【感想・ネタバレ】後宮の烏2のレビュー

あらすじ

後宮で生きながら帝のお渡りがなく、また、けして帝にひざまずくことのない特別な妃・烏妃。当代の烏妃として生きる寿雪は、先代の言いつけに背き、侍女を傍に置いたことに深く戸惑っていた。ある夜、後宮で起きた凄惨な事件は、寿雪が知る由もなかった驚愕の真実をもたらす、が――。烏妃をしばる烏漣娘娘とは何か? 烏漣娘娘がおそれる「梟」とは一体誰なのか?

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後宮の奥深くに住みながらも夜伽をしない特別な妃、「烏妃」。彼女は不思議な術の使い手で、頼まれれば依頼者の差し出す代償と引き換えに、呪殺、祈祷、失せ物探しと何でも引き受けてくれるという。そんな彼女のもとへ、あるとき皇帝がやってくるところから始まる、中華風ファンタジー兼ライトミステリー小説。
コバルト文庫出身の作家だからなのか、少女小説のような雰囲気もあってとても読みやすいです。硬質な烏妃の姿と言葉が非常に印象的で、美しい表紙イラストと相まって、あっという間に本の世界に引き込まれます。また、どの巻も連作の短編で構成されており、いずれのお話も謎解き短編として充分楽しめますが、共通して描かれる烏妃と皇帝のささやかな交流が二人の孤独をかえって際立たせているようで、大きな伏線と思われる二人の関係とそれにまつわるさまざまな謎とともに、先が気になってつい読み進めてしまいます。個人的には、衣装や風景を表現する作家の文章力を強くアピールしたい! ぜひ読んでみてください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと前から本屋さんで平積みされていたのが気になっていた。でもシリーズものは当たり外れがあるし、、と思いしばらくは手に取らなかったけれどアニメ化もしたとのことで今更ながら読み始めた。

ここからは完全に個人的な好みになるけれど、かなり好きな雰囲気。寿雪や高峻をはじめとする登場人物達も人間味があっていいなと思えるし、根本の夏の王冬の王の謎も先が気になる。
中華風ファンタジー(というのか?)によく出てくる宦官だけど、私が宦官という言葉やその意味を知ったのが浅田次郎さんの『蒼穹の昴』だった。学生時代初めて読んで物凄く面白くて記憶に残っている。主人公が宦官となるシーンなども割と鮮明に覚えている為、アニメや小説などで宦官が出てくる際にその扱いの軽さに自分の中で捉え方との差があり、登場人物として生きてないというか、実はあまり楽しめなかったりしていた。(『顔はいいのに○無しか〜』みたいな台詞とかあると、なんかそんな感じだっけ、、、?となったり。)勿論その物語において大事な意味を持つわけじゃないからかもしれないけれど、とにかく私は蒼穹の昴をずっと引きずっていたので(笑)だから衣斯哈の処遇を巡った温螢と寿雪の会話シーンがすごく良くって、こうゆう主要に近いキャラクターに奥行きがあるのいいなと感じた。
調べたら7巻完結で全部販売されているので一気読みしたいと思います。

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2024年02月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最終章で寿雪もこの時初めて高峻のためになにかしようと動いた…
お互いがなにか役に立とうと動く姿に心を動かされる…
世界観も好き
にしても高峻が寿雪を守ったところかっこよかったなぁ
感情をあらわにしない二人だけど内心では置かれる立場に思い苦しんでいることが文章に表現されている
温蛍無事でよかったぁー

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2023年11月20日

ネタバレ 購入済み

小説の舞台設定が凄いです

小説の舞台になる設定が凄いです。海の向こうにあるという神の棲む国、幽宮、その宮の葬者部である梟、梟の妹になる烏、梟と烏は海のあぶくが二つに分かれて生まれたもの、幽宮で流罪になった者が行き着く忌み島が宵、盛りだくさんで一度では理解できませんでした。香薔によって烏の器にされてしまった烏妃、悲しいですね。

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2021年03月18日

ネタバレ 購入済み

そろそろ紙で読もうか

実は4巻を読んでまた読み返してる。

新巻が出れば、つい、勢いに任せて読んでしまうのだが、暫く経って、先にどう繋がっているのか、点を確認しつつ読んで行くと、忘れていることも気がついてなかったこともあり、これは何度でも楽しめる物語だと改めて実感する。

花の名前、鳥の名前、衣装の名前など漢字で紙に書いてみる。鳥の鳴き声、植物、衣装の色、形を調べてみる。想像する。世界が膨らむ。

今回は第三者を通して、高峻の擦り切れた心を救うという展開は何と素晴らしいんだろう。自分の感情に不器用な寿雪だが、その行動に今の世の中にも通じる人を動かすコツのようなものも教えられる。

