株式会社シーラボ作品一覧
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-瑠依は最先端の技術を駆使して作られた愛玩用アンドロイド――いわゆるセクサロイドだ。現在のご主人は大富豪の竜前寺剛三。瑠依にとっては父親のような存在でもある、そんな剛三ももう九十二歳。自分の死期が近いことを覚った剛三は、心優しく甘えん坊な瑠依のために新しい主人を見つけて譲り渡そうとするが、瑠依は最後まで剛三のそばを離れたくないと言う。それに、屋敷には瑠依の大好きな庭師の岸野隆平もいた。幼い頃にこの屋敷に引き取られてきた隆平は、絵本も読めない瑠依に字を教えてくれた初めての『友だち』。今ではすっかり凛々しい青年になっていて…彼といると、感情などないはずなのに瑠依はなぜか人間のようにドキドキしてくるのだ。やがて、屋敷の使用人たちも次々に巣立っていき、寂しくなった屋敷で最後のクリスマスの日が迫る。剛三のためにプレゼントを用意しようと思い立った瑠依は、こっそり屋敷を抜け出し街へと出かけるのだが…。
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4.0
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4.6大手の電気通信会社でカスタマーサービスを担当する浅田智紀は、かつて自身の性的嗜好が原因で失態を犯した経験があり、以来、人間関係や恋愛に関してはひどく臆病になっていた。体だけの関係ならたくさん相手はいたが、本気の恋愛は怖い――。だが、同じ部署の上司・芹澤には密かに恋心を抱き始めてもいた。スーツの似合う逞しい体躯に加え、心を落ち着かせてくれるソフトな口調。しかし彼がノンケであることは間違いなく、見ているだけでいいと心に決め、芽生えた想いに蓋をして日々過ごしていた。そんな浅田のスマホには毎日何通も何通もひっきりなしにメッセージが届く。脅迫にも近いそれは、浅田の昔の同僚からの嫌がらせだった。周囲に動揺を気づかれまいと取り繕う浅田だったが、会社の創業祭でその男が目の前に現れて…。解けない縛めに翻弄される浅田とそんな部下への思いがけない感情に戸惑う芹澤――絡み合う感情の行方は…。
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4.0大企業の御曹司として育てられた時臣は、常にアルファとして理想の姿を求められ続けてきた。そんな『完璧なアルファ』を演じつつも、素の自分を受け入れてくれる誰かを夢見ていた時臣は、ある日、とあるバーで乱暴されそうになっていた店員――オメガの大和と出逢う。時臣が助けたことで警察沙汰となり大和はバーを首になってしまったが、彼のことがどうしても忘れられない時臣は、その素性を調べて小さな劇団の役者であることを突き止める。偶然を装い大和と接触した時臣。その夜、大和を家に泊めることになったが、彼は身体はオメガだが性自認はベータという“トランスバース”だった。オメガのフェロモンを垂れ流しながらも時臣に抱かれることを拒み、時臣もまたバース性に縛られたくないという己の本性を暴いてくれる彼に共鳴し、抱かれることを選ぶ。こうして二人が同居を始めて一ヶ月、突然家に両親がやってきて時臣は大和を紹介することになるのだが…。異色のオメガ×アルファBL!!
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4.5
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-放牧と交易を営みながら砂漠に生きる民――アミールはその一族の族長の三男、血気盛んな青年である。ある日シャーマンの神託により、アミールの双子の妹アーヤが『荒野の魔人』の生け贄の花嫁に選ばれる。アーヤが幼馴染みのサイードに恋していることを知っているアミールは、自らが身代わりとなることを決意し、結婚式前夜にアーヤと入れ替わると花嫁になりすまして魔人が棲むという荒れ地の洞窟をくぐった。するとそこに広がっていたのは常春の楽園。やがて現れた魔人ジャラール――尖った耳、オパールのような髪と紫の瞳をもつ白い肌の大男は、アミールが男であると知っても花嫁の義務を果たせと押し倒し、その肌を貪った。ジャラールに敵愾心を抱きながらも、昼間は穏やかな彼の姿と美しい花園の宮殿の生活の中で次第にアミールの思いは変わっていく。しかし魔人ジャラールにはある秘密があるようで……。 人外(魔人)×褐色の身代わり花嫁。偽りから始まる官能の千夜一夜。
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3.0二十歳の新人美容師、丞は転落事故で頭部を強打し記憶障害に陥ってしまった。それも退行性の記憶障害のため、ここ四年間の記憶がすっぽり抜け落ち、丞は十六歳の頃の丞に戻ってしまっていたのだ。彼の恋人で、二年前から同棲していた会社員の隆人は、二人の関係も自分のことすらも全く憶えていない、まさに少年のような丞に恋人同士だったことを告げることができず、歳の離れたルームシェア仲間として己を紹介し、記憶が戻るまで一緒に暮らすことを提案する。こうしてなんとも奇妙な同居生活がスタートしてひと月。夏らしいことをしたいと丞が言いだし、二人はとあるキャンプ場に行くことになった。だがその場所は、二人が付き合って初めての夏に訪れたところだった。そして、ふとしたことで丞の記憶の一部が戻りかけて……。
