中条省平 - 光文社古典新訳文庫作品一覧

  • すべては消えゆく~マンディアルグ最後の傑作集~
    3.5
    パリの地下鉄、隣の席で化粧を始めた女の姿態に目を奪われたユゴーは、慎みとは無縁な彼女の手に思わず接吻してしまうが……。芳醇な性の悦楽が思わぬ展開を見せる表題作、美少女との甘い邂逅から一気に死の淵へと投げ出される「クラッシュフー」など、シュルレアリスム最後の小説家独自の世界観きわだつ3篇。
  • 狭き門
    3.8
    美しい従姉アリサに心惹かれるジェローム。二人が相思相愛であることは周りも認めていたが、当のアリサの態度は煮え切らない。そんなとき、アリサの妹ジュリエットから衝撃的な事実を聞かされる……。愛し合う二人の恋はなぜ悲劇的な結末を迎えねばならなかったのか? なぜかくも人間の存在は不可解なのか? 時代を超えて強烈に問いかけるフランス文学の名作、みずみずしい新訳で登場!
  • 愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える
    3.9
    精神を病み入院していたジュリーは、企業家アルトグに雇われ、彼の甥であるペテールの世話係となる。しかし凶悪な4人組のギャングにペテールともども誘拐されてしまう。ふたりはギャングのアジトから命からがら脱出。殺人と破壊の限りを尽くす、逃亡と追跡劇が始まる! 緻密きわまる物語の構成を通じて人間存在の脆弱さを描きつつも、読む者をクールな快楽と戦慄に酔わせる暗黒小説の最高傑作!
  • 消しゴム
    3.8
    殺人事件発生の報せを受けて運河の街にやってきた捜査官ヴァラス。しかし肝心の遺体も犯人も見当たらず、人々の曖昧な証言に右往左往する始末。だが関係者たちの思惑は図らずも「宿命的結末」を招いてしまうのだった。〈ヌーヴォー・ロマン〉の旗手、ロブ=グリエの代表作。
  • 肉体の悪魔
    3.9
    第一次大戦下のフランス。パリの学校に通う15歳の「僕」は、ある日、19歳の美しい人妻マルトと出会う。二人は年齢の差を超えて愛し合い、マルトの新居でともに過ごすようになる。やがてマルトの妊娠が判明したことから、二人の愛は破滅に向かって進んでいく……。早熟な少年の人妻への恋を、天才作家が悪魔的な筆致で描く20世紀心理小説の白眉、研ぎ澄まされた文体で甦った決定訳!
  • にんじん
    3.6
    赤茶けた髪とそばかすだらけの肌で「にんじん」と呼ばれる少年は、母親や兄姉から心ない仕打ちを受けている。それにもめげず、時に自分と向き合ったり、時にユーモアを発揮したりしながら日々をやり過ごすうち、少年は大人へと成長していく――。著者が自身の子供時代を冷徹に見つめ直し、断章を重ねて綴った自伝的小説。
  • ペスト
    3.9
    194*年4月、アルジェリアのオラン市に突如発生した死の伝染病ペスト。病床や埋葬地は不足、市境は封鎖され、人々は恋人や家族と離れた生活を強いられる。一方、リュー医師ら有志の市民は保健隊を結成し、事態の収拾に奔走するが……。不条理下の人間の心理や行動を恐るべき洞察力で描いた、ノーベル賞作家カミュの代表作。
  • マダム・エドワルダ/目玉の話
    3.7
    「ある街角で、不安が私に襲いかかった。汚らしく、うっとりするような不安だ」エロスの狂気が神を超える! 戦慄に満ちた娼婦との一夜を描く短編「マダム・エドワルダ」に加え、目玉、玉子など球体への異様な嗜好を持つ少年少女のあからさまな変態行為を描いた「目玉の話」を収録。60年代末の日本文学界を震撼させ、三島由紀夫らも絶賛したバタイユ小説の白眉、スキャンダラスな原作の世界をすみずみまで再現する衝撃の新訳!

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