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ウェイクフィールドの牧師 むだばなし
英国の片田舎にすむ牧師一家の物語.善良で楽天的な田舎牧師が,破産にはじまり,娘が誘拐されたり,火事に遭ったりと,絶えず災難に見舞われるが,屈することなく,大らかに生きてゆく.世俗的な知恵もある牧師のユーモラスな人柄の魅力が全篇に漲り,英国文化の微妙な滋味を教えてくれるゴールドスミス(1728-74)の佳作.(新訳) -
息子と恋人
主人公のポール、その二人の恋人たち、ポールの母親とのあいだに繰り広げられる愛憎の葛藤を描きつくしたロレンスの代表作のひとつ。母親は希望の星だった長男ウィリアムを亡くし、すべての期待と愛情をポールにそそぐ。ポールにとって母親は絶対だった。ポールの幼馴染の恋人ミリアムは読書が好きで宗教心もあついが、性については消極的だ。一方、もう一人の恋人クララは人妻で肉体的な魅力にあふれ、婦人権運動家でもあった。母親はミリアムに対して敵意さえいだき、クララに対してはむしろ寛容なところをみせる。ポールはミリアムを退けるが、母親が亡くなって絶望的な喪失感をいだく。クララはポールといさかいを起こし別居していた夫のもとに戻る。ポールはミリアムの求婚も振り切って、一人で生きていこうとする。 -
卑しい肉体 20世紀イギリス小説個性派セレクション5
1930年の刊行当時話題だった、上流階級・知識階級の無軌道な若者たち「ブライト・ヤング・シングス」の倦怠と軽薄に満ちた生態を内側から描き、イーヴリン・ウォーを人気作家へ押し上げた、不毛感に満ちた群像劇。 -
一握の塵
結婚生活の悲喜劇と残酷なサタイア 先祖代々の屋敷を愛する夫をよそに、田舎暮らしに退屈した妻は年下の愛人に走り、結婚生活の破綻は思いもよらぬ展開へ。英国上流階級の社交喜劇に侵入する一抹の恐怖。 トニー・ラストはイングリッシュ・ゴシック様式の荘園屋敷ヘットン・アビーで、美しい妻ブレンダ、幼いひとり息子のジョンと共に満ち足りた生活を送っていた。しかし先祖から受け継いだ屋敷と荘園を愛し、その維持に余念がないトニーとは違い、田舎暮らしに退屈していたブレンダは、ふとしたことから社交界に寄生する軽薄な若者ビーヴァーとロンドンで逢瀬を重ねるようになり、上流社会のゴシップ好きに恰好の話題を提供することに。一方、寝取られ亭主となったトニーにはさらなる試練が降りかかり、結婚生活の破綻とその後始末は彼を思いもよらぬ運命へと導いていく。上流階級の社交喜劇は一転、不条理な悪夢へ。 辛辣な諷刺とスラップスティックな笑いを本領とするウォーが、冷徹なリアリズムへの傾斜と、現実に侵入するグロテスクなものへの関心を深めて独自の境地に達し、各種名作リストに選出された最高傑作。待望の新訳。