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3.0
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-「負けたら相手の言うことを聞く」…全てはひとつの賭けから始まった。――飲料メーカーに勤める二十七歳の三枝太一は、途中入社で入ってきたドイツ系ハーフの山田恭一郎に営業トップの座を奪われ、猛然と闘志を燃やしていた。そんな山田から新規開拓先の企画で勝負を挑まれ負けてしまった太一。約束通り、恭一郎の指定したホテルの一室に向かったのだが…なぜか押し倒され…翻弄され…気づくと飛行機の中で…。着いたところはアルプスの麓の小国、リーツェンベルク王国。なんと恭一郎はこの国の王位第一継承者、すなわち王子様だった! 自分を支えてくれる側近のひとりになってほしくて、一目惚れした太一を拉致してしまったと言う恭一郎ことフランツ王子。やり方はあまりに強引だったが、恭一郎の真摯で熱い思いに心打たれ、太一は彼とともに『国を動かす』という、この突拍子もない壮大な仕事に懸けてみようと決意するのだが…。
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-妖狐の里で姉とともに暮らすアカネは、二十歳を迎えたのに変身術も使えない半人前。早く一人前にならねばと日々変身の練習を行っていたのだが、ある嵐の日、姉が高熱を出して倒れてしまった。慌てたアカネは万病に効くという薬草「弁天草」を求め、生まれて初めて里の外へ出る。だが深い森の中でアカネは遭難。しかも里の入口は満月の日まで開かない…つまり今は帰るに帰れない状況だった。そんな危機的状況の中、里を襲いにくる恐ろしい鬼にまで遭遇してしまう。てっきり喰われるかと思いきや、逞しい肉体と美しい顔立ちを持つその鬼、荒鷹はアカネを己の屋敷に連れ帰ってくれた。里の入口が開くまでの間、荒鷹の屋敷に居候させてもらうことになるアカネ。その屋敷は荒鷹だけでなく、猫又の幼い姉妹や働き者の妖蛇が一緒に住まう賑やかで不思議な場所だった…。
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4.5
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-インテリア小売店に勤務するオメガの一音は二十六歳。「番」が欲しい!…と、ある日婚活を決意。さっそく評判の良い有料マッチングサイトに登録したのだが、メッセージを送ってくるのはベータばかり。どうやら婚活市場にはアルファが少ないらしい。そんな折、思わず目を瞠るほど恰好いい男性――三十歳・商社勤務の超エリート、賢悟から連絡が…。だが彼は一音の望むアルファではなくベータだった。後ろめたさを覚えながらも交際を始めた一音だが、賢悟のあたたかな人柄を知るにつれどんどん惹かれていく自分に気づく。そうしてオンラインデート、実際に会ってのデートと進んでいくなか、終わったはずの発情期が再燃しついに賢悟と一夜を共にしてしまう。番になれないベータとは結婚できない…悩む一音。そこへ念願のアルファ男性からマッチングの希望が届いて…。
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4.5大学生の仙道海斗は、リアル感覚でバトルを体感できるVR・RPGゲーム『ネオ・ジェネシス』のトッププレイヤーの一人。アミューズメントパークの中に設置されたブースに入っては、その抜群の身体能力で次々と獰猛なモンスターを倒しゲームクリアを目指している。ある日、海斗はゲーム内で危機一髪のところを一人の青年に救われる。黒い戦闘服に包まれた細い肢体、グレーがかった美しい瞳。儚い美貌とは裏腹な冷淡な口調――伝説のナンバーワン・プレイヤー、シャドウだった。感情を押し殺したような彼の冷ややかな瞳はゲームを楽しんでいるように見えない。なのになぜ彼は毎日、ネオ・ジェネシスにやってくるのか。興味を惹かれた海斗はなんとか現実世界でもシャドウに近づこうと躍起になるのだが、一向に出会うことができず…。そんな時、偶然にも海斗はシャドウの意外な正体、そして過去を知ることになる。
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-民俗学の研究者である結城玲は、幽木霊のペンネームでホラー小説を書いたり怪談のトークイベントに出たりして一躍人気となった。幼い頃から日常的に幽霊や怪奇現象と出遭ってきたがより本格的な怪異体験を求め、玲は築六十年、噂の呪われた家に住みだした。そんな折、家に不法侵入しようとした肝試しの若者たちが一匹の傷ついた子犬を捨てていった。ハスキーとウルフドッグのミックスのようなその子犬は人懐こく賢くて甘えん坊、ついほだされて玲は“わん太”と名付け飼うことに…。ある晩、寝ているわん太の傍らで自慰に耽った玲の放った白濁が偶然にもわん太にかかってしまった。するとわん太は見る間に大きく黒い獣――狼へと変貌していき、玲の股間に襲いかかって屹立をしゃぶりだしたのだ。驚愕する玲の前でわん太は再び形を変え始め、やがて若く逞しい男の姿になった。だが人間のわん太には記憶がない。彼の秘密を探るため玲は子犬姿のわん太と散歩を始めるが…。
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4.0
