あらすじ
島田忠臣から不老不死の薬の話を聞いた道真は、典薬寮へと行くことになるが……。一方、内裏にかつて謀反の罪に問われ流罪となった伴健岑が帰京する報せが舞い込み――。政に翻弄されし者たちを描く第15巻。
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きっと誰でも学校の歴史や国語の授業で一度や二度は聞いたことがあるはずの歴史上の人物、在原業平と菅原道真。
かたや「伊勢物語はこのヒトが主人公だ!」と思われるほどモテた上に六歌仙にも選ばれたほどの歌人、かたや神童だったけれど晩年は左遷されて崇りで天変地異を引き起こしたと言われる学問の神様ですが、この作品はなんと、二回り近く歳の離れたこの二人が平安時代の京でさまざまな怪事件を解決していくクライムサスペンスコミックなのです。
業平の行動力と道真の頭脳で問題に挑む姿は、サスペンスとしても十分楽しめるのですが、非常に美しい画がまた素晴らしく、史実とフィクションの絶妙な混ざり具合も先が気になる気持ちを盛り上げてくれます。歴史好きの方にもそうでない方にもオススメです。
感情タグBEST3
ちょっと未来の暗示?
不死の仙薬のドタバタと、承和の変に絡む話と。
仙薬と考えられたものは、キーワードから察するに屠蘇散だった、ということか。
実際は道真の時代よりもかなり前に日本に入ってきているので、そこはちょっぴり脚色ですかね。
後半は無実の罪で流された人たちとの関わりで、道真の未来と重なると見て読むとちょっと重たい。
政治の世界の犯罪にもならない「悪い企み」。とても探偵の出る幕ではないような敵味方双方の陰謀ですが、我らが平安探偵道真はどのような活躍をするのでしょうか?
良かった
前半はほのぼの、中盤はなぜこの話が入っているのだろうと思う軽いエピソードだったのだけれど、そこから繋がる恒貞親王がここからメインの人物になってくる。
そして業平の過去が分かり、女遍歴とは異なり、更に一介の学生である道真の想いに手を貸して自分の身にも危ういことに取り掛かろうとする…
政変の起こりそうな次巻の(1巻ではおさまらなさそうだが)内容が本当に楽しみ。
どうなるんだろう
どんどん頁をめくり結局全巻買いました。
これからどうなるか気になります。
物語の展開とは別に、ウィキ先生によると史実の道真は結構子沢山だし、歌人として有名だし、その辺りどうするんだろう。
そういった色々な展開がどうなるんだろう、、どうなっても物語として楽しもうと思います
良かった!
前巻、複雑難解で読まなくなったけど、今巻は良かった!
いつものトラブルに巻き込まれるのではなく、自分から相手の為に解決したいという姿勢が人間味があっていい。
でも頭のいい人に有りがちだけど、もう少し謙虚にした方がいいね。
若造なんだし。
Posted by ブクログ
表紙悪そうなおっさん二人(藤原良房と伴善男)。
まぁ、色々調べると実際悪いおっさんっぽいけどね。
伴健岑が京で何を成したいのか気になるところ。
最終章が始まった?
表紙の二人と表題を見ると、あの歴史上の事件が始まったかと思いましたが、まだでした。早く続きを読みたい。完結して欲しいが、ずっと読んでいたい。スピンオフとかあれば良いです。空海の話には欠かせない橘逸勢の書を道真が読むシーンが個人的には良かったです。続きが出てうれしい!
Posted by ブクログ
前半の長谷雄大騒動in典薬寮も面白く、1話だけと思いきや後半の話に繋がる融様大暴走も面白く、後半の20年前から続く因縁はハラハラ……15巻も面白かったです。
不老不死の仙薬の話も、政の重要な要素である皇子の生死に翻弄される一介の医師、という点で心苦しい話ではありました。長谷雄のお家はそれで代々医師だったのに辞めてるからなぁ。
融様がお父様(帝)から賜った庭をこっそり手入れしてた恒貞親王と、道真の出会い。
いつも仕方なく巻き込まれる道真だけれど、今回は業平殿に自ら「私にできることはありますか」と、恒寂様を助けたい…と動いててぐっときました。
業平殿と恒寂様の間の因縁、重い……恒貞親王・源信・源融はいとこで、在原業平だけはとこなのか。
先月、月組公演「花の業平」を観劇してきたばかりなので、没落した橘家切なかったです。相互効果でいろいろとつかめました(「阿・吽」も読破しているけれど)
あ!『花の業平』、「応天門事件」が描かれていました…!これから漫画でもこれがくるのかぁとおもった。
『花の業平』、思いの外がっつり政争パート(風間柚乃さん
Posted by ブクログ
道真が長谷雄に「お前は何してるんです本当に!」と言っているが、
本当に全くその通りである。
棚をひっくり返し貴重なものを台無しにした上に
例えただのお茶だとしても勝手に人のものを飲むなど信じられない。
医薬が万能なわけでもないのに、治らなければ医師のせいで
責め苦に合うのは本当に割に合わないとしか言いようがない。
宣来子もまだ正式に妻なわけでもないのに、道真にとって学校や会社に等しい場所で
妻だと大騒ぎしたりお腹が痛いと迷惑をかけたり困ったものである。
融様は直情型だけれど自分が間違っていたらきちんと謝るし
憎めない方だなと思う。
業平も度々道真似を頼りはするが、ここぞという時はきちんと大人で
子供である道真を守ろうとか巻き込まないようにしようとか
そういった行動を取るところに安心感がある。
面倒くさそうにしながら手助けをしてきた道真が
自ら「私に何ができますか」と業平に訊く所にはっとした。
汚いものを見てきて知っている業平が
道真を守る為に関わるなとわざわざ忠告しにきてくれるのは
とても大人でそれはそれでありがたいことなのだが
道真が純粋に真っ直ぐに”子供”なまま
「昨日会った相手が明日苦しむのなら
今日何もしないわけにはいきません」という言葉が真っ直ぐで染み透る。
頭を下げながら貸しだと言ってしまうところも道真らしいし、
”若者の無茶”に付き合うことにする業平がまた恰好良い。
Posted by ブクログ
ドジっ子具合にお前〜〜〜ととなりつつ、さらりと良いところも見せてくるのが長谷雄の素敵なところ。
忠臣と道真の関係も見られてほのぼの。
融様のいつもの大騒ぎに付き合わされただけどおもいきや……
道真が業平に頭を下げてまで行動するなんて、次のステージに進んだ感。はらはら。
Posted by ブクログ
やはり面白い。久々の宣来子さまも可愛いし、そして・・そうだった道真は唐へ渡って勉強したいって心底思っていたのだなぁと。このころの勉強したい人の強い思いは凄かったのだろうと思わせてくれる。そして業平は実はいいところの出自だった・・・と思い出す。いつの世も帝は政治に翻弄されてしまうのだなぁ。隠居して穏やかに暮らしたいと、それだけを望んでも叶わない。はかない。業平も道真も今と同じく明日の見えない時代(結局いつもなのか)に居ただけに好きな事へ進んで欲しい。