あらすじ
舞台となるのは、異界と人の世界が交錯する世界 ── 。
人の夢を必要とする異界の〈花〉。バルサの幼なじみのタンダは、その〈花〉に魂を奪われ人鬼と化してしまう。バルサはタンダをとりもどすことができるのか。大呪術師トロガイの過去も明かされる、シリーズ第3作。
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Posted by ブクログ
守り人シリーズ、3作目。
これまでの2作と違い、そんなに血生臭い感じはしない。バルサの槍も今回はそんなに活躍しない。
今回は、トロガイ師やタンダの生い立ちもわかってくる。
これまでよりもっともっと異質な世界の幻想的なお話。
正直なところ、私の想像力がついていかないところがあって、
何度も頭の中に疑問符が浮かび、「えっと、で、この人は、何だっけ?どんな役目?」と、何度も立ち止まってしまっては、やはりよくわからず読み進め、そんなことを繰り返しているうちに読み終わってしまった感じ。
夢に囚われて現実世界に魂が戻ってこない。そんな世界を描いているという捉え方は端的に言い過ぎだろうか。タンダは、夢の世界に囚われた魂を救うため、自らそこに入っていくが、罠にはまり・・・というところから物語は大きく動く。
一ノ妃の、子を失った胸をえぐられるような哀しみ、そこから夢の世界に囚われ、もう現実には戻りたくないという思い、そして他の誰かをも巻き添えにしようという画策。現実では、きっとどうにかコントロールできている哀しみ、憎しみ、妬みに歯止めがきかなくなる夢の世界に、想像力がついていかないながらも、わかるなぁ、「生きる」って時に辛いよなぁ、と共感を覚えた。
タンダとバルサのつながり、チャグムとの再会には心が温まった。3人(とトロガイ師)の絆はお互いを支える大事な大事なものになったのだなぁ。
Posted by ブクログ
異世界の人の夢を食べる花に囚われてしまったタンダの姪っ子カヤ。そして同じ様に眠り続ける一の妃。
カヤを救うために魂のみとなって花の世界に入ったタンダは、騙されて化け物となり、自分の体が傷つくのも構わず、リー・トゥ・ルエン<木霊の想い人>の歌い手ユグノを襲い続ける。
今回もおもしろかったけど、前作2つの方が良かった。
気まぐれなユグノがどうしても好きになれないのと、花の世界観がいまいちつかみきれなかった。
チャグムとの再会は嬉しかったけど、一気に賢く理知溢れる性格になってしまっていてちょっとさみしい。
でも、シュガとチャグムのやり取りや王宮の描写はかなり面白かったし、タンダの性格やトロガイ師の過去も良かった。
今回はバルサの影が薄くて残念!