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5.0広陵台総合医療センターで研修中の外科医・庵野定近は、スピードモンスターの異名を持つ五歳年上の指導医――江崎良から目の敵にされていた。二年前、ボストンのメディカルセンターからこの病院にやってきた江崎は、その美しい見た目に反して、オペ室では恐ろしいほど冷徹で定近に対する指導も厳しいものだった。ところがある夜、公園でひとり涙を流す江崎の姿を見てしまう。意外な一面に心がざわつく定近だったが、そんな時、江崎から一緒に暮らす四歳の甥っ子・創哉のために期間限定で「キャラ弁」を作ってくれないかと頼まれる。驚く定近だったが、この日から天才外科医の江崎と、ドクトル・ロートというヒーローをこよなく愛する可愛い創哉との楽しい交流が始まる。やがて定近は、江崎の不器用な性格や秘められた過去を知り、己に芽生えた恋心を自覚することになるが……。
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5.0
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3.3
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4.3独身アラフォー刑事の中居和樹は、ある晩行きつけの飲み屋『酒処サナエ』でひとりの青年と出逢った。優と名乗ったその彼は、まるでうさぎのような丸い双眸が可愛い、純朴そうな、だがどこかミステリアスな一面もある二十七歳。再びサナエで出逢い、今まで男相手に感じたことのない、恋心のような胸の高まりを優に覚えてしまい戸惑う和樹だったが、いつしか仕事帰りに優の部屋に寄り彼に手料理を振る舞ってもらうという、ほのかに甘い関係になっていた。そうしてついに身体でも結ばれ、二人は恋人同士として付き合っていくことになったのだが…。そんな折、和樹が追っている殺人事件でも進展があった。殺された男は、同性愛者の男性たちに強請を働く極悪非道な輩だったことがわかってきた。やがて被害者の携帯電話の通話記録が開示されて…。
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4.7
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1.0四十歳・独身・爽やかイケメン。日和不動産のやり手営業マン、角崎賢也の唯一の弱点は幽霊や怪奇現象が滅法苦手なこと。秋深いある日、そんな角崎は三重にある鄙びた温泉宿を訪れていた。日和不動産が管理する御神体「山田山」・海皇神社への出張の前乗りである。露天風呂でひとりの美青年と出会い、意気投合するのだが、彼はどうやら人間ではなかった? パニックした角崎は、海皇ショップに勤務する同僚、来人のもとへ駆け込むのだが……。 前作で読者を笑いの渦に巻きこんだ海皇様も登場の、ハイテンション・ファンタジー再来! ラルーナ文庫オリジナル限定短編「沼の竜宮城で、海皇様が子育て中」付き!
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3.0通信関連企業の子会社に勤める堀坂周は、外見も中身も地味で人づきあいが苦手な眼鏡男子。もちろんランチもいつもひとり。だが、優秀で女子社員からの人気も高い二年後輩の鎌田春喜だけは、なぜか断っても断ってもランチを誘ってきたり妙に絡んできたり…と周もいささか困惑気味だ。そんな周にもひとつだけ至福の時間がある。それは、小さな遊園地『こどもプレジャーパーク』で公式キャラクターのうさぎの着ぐるみ・プレジャー君の中に入って子どもたちに風船を配ること。そう、幼い頃からかわいいものが大好きだった周は毎週土曜日、会社に内緒で着ぐるみバイトをしていたのだ。ところがある日、いつものようにプレジャー君を演じている周の前に、5歳ほどの男の子を連れた鎌田が現れて…。鎌田は独身のはずだが、もしかして隠し子がいるのか!? 動揺した周の仕草で、中の人が周であると鎌田から見抜かれてしまい窮地に陥る羽目に…。
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3.9
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4.0
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4.4漫画家を目指しながらデザイン事務所の契約社員として働く水谷千里。生まれつき重度の難聴のため引きこもりがちな千里だったが、SNSに投稿した犬が主人公の漫画が人気になり書籍化の話が進んでいた。だが出版社の都合でそれが中止に。落ち込む千里を慰め元気づけてくれたのは、SNSを通じて知り合った浪間はじめというプロの小説家だった。会社員と作家という二足の草鞋を履く浪間は、悩みがちな千里をいつも温かく励ましてくれる心の拠り所だ。そんな浪間から『オフ会をしませんか』という誘いのメールが…。耳が聴こえないことを告げていなかったため初めは躊躇したが思い切って会ってみると、浪間は想像以上に魅力的でスーツの似合うオトナな男性だった。何度かオフ会を重ねるうち、気づけば千里は初めての恋に落ちていた。そんなある日、たまたま訪れた横浜の街で千里は浪間の意外な姿を見かけてしまう……。