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2020年05月08日

ネタバレ 購入済み

早くも続きが読みたい

待ちに待った第2巻。烏妃の秘密が徐々に明かされ、寿雪と高俊の関係も進む事を読者としては期待しているがおいそれとは進まない。進まないどころか困難になってしまった。高俊の「寿雪」という呼びかけが寿雪を救うのだろうなぁきっと…と思い、早く続編が読みたい。

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2019年04月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アニメはこのあたりまでかな?
なかなかエグい描写もあるので、後宮なのに血なまぐさい感じが強い。後宮のお話は女の戦い的なのが多いイメージなので。

カラスとフクロウが兄妹で、罪を犯して流されて…そしてカラスは毒でもって封印されてる。
まだまだ謎が多いけど、寿雪と高峻の関係がどうなるのかや、まわりの人々が増えてそれに翻弄される寿雪の様子が楽しくて読むのをやめれません。

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2025年03月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ2作目。
1作目と比べて読みやすくて面白い!寿雪の周りに人も増えて、それに戸惑う寿雪が可愛い。そしてお互いを大切にしたいと想い始める寿雪と高峻の気持ちの揺れが読んでいて心地よい。

1.青燕(あおつばめ)
飛燕宮の燕夫人に懸想したチウルの話。イシハ登場。
2.水の聲
エンリン様に仕えた元侍女の話。
3.仮面の男
琵琶弾きの男の話。
4.想夫香(そうふこう)
死んだ兄を想い、土人形にて生き返らせた鵲妃の話。封ショウゲツ登場にて烏妃の真実が明らかになる重要回。

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2024年09月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

深まっていく感じがいい

寿雪はらん家の生き残りとして身を隠し、母を殺され、烏妃に選ばれ、自分ではどうしようもないことばかりのなかで、それでも自分の足で立ち、生きのびてゆくしかないのだと、そう思いさだめて生きてきた。自分自身だけは、誰にも踏みこまれない、誰からも奪われない唯一のものだと思っていた。信じるまでもなく、当たり前のこととして、それを芯に寿雪は背を伸ばして立っていた。

いまのわたしは、わたしなのか?

わたしは、わたしを温めてくれるものに頼ることで、かろうじて立っている。が、それは、師との約束を違える、過ちなのかもしれない。それでも━━。

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2023年07月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

無理( 帰ってこない語彙力 )
ただ孤独で居ようとする寿雪の周りがどんどん賑やかになっていくのは嬉しかったです。
あと高峻と少しずつ近づいていくのがとっても可愛らしい。

不穏な空気が怖いなと思いつつ烏漣娘娘( うれんにゃんにゃん )の読み方が可愛くて毎回癒されてます。笑

前作でわりと謎解けたかと思ってましたが、全然そんなこと無かったです。第2、第3の謎。謎が謎を呼ぶのがとっても大好きです!

この後どうなっていくのか…知りたいようで最後がどうなるか想像ついてしまうので、知りたくなくてモヤモヤします。笑

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2023年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

烏妃として生きるとは。

寿雪の元に人が増えてくる。烏妃は侍女も宦官も置いてはいけない。その教えを破ってしまうことに心は騒ぐが——。

アニメで一度観たけど小説で読むのもいいですね。人が人を想う気持ちは、いつも暖かい結果になるとは限らない。それでも人は人に手を伸ばす。寿雪も、高俊も。

皇帝が孤独な立場であることはさまざまな作品でよく言及されているが、烏妃も同様に孤独に生きることを求められている存在。大きな権力を持つ存在にはさまざまな人間が寄ってくる。利用されないために孤独を選ばざるを得ないのか。「人」としての心はどうなるのか。

敵のような存在も登場してますます続きが楽しみ。

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2024年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

王宮内なのに生臭いなぁと
鳥妃の別の面を知る人物2名の登場で、本人が知らないことが浮かび上がってきました。
一名はもう鳥妃を会うこと叶わず残念です。
もう一回ぐらい絡んでほしかったな。
前鳥妃とのストーリーももっと絡めて別のストーリーを紡いでほしかった。

さて星星の正体も若干わかってきました。ただの鳥ではなかったのか・・・役に立つんだとも。

さいご皇帝の心がとぎほぐれるシーン。
心が動き出して出た涙だろうなと。
別の本で読んでいる、東日本大震災の被災者が、震災後時間を経て涙が急にあふれてくる人々を思い出させました。
皇帝もやっと動き出せたのだろうなと。

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2022年09月17日

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