あらすじ
1772年、パリの死刑執行人四代目シャルルの妹マリー‐ジョセフは、初恋の人アランと無垢な子供達を殺害した非道な貴族を、公然で斬首する。アランの意志と交わり、革命への鼓動を芽吹かせるマリー。だが、サンソン一族は世の中から「死神」と罵られ続ける…。ある夜、シャルルは初代サンソンの『回想録』を手にする。初代の“原罪”に兄妹が出す答えは…!? 歴史を知り、未来の革命へ歩む。サンソンの「業」の物語は深化する──!!!
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Posted by ブクログ
エピソードゼロ。こうしてサンソン、ムッシュードパリが始まったんだな。まさか妻方の家業とは。カバーに書きたかったという坂本先生の言葉がありますが、それが心底感じられる渾身の巻です。描写がすごすぎ。
Posted by ブクログ
初代サンソンのエピソードが描かれる。
個人的には彼個人に対する不快感があった。
ある小説の中で、一人の男の一瞬の快楽の為に
自分が生を受けこんなにも苦しい思いを
しなければならない、というものがあったのだが
それを思い出した。
そうやって辛い思いをしたはずなのに、いつしか
家を守ろうという考えになり、子を残して
引き継ごうと代々行動するところが、
複雑な気持ちになる。
勤勉なだけで羨まれて魔女扱いにされたり
美人だからと男たちに襲われたり
女性たちは酷い扱いだと思う。
マリーが自分のことを私でも俺でもなく
マリーというところが、幼さの表現もあるのかもしれないが
自分を信じていて、ある意味中性的なところもある
彼女にぴったりだと感じる。