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4.5肥沃な大地をもつ大国グランデール王国のオメガ王子、アールことアルフレートと、小国ながら魔法使いの末裔が住むランデンブルク王国のアルファ王子、ライことエルンスト――紆余曲折を経て二人が結婚してから四年が過ぎた。二人の間には三歳の双子の男の子を筆頭に、総勢六人の子どもたちがいる。そんな幸せいっぱいの二人だったが、ある日一番上の双子ジュールとデュールが強い魔法の力を受け継いでいることがわかり、その魔法教育をめぐって初めて言い争いをしてしまう。そうして自己嫌悪に陥ったアールが思わず、いっそ猫になりたい…と呟いたものだから大変。こっそりそれを聞いていたジュールとデュールが、願いを叶えてあげようとアールを猫の姿に変えてしまったのだ。この魔法を解くにはライがある決断をせねばならず…。愛と魔法のミラクル★オメガバース、ふたたび♪
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4.5
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-新人漫画家の今里開里。彼には二つの悩みがあった。一つは引っ越したばかりの部屋の騒音。アパートの前をひっきりなしに通る車の音でネームに集中できず苛々する毎日。そしてもう一つは…獣人であるということ。人間たちに紛れて密かに受け継がれてきた獣人の血――その中でも開里は「種受け」と呼ばれる存在で、発情期になるとより強い獣人の種を欲してフェロモンを出してしまうため痴漢や変質者の被害に遭うこともしょっちゅうだった。そんなある日、仕事のできる静かな環境を求めて街を彷徨っていた開里は、心安らぐようなコーヒーの香りに誘われ一軒のレトロな喫茶店に入った。美形マスター、神河真人の温かい人柄、そして彼の淹れる特製ブレンドにすっかり魅せられ、開里は毎日のように店に通うようになった。実は真人も獣人で、どこかにいるはずの仲間を求めて彼らを引き寄せるコーヒーを店で出していたのだ。匂いで開里が獣人であると気づく真人だが、一方の開里はそんなこととも知らず…。
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4.3
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4.0やってしまった…。目覚めると見知らぬゴージャスな部屋…大きなベッド…そして隣にはキラキラの微笑みで自分を見つめる超いい男――。大手建材メーカーの総務部勤務の諒には困った性癖があった。それは酒を飲むと男とセックスしたくなること。昨夜は諒のいる支社に異動してきた瀬戸遊馬の歓迎会だった。遊馬は創業者一族のご子息で将来の経営陣候補。今回の異動も研修と支社の視察が目的だ。そんな本来は接点すらない雲の上の人から勧められるままつい一杯飲んでしまい…いつの間にやらホテルで抱かれてしまった。そして月曜。諒をランチに誘いまるで恋人のように接してくる遊馬。実は自分はゲイではなく、一杯でも飲むとこうなってしまうのだということを打ち明ける諒だったが、なぜか遊馬からの誘いは止むこともなく…この関係はいったい何…? 混乱する諒はある日、遊馬の元カレと思しき営業部の辣腕社員・久住の存在を知ってしまい…。
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3.0
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-ヴィオンがカルセニア王国第四王子エリアス付きの侍従となって六年が過ぎた。エリアスは二十二歳だが、見た目も中身も幼くまるで永遠の少年――公務にも就かず離宮でひっそりと暮らす『王家のお荷物』だ。この六年間、ヴィオンは一日中エリアスの相手をして過ごし、そしてエリアスが遅い性の目覚めを迎えてからはその性処理までも手伝うようになっていた。募る虚しさを紛らわすように深夜、城を抜け出しては男漁りをするようになったヴィオンはある晩、南方の国ファインハルスから来たという精悍な男とめくるめくひと時を過ごしたあと、ほんのいたずら心で自分はこの国の第四王子であると告げる。ところがそれからほどなくして、エリアスに縁談が舞い込んだ。相手はファインハルス王国第三王子のバルドゥル――なんとあの夜のヴィオンの行きずりの相手だった。こうしてヴィオンは、輿入れする主君エリアスとともにバルドゥルの城へ行くことになったが…。
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4.0高校の同窓会で十年ぶりに再会した一成。あの頃と変わらない華のある男前、人なつこい笑顔、そして突然抱きしめられて—――純也の心は揺れる。高校時代、二人は付き合いキスまで進んだ仲だった。だが一成に想いを寄せる少女が放った鋭いひとことがきっかけで、ストレートの彼を自分の性癖に引きずり込むことに罪悪感を覚えた純也は一方的に別れを告げてしまったのだ。そんな純也は同窓会のさなか、一成が半年後に結婚すると知った。これでやっと十年間の恋に終止符が打てるという気持ちの一方で、一成を繋ぎ止めておきたい思いが膨らみ、純也はつい「僕はあと半年しか生きられないらしいんだ」と、とんでもない嘘をついてしまう。一成が結婚するまでの間、一緒に暮らしたい…純也のそんな願いを聞き入れてくれた一成との同居生活が始まった。嘘と幸せが隣り合わせの日々…やがてそれは思いがけない結末を迎えることに。
