あらすじ
生殖に関する新しい医療技術。キョートで行われる国際会議の席上、ウォーカロン・メーカの連合組織WHITEは、人口増加に資する研究成果を発表しようとしていた。実用化されれば、多くの利権がWHITEにもたらされる。実行委員であるハギリは、発表を阻止するため、武力介入が行われるという情報を得るのだが。すべての生命への慈愛に満ちた予言。知性が導く受容の物語。
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Posted by ブクログ
2023.06.audible
このシリーズ、本当に素晴らしい。
読み終わりたくない気持ちでいっぱいでした。
森博嗣さんの他の作品も探さなくては!と思っていたらWWシリーズも名前は違うけど、続きのようなものなのね。
安心しました。
ハギリ先生の他者の受け入れる気持ちを、
私もいつでも、何に対しても持っていたいと思いました。
生殖に関する新しい医療技術。キョートで行われる国際会議の席上、ウォーカロン・メーカの連合組織WHITEは、人口増加に資する研究成果を発表しようとしていた。実用化されれば、多くの利権がWHITEにもたらされる。実行委員であるハギリは、発表を阻止するため、武力介入が行われるという情報を得るのだが。すべての生命への慈愛に満ちた予言。知性が導く受容の物語。
Posted by ブクログ
中年の理系研究者が初恋に悩むラストとは思わなかった。とても良かった笑
とはいえ、人工知能と人間の対比を考えると当然のテーマかもしれない。 続編が楽しみである。
人工知能同士の争いということでは手塚治虫の「火の鳥(未来編)」が思い出された。
Posted by ブクログ
このWシリーズの最終巻は、これでもかってくらい完全にハギリ博士とウグイとのラブロマンスに徹底してくれました(笑)。読者の好みを分かってるよね~。ウグイが可愛すぎて「もうダメ!」って感じです。
このWシリーズはウォーカロンとか人工知能とか不老不死の人工身体とか、生殖ができなくなった人間達とか、いろいろなテーマを混ぜ合わせてくれて、我々に人間の倫理観や永遠の命を得たら人間どうなるんだとか、子孫繁栄とはなんぞやとかそういったことを考えさせてくれました。
でも、終わってみると『恋』を知らない不器用な中年の学者先生が(実際は100歳超えてるんだろうけど)と仕事に命を懸けていた若きエリート女性情報員(ウグイは20代後半くらいなのかな?)が愛に目覚めるというラブストーリーだったという、本当に楽しませてもらったシリーズでした。
今の時代、猫も杓子も『愛』だの『恋』だの、『キス』だ『セックス』だと恋愛を我が物顔で知ったように話したり、書いたりするけど、この『人間のように泣いたのか?』ではそんな言葉は一言も使われることなく、本物の『愛』のストーリーを紡ぎ出してくれました。
ハギリ先生が心情で「ウグイといるといくらでも話せる」、「ウグイに害を加えさせない為なら、僕はどんな悪事だってやってみせる」なんてことを独白する場面があるけど、「そりゃ、もう、あなた、ハギリ先生。それは先生がウグイを愛してるってことですよ」って読者のこっちがつっこみたくなるってもんです。
「好き」っていう言葉は小説の最後の2ページにやっと初めて出てくるんだけど、もう、ハギリ博士から訳分からん症状説明を受けるカウンセリングの医師の気持ちがいやってほど分かるよね。
「それは恋煩い!二人でよろしくやってくださいよ!もう!」ってね(笑)。
二人の最大の見せ場が、ウグイがハギリ先生を抱きしめるところとか、二人が心を通わせて手をつなぐところって、「大正時代の小説か!」って、つっこみたくなります(笑)。
まさに10冊に渡った『尊い』ラブストーリーを楽しませていただきました。ありがとうございました。
実を言うと森博嗣先生の小説は「スカイ・クロラ」シリーズだけしか読んだことなかったので、『すべてがFになる』から読み直しますねっw
Posted by ブクログ
ついにWシリーズも最終巻。劇的な進歩を期待させつつ、結局少しずつしか進まない、まぁ現実世界と一緒ですな。人工知能が自我を持つとしたら、という思考実験が本シリーズのテーマなんどろうな。
マガタシキが現れるが彼女も明確な正解は示さず... また別のシリーズでの登場を期待。
Posted by ブクログ
ハギリ先生とウグイさんに最後の最後で、人間らしい感情が芽生えたことに感動。人工知能、ウォーカロン、、人間の感情そのものも長寿化に合わせて薄れてきてる?と思いきや、まさかのこういうオチとは。もしや始めから森さんはこのオチを準備していたのだろうか。
Wシリーズ完結。一気読みしてしまいました。100年シリーズが好きでこちらに興味を持ちました。ミチルやロイディなどもちらほら名前が出てきますが、こちらだけでも十分楽しめると思います。
ハギリ博士とウグイの関係性の変化も見どころのひとつですね。
Posted by ブクログ
3
Wシリーズ10弾にして最終巻。キョートでの国際会議で、人口増加に資する研究成果を発表しようとするウォーカロンメーカー連合WHITE。発表を阻止しようとする情報局。逆に拉致されるハギリとウグイ。二人での逃避行。最初はロボットのようだったというハギリの印象とこれまでのウグイの変化が微笑ましい。タイトルはウグイにピッタリな感じ。最後の女医を通した2人の両思いの話も面白い。ヒトと技術の未来に課題を残しつつとりあえず終わり。
人口増加に資する技術。人工細胞を入れた人間の体に対して、少しずつ生殖可能な臓器や細胞に入れ替えていく技術。ウォーカロンメーカーは人間の臓器をつくるようになるだろうと。
自分の子孫がほしいか。究極的には人種差別。