あらすじ
男は剣を揮っていた。黒髪は乱れ日に灼けた逞しい長身のあちこちに返り血が飛んでいる。孤立無援の男が今まさに凶刃に倒れようとしたその時、助太刀を申し出たのは十二、三と見える少年であった……。
二人の孤独な戦士の邂逅が、一国を、そして大陸全土の運命を変えていく――。
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Posted by ブクログ
私の茅田砂胡熱はこの1冊から始まりました。
と言ってもこの1巻ではまだまだデルフィニア戦記シリーズの真骨頂は訪れませんが……。
容姿が女に見える以外は完全無欠の少女?・リィと、器の大きさが半端ない豪胆な男・ウォルが主人公です。
この主人公たちはシリーズを通して、なぜか会話以外の小説内で滅多に名前で書かれることはありません。「男」「少女」「国王」「王女」「王妃」という感じです。他の登場人物は全て名前で書かれているのに。でもそんなところも不思議な魅力があって好きです。
多彩なキャラクターが登場するこのシリーズですが、私はおおらかで飾らないくせに決めるときは決めるウォルが断然好きです。他に、登場はまだ先ですが、ちょっと天然な万能召使のシェラも大好きです。リィも好きは好きなんだけど、なんでも出来過ぎて時々げんなりしてしまうのが残念です。
1巻ではこの世界についてや、ウォルの置かれている状況についての説明が当然多いです。ですが、この1巻から既に会話の冴えは際立っていて、あまり抵抗なくするすると読めてしまいます。
そしてナシアスやシャーミアン、ドラ将軍など、今後のストーリーを彩るキャラクターたちが少しずつ登場してきます。
何度も何度も読んでいる本なのに、ここまで読むと、また先を読みたくなる不思議な本です。また、全巻再読しようかな? レビューも書けるし。