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4.2女性向けタウン誌の編集者、五十嵐律は二十九歳。独身だが、彼には十四歳になる息子の縁がいる。――オメガである律は中学三年で縁を産んだ。放課後の学校で起きた、初めての発情。居合わせたアルファの友人と見知らぬベータの生徒ふたりに犯され…。それ以来、アルファを、そしてアルファの理性を狂わすおのれの身体を嫌悪するようになった律だが、皮肉なことにそうして生まれた縁もオメガで…。思春期を迎えた縁が自分と同じ道を辿るのではないかと過剰に心配しては、彼とぶつかる日々。そんなある日のこと。律は、弱冠三十一歳でイベント会社を経営するやり手社長、栗原聡一朗を取材することになった。『若くて見目がよくて仕事のできる』典型的なアルファの栗原に、つい辛辣な態度をとってしまう律だったが、逆に栗原はそんな律を面白がりプライベートにまで踏み込んでこようとする。栗原の真っ直ぐな口説きに、頑なな律の心も少しずつほどけていき…。
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4.3
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-片田舎にある動物診療所――患畜よりもご近所さんの憩いの場として賑わっているこの診療所を切り盛りしているのは、まだ年若い獣医のトラこと獅童高虎と、雑用係の青年・コタこと猫田凛太郎の二人。けれどトラは実は獣医師免許を持たないモグリだし、さらに彼らにはもっと重大な秘密が…。それは二人とも人間ではなく獣だということ。トラは雄ライオンと雌虎との異種交配で生まれたライガー。一方のコタは虎に似た模様をもつトイガーという猫だ。四年前、飼い主に捨てられ途方に暮れていたコタはサーカスのショーアニマルだったトラと出会い、救われた。そして二人は不思議な獣人界の伝手を頼って人間の振りをして生きていく道を選んだのだった。大好きなトラと一緒に、ご近所さんとも仲良く平和に暮らす…そんな日々がずっと続くと思っていたある日のこと、コタは自分の記憶が時折、途切れていることに気づき…。
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3.0アパートは立ち退きを迫られ、おまけにバイトもクビに。小さな洋食屋を開くのが夢で頑張ってきたのに…不運この上ない一樹は、ある日路地裏で男に絡まれ犯されそうになったところを強面風美丈夫・佑久に助けられる。お礼に自宅でありあわせの材料で作った料理をふるまうと、なんとその腕を見込まれ佑久の屋敷で住み込みの家政夫兼料理人として雇ってもらえることになった。古びた洋館に老執事夫婦とともに暮らしている佑久は、IT企業を経営している資産家。しかしその真の姿は獣人――人間たちに紛れて密かに代々生きてきた一族だった。当主の座にあるアルファの佑久は、いまや絶滅寸前の一族の血を絶やさないためにも獣人の、しかもオメガの嫁を娶らねばならないのだが、なぜか普通の人間である一樹に心惹かれてしまう。もちろん一樹はそんな佑久の真の姿を知る由もなく…。だがある満月の晩、発情と酔いに理性を失った佑久が一樹の部屋に突然現れて…。
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3.0
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4.5翔は小さい頃から霊感が強く“人ならざるもの”が見えてしまう、超怖がりな高校三年生。そのせいでクラスでも浮いた存在で、ついたあだ名は「奇行少年」。たった一人、自分と同じように霊が見える他クラスの優一郎だけが友だちで、放課後、いつも旧美術室で絵を描いている彼とのおしゃべりが心の支えだ。ある日のこと、翔は偶然にも学校一のモテ男で頭脳明晰・爽やかイケメンの直彬が除霊体質だと知った。しかも直彬がキスするとその魔除け効果が増大することがわかり、ついに直彬を押し倒しキスを迫るという暴挙に…。初めのうちは自分に近づくための口実だと勘違いしていた直彬だったが、次第に泣き虫で純粋な翔が可愛く思えてきて、嫌っていた実家の寺での修行も彼のために始めるようになった。魔除けのキスがいつの間にか本気のキスに…。そんな折、二人は七年前の男子生徒失踪事件以来、この学校で怪奇現象が相次ぐようになったことを耳にして…。
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4.7ロージアン王国・アナンディル伯爵領。偏屈で陰気臭い魔術師、ケヴィンは領主のライアンに命じられ『惚れ薬』を作成していた。着手から一年。試作品はほぼ完成しているので、あとは人を使って実験せよ…との命を受け、ケヴィンは街で奴隷商からひとりの若く美しい男を金貨七枚で買った。こうして森の奥にあるケヴィンの庵に連れてこられた男、テッド――実は彼はフィブ王国・ストラサーン男爵の跡継ぎだったが、叔父に諮られ奴隷商に売られてしまった騎士。もちろんそんな素性を知る由もなく、ケヴィンはさっそく試薬をテッドに飲ませてみるが…結果、テッドは耐えがたい欲望に体が昂ぶり、一晩に六回もイカされるはめに。人格破綻気味の年上の、しかも男の手で感じてしまうなんて…。翌日、ケヴィンの留守時を狙って逃げようとしたテッドだが、そこへ現れたのは領主のライアン。ケヴィンとは腹違いの兄だった…。生活力皆無の魔術師と負けず嫌いな元騎士。惚れ薬が取り持つ不器用な恋の顛末は…?
