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-1~11巻500円 (税込)<特集>『新・日常考―きのうまでと違うこと』 「非日常」が私たちの「日常」を覆いつくしてから、二年余りが過ぎました。いままた恐ろしい「非日常」を告げるニュースが途切れず、不安な日々が重ねられていきます。それでも、きのうより今日を、明日こそはと願う気持ちは万国共通のはず。新・日常考―きのうまでと違うこと。「日常」を問い直し、新たな日々を編むための試みです。 【目次】噓でもいいから/堀江敏幸、斎藤茂吉の危機と再生/小池光、離れて働く、みんなと働く/酒井順子、特集とりとめな記/ 特集編集班、週末のアルペジオ/三角みづ紀、藤沢周・連作小説館⑥/藤沢周、猛獣ども/井上荒野、町田康の読み解き山頭火/町田康、しおり物語/岡もみじ、アマネク ハイク/神野紗希、兼好のつれづれ絵草紙/三遊亭兼好、漱石クロニクル―絵で読む夏目漱石の生涯―/大高郁子、楸邨山脈の巨人たち/北大路翼、Dr.よねやまの芸脳生活芸術家の生き様を医学で考える/米山公啓、江戸の愛猫/宮川匡司、気まぐれ編集後記/万年editor
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-いま、ここにある「世界」とは、何か。どのようにすれば、それを叙述できるのか―― 2022年春にロシア軍のウクライナ侵攻が始まったとき、思い起こしたのは20年前に訪れたサハリンで出会った人びととの会話だった。作家は、サハリンに生きた人びとの姿を通して、この世界をどうすれば描くことができるかという自問と対峙する。 世界の複雑さを直視し、そこに住むひとりひとりの生活を見つめること、想像すること。そこから、かすかではあるが、小さな光明としての、言葉が、文学がたち現れる。 【目次】 1 私がサハリンに行ったとき 2 ユジノサハリンスク 3 ポロナイスク 4 オハ 5 二〇年後の世界 6 『フランケンシュタイン』は、世界をどう描いたか 7 ヴィノクロフのこと 8 オタスからの世界 【著者】 黒川創 作家。1961年京都市生まれ。同志社大学文学部卒業。1999年、初の小説『若冲の目』刊行。2008年『かもめの日』で読売文学賞、13年刊『国境[完全版]』で伊藤整文学賞(評論部門)、14年刊『京都』で毎日出版文化賞、18年刊『鶴見俊輔伝』で大佛次郎賞を受賞。主な作品に『イカロスの森』、『暗い林を抜けて』、『ウィーン近郊』、『旅する少年』、『彼女のことを知っている』、評論に『鷗外と漱石のあいだで 日本語の文学が生まれる場所』、編著書に『〈外地〉の日本語文学選』(全3巻)などがある。
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-親子三代の人生と記憶、 土地の歴史が重ねられる京都を舞台とした「もどろき」、 十代の旅の思い出と、 北サハリンで出会った人々との交流と描く「イカロスの森」。 芥川賞候補にもなったふたつの「旅」をめぐる作品と、 初の書籍掲載となる小説「犬の耳」、書き下ろしの解説を所収。 池澤夏樹 推薦 血族、旅先の出会い、淡い恋、人と人は言葉を交わし、運命の舞台でゆっくりと舞う。背景には京都やサハリンの地名が星座のように刻印されている。季節は移り、生きることが大らかに肯定される。たとえ私たちが「いかなる歓喜の中にあっても無限に悲しい」としても。 この二篇の小説を読み終わるとどこか遠くへ行きたくなる。結局のところ世界は美しい、と思えてくる。