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Posted by ブクログ 2014年04月29日
信長、秀吉、家康に仕え、利休から師事を受けた実在の人物・古田織部を題材にした本作。
今巻では関が原の後、普請で大名をしぼり、朝廷への圧力を増す徳川と、その裏で豊徳合体に動く織部たちが描かれます。
今巻で印象深かったのは、家康が秀忠の姿勢を見て、
「このままでは第二の石田三成になりかねん」と危惧す...続きを読むるシーン。
かつての家康も、秀忠のように、石頭で数奇を介さなかったんですよね。
でも、明智光秀の死によって、家康は清濁併せ呑む「したたかさ」を手に入れた。
そのおかげで、秀吉の天下で生き延び、関が原で勝利することができた。
家康と秀忠の考え方の食い違いは、家康が作中を通して考え方を大きく変えていったことを再認識させられます。
また、今巻のラストシーンで家康が
「もはや邪魔者一切を滅ぼす乱世ではない!」と叫ぶところも、
そんな家康の変化を象徴しているようで心に残りました。
Posted by ブクログ 2015年02月10日
豊徳合体と同時に、公武合体も成し遂げなければならない古田織部。そんな中でも、三線に心震わせたりしてるのが、らしいといえばらしいですが業が深いといえば、ね。
江戸初期の公武合体で思い出すのは「花と火の帝」。この少しあとの時代の話。絶筆がここまで悔やまれる小説は、個人的に他にはないです。
豊徳合体も...続きを読む公武合体も、合体という名の吸収・隷属を防がんとするための思惑。
結末は知っているだけに、どのように抗っていくのか。その渦中での「へうげ」ぶりが、常に期待させてくれます。