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4.0佐々倉ハルは大学を出て二年目のひよっこ保育士。小柄で童顔なせいか園児のみならずママたちからも人気がある。そんなハルの密かな楽しみは、三歳児の生野ひなたくんのパパ、直哉さんと送迎の折に交わす小さな会話。均整の取れた長身、シルバーフレームの眼鏡が似合う涼やかな顔立ちの彼はまさにデキる男の見本のようなシングルファーザー。ゲイのハルにとって見ているだけで心が潤う憧れの人だ。ところがある日、友人に連れられ新しい出会いを求めてやってきた店で、ハルは『週末にしか顔を出さない超カッコいい噂の遊び人』ことナオに偶然出会って我が目を疑った。なんとそれはいつもの姿とかけ離れたセクシー全開の直哉さんだったのだ。「俺のものになる? ハル先生」――驚くハルをキスと愛撫で翻弄する直哉さんは一体何者? 園児の父親とのイケない関係…でも転がりだした心はとまらず…。やがてハルは生野父子の複雑な事情を知ることに…。
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4.2
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4.1よりよい遺伝子を残そうとWGO(世界遺伝子機構日本事務局)が『運命の番』をマッチングできるようになって十年。中学時代のオメガ差別がきっかけで引きこもりになってしまった大里彰のもとに、「私が君の運命の番です」とゲノム証明書とともにやってきたのは、イケメン・アルファのWGOエージェント、堺宗一郎だった。宗一郎は己の立場を利用し、マッチングが正式に執行される前にやってきたのだという。目的はもちろん、番である彰の社会復帰支援。こうして押しかけ女房と化した宗一郎によって彰は就職活動の手助けを受け、少しずつまっとうな人間になり始める。そんなある日、急な発情に見舞われた彰は本能のままに宗一郎に抱かれてしまった。以来、情熱的な夜を分かち合う二人だったが、不思議なことに、宗一郎は『愛咬』の儀式をしない。それに『運命の番』特有の強烈なフェロモンが感じられないのだ。それからまもなく彰は思いがけない真相を知ることに…。
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4.5都立高校の数学教師・各務涼一は怪我をした同僚のピンチヒッターで、受験を控えた三年生のクラスを担当することになった。無駄口を叩かずハイレベルの進学塾並みの授業を展開する涼一に多くの生徒が戸惑うなか、クラスの中心的存在である黒川隼だけはなぜか初めからやたらと懐いてくる。教科準備室にこもる涼一のもとを毎日訪ねてきては他愛ない質問をぶつけてきたり、お昼を一緒に食べたり、果ては屋上に連れ出してキャッチボールをしたり…と。人付き合いが苦手な涼一も不思議と隼といると素の自分に戻れる。九つも年下なのに…教師と生徒なのに…。そんな折、迎えた体育祭。全校生徒の前で告白まがいの行動に出た隼。眩しいほどにまっすぐで一途な想い。だが、涼一はそんな隼の気持ちに応えることができず…。せつなく胸に響く♪ピュア・ラブストーリー。
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3.2
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5.0民俗学専攻の大学生・明良は山奥にある大賀美村へやってきていた。そこは狼男伝説の残る村。昔は狼の牙で作った矢で嫁選びをしていたという大賀美神社の祭り、「福矢」の儀式を卒論のテーマに選んだ明良は、昨年訪れた祭りで一目惚れをした美貌の禰宜・玲から村の伝承について話を聞く約束をしていたのだ。だが逗留二日目、一人で森を散策していた明良はうっかり立入禁止の「奥の院」と呼ばれる洞窟の中に迷い込み、花嫁候補だけが触ることを許されている鏃を手にしてしまう。するとなぜか鏃は眩い光を放ち…。“鏃を光らせた者が犬神の花嫁になる”という伝承を思い出し慌てた明良は降りしきる雨の中、完全に森で迷子となってしまった。実は明良はオメガ因子を抱える身。数時間ごとに予防薬を飲まないと、オメガ症候群を発症してしまう恐れがあった。そして救出に駆けつけてくれた玲の姿を目にしたとたん、明良の身体に異変が…。
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4.4
