あらすじ
中山国はこの世から消え去るのか――。隣国趙と成立した講和は一方的に破棄され、趙の苛烈な侵攻は再開した。中山国の邑は次々に落ち、そのさなか中山国王も没した。そして首都の霊寿もついに陥落する。東西の辺土を残すのみとなった祖国の存続をかけ、楽毅は機略を胸に秘め、戦火の消えぬ中山を離れ、燕へと向かった。抗い難い時代の奔流のなか、楽毅はなにを遺そうとしたのか。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
楽毅は善処するが、中山は滅び、趙の武霊王も後継者争いの波の中で最期を迎える。
後継者の指名は、難題が多く争いの種になることが多々あるのが現代でも同じように思う。
また、楽乗の言葉で面白いことのがあったので書き留める。
人が十の力を十出せば死ぬ。楽将軍は八でとめる。それにもかかわらず、敵が楽将軍をみれば、十以上の力を出しているようになる。
Posted by ブクログ
趙との壮絶な戦いを凌いできたが、遂に中山は滅ぶ。中山を破った趙だが、主夫が足元を見誤り、後継者問題で内乱が起きる。楽毅のストーリーだが、趙での出来事が中心の巻である。
Posted by ブクログ
隣国趙に攻め続けられた中山も、紀元前二九六年に中山王を西の辺邑へ幽閉することで末路を迎えた。祖国がなくなった楽毅の前に現れたのは、かつての敵国・趙であった。斉での立場が不安定となった孟嘗君を頼る訳にも行かず、趙への士官を考え始めた頃、趙で父子(異母兄弟)を巻き込んだ大政変が勃発。さらにその政変で楽毅を迎え入れようとしていた主夫(武霊王)も逝去してしまい、楽毅の行く末はまた降り出しに戻り、いよいよ最終巻へと続いていく。
Posted by ブクログ
中山国の滅亡と大国趙での砂丘の乱がこの巻での主題になります。感じたのは盛者必衰であり、いち早く変化に合わせ決断。行動したものが栄えるということでした。
印象的な文章
・目的がなければ努力をしつづけにくい。が、人が目的をうしなったときに、目的をつくるというのが、才能というものではないか。