさまよい崖から真っ逆さまに…。気づくと、ひらりは狼神・青嵐が治める大口真神の国にいた。なんと、青嵐の『運命の許嫁』として愛染明王に選ばれ、天道界に召喚されたのだった。精悍な顔立ちに逞しい体躯、豪胆で常に民を想う、そんな旦那様・青嵐に守られながら八年が過ぎ、ひらりは成人した。早く子を成して正真正銘の夫婦にならなければ…。そう思うのだが、幼い頃に辛い思いをしたひらりには、果たして生まれてくる子を愛し育てることができるのか…自信がない。それに青嵐は一度もひらりに「愛している」と口にしたことがない。もしかして、愛染明王が決めた仲だからそばに置いているだけ…? 不安と愛情の狭間で揺れるひらり。そんな折、青嵐とともに近隣の国を外遊することになり…。
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-夜な夜な芸者に化けては客である男を誘惑し精気を食らって生きている、妖狐の紺。でも化けるのが下手で、いつも肝心な時に耳と尻尾が生えた姿に戻ってしまい失敗続き。そんなある晩、料亭に呼ばれた紺と姉さんたちの妖狐芸者一同。ここしばらく精力を得られていない紺にとって今夜はまさに生死の分かれ目。無愛想で寡黙なエリート会社員・松崎を獲物に定めた紺は料亭を出た松崎に言い寄り、なんとか精気を得ようと画策するのだが…。目覚めるとなぜか松崎家のベッドの上。すっかり変化も解け、開き直って己の窮状を訴える紺に、松崎は一歳になる息子・日向の面倒を見てくれるならいくらでも精気を注いでやる…と交換条件を出す。こうして家政婦兼ベビーシッターとなった紺だったが…。クールなシングルファザーと半人前の妖狐、そしてちっちゃな暴れん坊。ファンタジックで胸きゅんなハートウォーミング異種間ラブ♪
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