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-婚約者を愛する葛城は、成瀬から一方的な狂恋を向けられて…ヤンデレに運命が蝕まれていく破滅ラブ。 大企業勤務のエリート・葛城義明は、上司の甥である成瀬光によって人生を狂わされてしまった。葛城に一目惚れした成瀬は「伯父の力を借りれば葛城をクビにすることもできる」と無邪気に脅し、自分を抱くように強いたのだ。期間限定の約束であったが、それがもとで婚約者も去り、子会社へ飛ばされて自堕落な生活を送るようになってしまった葛城。その悪夢から五年――成瀬が再び現れた。ストーキング行為を隠しもせず葛城につきまとい、部屋に通っては彼の性欲処理を申し出る。憎悪の念に駆られた葛城は、煽られるまま暴力的に成瀬を犯しながらも、次第に成瀬の異常な執着に囚われ、壊れた共依存に仄暗い幸せを見いだしていくのだった…。究極のヤンデレ愛。
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3.5下賤の身ゆえに村の男衆の性処理に使われ、稚い蕾を散らされそうになった兎族の少年ひらり。逃げ出して山道をさまよい崖から真っ逆さまに…。気づくと、ひらりは狼神・青嵐が治める大口真神の国にいた。なんと、青嵐の『運命の許嫁』として愛染明王に選ばれ、天道界に召喚されたのだった。精悍な顔立ちに逞しい体躯、豪胆で常に民を想う、そんな旦那様・青嵐に守られながら八年が過ぎ、ひらりは成人した。早く子を成して正真正銘の夫婦にならなければ…。そう思うのだが、幼い頃に辛い思いをしたひらりには、果たして生まれてくる子を愛し育てることができるのか…自信がない。それに青嵐は一度もひらりに「愛している」と口にしたことがない。もしかして、愛染明王が決めた仲だからそばに置いているだけ…? 不安と愛情の狭間で揺れるひらり。そんな折、青嵐とともに近隣の国を外遊することになり…。
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4.3
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4.9県警の組織犯罪対策課いわゆるマル暴の刑事、三宅大輔は、情報源である大滝組のインテリヤクザ、田辺恂二と長年にわたって肉体関係を続けてきた。三年前に妻とも離婚。すっかりふたりの仲は成熟し、いまでは非番の夜は田辺のマンションに泊まるまでになっている。だが、追う者と追われる者――こんな危険な関係がいつまでも続けられるわけがない。そんな折、組対では大滝組周辺の新たな薬物ルートを探る捜査が始まった。以前からふたりの関係に気づいていて大輔の退職を危惧する上司の西島は、彼と別れて欲しいと田辺に直談判するという荒業に。一方の田辺も、大輔との今後を見据えるためにヤクザからの足抜けを模索していた。ふたりでずっといたいのなら、『ふたりのためのひとつの答え』が必要だ。ヤクザと刑事。最悪な出会いから始まったふたりの関係が、いよいよ『答え』に向けて動き始める…。
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-貧しい漁村から皇都に働きに出てきたが、騙されて傾城街の娼館に売られてしまった少年・凪。ある嵐の晩、娼館を逃げ出し荒れ狂う大川に愛猫の潮とともに飛び込んだ凪だったが…目覚めるとそこは星見神社。「お前は夢告げに従って拾われた、星見様の終生のつがい」――亞星という老婆からそう告げられ、命だけは助けられたものの神社の奥御殿に軟禁され、“つがいの務め”を果たさねばならなくなった。星見様――銀の髪と碧い双眸をもつ類稀な美貌の青年、祁答院柊星はその夢見と卜占の能力から皇国の権力者たちに重用され代々守られてきた一家の当主で、だがそれゆえに外に出ることも叶わず奥御殿でたった一人生きてきた。どんな逆境にあっても前向きで明るい凪はそんな孤独な柊星に寄り添い、閉ざされた心を少しずつ溶かしていくのだったが…。その頃、皇国の権力者たちは隣国へ攻め入る準備を進めていて…。
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-夜な夜な芸者に化けては客である男を誘惑し精気を食らって生きている、妖狐の紺。でも化けるのが下手で、いつも肝心な時に耳と尻尾が生えた姿に戻ってしまい失敗続き。そんなある晩、料亭に呼ばれた紺と姉さんたちの妖狐芸者一同。ここしばらく精力を得られていない紺にとって今夜はまさに生死の分かれ目。無愛想で寡黙なエリート会社員・松崎を獲物に定めた紺は料亭を出た松崎に言い寄り、なんとか精気を得ようと画策するのだが…。目覚めるとなぜか松崎家のベッドの上。すっかり変化も解け、開き直って己の窮状を訴える紺に、松崎は一歳になる息子・日向の面倒を見てくれるならいくらでも精気を注いでやる…と交換条件を出す。こうして家政婦兼ベビーシッターとなった紺だったが…。クールなシングルファザーと半人前の妖狐、そしてちっちゃな暴れん坊。ファンタジックで胸きゅんなハートウォーミング異種間ラブ♪
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3.0表向きはウィスタリア・コーポレーションの社長、真の姿は関東藤森組組長である藤森虎徹に命を捧げ、片腕としてずっと仕えてきた男――結城隼人。スキンヘッドの巨躯、レイバンのサングラスがトレードマークの強面。そんな結城が、このところ何故か心乱されている相手がいる。それは二年前に組長補佐となった新條竜也に仕える若衆頭・御幸泰三だ。小柄ですばっしこくて機転が利く、笑顔が屈託ない若造。結城同様、自分の兄貴分である新條に命を賭けている、そんな泰三に思いもよらぬ劣情を覚え、結城は戸惑うばかりだったが…。ある日、新條が暴漢に襲われ側付きの泰三が怪我を負うという事件が。側近の恋心に気づいていた藤森の指示で、結城は入院中の泰三に付き添うことになり…。「劣情は鮮やかに、恋は秘めやかに」他、藤森と新條、12歳と17歳…十余年前の鮮烈な出会いを描く「夏の想い出」など、血腥い世界に生きる男たちの不器用で切ない恋模様。<虎と竜>シリーズ番外3編を収録。
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4.0大手カルチャースクールで水彩画教室の講師を務める高塢青海は、日本画の大家を祖父に、世界的な版画家を父にもつ身でありながら、まだまだ売れない駆け出しの画家。ある日、青海は勤め先の廊下で出会い頭に、白い杖を携えた美貌の男性――能楽鑑賞講座の講師・葛城冬馬とぶつかってしまう。偶然にも冬馬は青海が長年憧れ続けた、祖父の屏風絵のモデルとなった人。名門葛城流の御曹司だったが、三年前、病で視力を失って舞台を諦め、今は自宅で謡の教室を開いているという冬馬の身の上を聞いた青海は早速、謡を習うという名目で彼のもとへ通うようになった。年上の冬馬への一目惚れに近い想い…迸る熱い気持ちを抑えることができず、ついに冬馬を抱いてしまった青海。だが、青海を受け入れた冬馬の心はどこか分厚いバリヤーに覆われていて…。そんな折、冬馬に舞台復帰の願いがあることを知った青海は…。夢追う画家と舞を忘れた能楽師――胸打つ愛。
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3.0「子供の面倒を見てほしい…」――大学生の翼のもとへ突然現れたのは、姉・蒼空とかけおちしたはずの会社員・遙人、そして五歳になる息子・栄。蒼空に逃げられた挙げ句、栄を押しつけられた遙人は天涯孤独の身ゆえ、どうすればいいかわからず翼を頼ってきたのだ。幼いながら人に迷惑をかけまいと気遣う栄のいじらしい姿に翼は断ることもできず、遙人のマンションで住込み家政夫のバイトをすることに。だが、遙人は残業を理由に毎晩遅く帰宅し、食事も一緒にとらない有様で、「お父さんは僕を嫌いなの」と泣く栄。ついにブチ切れた翼に遙人が明かしたのは、栄は蒼空が不倫して出来た子…という真実だった。遙人を本当の父と思っている栄を見捨てることはできない。なら、俺たち三人で家族になろうよ――翼の提案で、ぎこちないけれど楽しい家族ごっこが始まった。ところがそんなある日、栄の実の父から連絡が…。
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3.0美術品の修復師を目指している美大生・神城遙。村一番の旧家の末っ子で、幼い頃から実家の奇妙なしきたりに縛られて生きてきた。だが、大学院に進学し引っ越しを済ませたばかりのある晩、遙は二つの決め事――雨の日の外出は控えること、どんな時でもお守りのピアスをつけること――を破ってしまう。そうして道に迷った遙は偶然に入ったスナックで、一人の少年を嬲りものにしている男たちに遭遇する。「お前いい匂いがする」…逃げようとする遙を獣人の姿と化した男たちが押さえつける。犯される!…覚悟した瞬間、店に木刀を手にした凛々しい風貌の男が…。それは遙の行きつけの喫茶店の店員で、遙が密かに胸ときめかせていた相手。『ハンター』と名乗った男・真守に助け出された遙は、自分が神の末裔の一族で生まれながらの稀少なオメガであるという、記憶の底に閉じ込められていた真実を次第に思い出していき…。
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