【感想・ネタバレ】アンの娘リラ―赤毛のアン・シリーズ10―のレビュー

あらすじ

みごとに成長した六人の子供たちに囲まれて、アンは幸せな日を送っていたが、第一次大戦の影響は静かな炉辺荘(イングルサイド)にも及んできた。女たちは、出征してゆく息子や恋人を見送ったあと、寂しさをこらえて、精一杯元気に振舞った。養母マリラの名をもらったアンの末娘リラも、偶然引き取った戦争孤児の世話と、赤十字少女団の運営とで忙しい。リラの日記で綴るアン・シリーズ第十巻。

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ネタバレ

アンの少女時代とアンの娘リラの少女時代の対比ですごく心を打たれた。最後にケネスと結ばれてよかった、、

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2022年07月30日

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ネタバレ

まず『Anne of Green Gables』を生み出してくださったルーシー・モード・モンゴメリ女子に感謝を。
『赤毛のアン』として日本で初めて出版しシリーズ10冊を私たち読者に届けてくださった村岡花子さま、関係者の皆様に心から感謝を。

第一次世界大戦下のアンと周囲の人々の生活をアンの末娘リラを女主人ヒロインに据え描かれる。
『リラはあまり突然に、そして完全に、この新しい世界へ移し植えられてしまったので、自分でわからないほど当惑してしまった。』(作中引用)

全くその通り。
現実では新型コロナで生活は一変してしまった。
戦争と比べるべきではない。
しかし、こういう現実だからこそ、今こそ今作は読まれるべき作品だ。

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2020年06月29日

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ネタバレ

毎日毎日、本を読んでいるけれど、読書でこんなに泣いたのはホントに久しぶりだとおもう。
個人的には、「赤毛のアン」に匹敵するくらい好き。
第一次世界大戦が始まり、悲しいことが山ほど起こり、最初は悲しくて泣けます。
が、最後の最後は命の大切さが見に染みて感じられる心からの涙を流すことになりました。
マンデイの健気さ、心が締め付けられます。

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2016年02月09日

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ネタバレ

カナダの戦争に対する態度を知ることができる。
アンの娘リラが年頃になり、難しい問題に直面する。
カナダの置かれていた状況を知ることにより、物語の深みを感じることができるかもしれない。
映画の三作目で、なぜ戦争を題材に取り上げたのかが分かった。

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2013年04月24日

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ネタバレ

末娘のリラが、アンとは対照的な環境の中で大人になっていくのが切なかったです。この後、アンの青春時代のものを読み返すと、平和でほっとします。
個人的にはマシュウの次にウォルターが大好きだったので、悲しかったです。

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2011年08月30日

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ネタバレ

なんとあろうことか11巻の文庫本の裏で盛大すぎる一番のネタバレをされてしまったのでもうどうしようもない。悔しすぎる。ウォルターが戦死したって、せめてもう少しぼかせ。

そして序盤だったので忘れそうになったけど、たった1文でマリラが死んでたと書くなんて!マリラの筆跡に手の震えを感じる記述があってから、マリラが死んだらアンがどうなるかと心配してきたのに呆気ないにも程があった。

ウォルター大好きだ。そりゃあんな美しい自然があったらそうなりますよ。一緒に語る妄想をした。忠犬マンディも素晴らしい。スーザンが炸裂しているという感想をどこかで見た気がしたけどよくわかった!笑えるし良いキャラをしている。当時のカナダでは家政婦が当たり前にいて羨ましい。

所々感性がわからないという箇所もあった。自分の一番大切な猫を溺死させた完全にサイコパスのブルースにはドン引き。また、ご近所さんに問題があるのはどこも同じか。高地のサンディじいさんがスコットランドのハイランド出身だという意味が何人にわかるだろう。

戦時中には選挙に熱中し、世界の地理に詳しくなり、味方が勝てば喜び、負ければあんなに落ち込むのだろうか。第一次大戦だって終わって100年ちょっとなことにびっくりする。いつ終わるかわからない中生きるのは辛そうだった。ブライス家が貧困に陥らなかったのは良かったけど、ギルバートどんだけ稼ぎあるんだ。

飛行機や自動車がやってきた時のプリンス・エドワード島は元に戻らないという記述に共感し、切なくなった。だから昔の生活に惹かれるのだろう。

戦時中の辛さを表現した一冊だったので、次は平和を感じたい。辛い1冊のはずなのに面白く感じたのは自分の調子が良かったからだろうか。

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2025年03月01日

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ネタバレ

アンとその家族が第一次世界大戦下を
どう生きたのかを一番下の娘である
リラの目線で描いた物語である。
今回久々に読み返したが、新型コロナによる
予想だにしない生活を強いられている今
読み返すと実感できる部分は多かった。
しかし、新型コロナは戦争ではない。
戦争と比べてはいけない気がした。

全てを読み比べているわけではないが、
改訂版として追加になっている部分の
多くは戦況についてのやりとりで、
もっと詳細に描かれている。

カナダは戦場になることはなかったが、
家族や親しい人々を離れた戦地に送り出し、
新聞などで戦況を知っては気持ちを
浮き沈みさせる日々。
その一方で、戦争のさなかにあっても、
日々の暮らしの中にささやかなおかしみや
笑いもあるということを個性豊かな登場人物を
通してユーモアたっぷりに描いている。
そして誰もが心労を抱えながら、気持ちを
奮い立たせて日々の暮らしを守ろうとする。
その言葉や行動は勇敢で力強く、読んでいて
心底励まされる思いだった。

10代のリラが精神的に成長してゆく様は
実に頼もしい。
辛い思いをしただけの価値があると言って、
その日々を面白いことがぎっしり詰まっている日々と
取り替えたいようとは思わないとキッパリ断言するリラ。
それは人生の真理だ。

昔から一番好きなシーンは決まっている。
リラが戦死したウォルターの手紙をユナに手渡すところ。
何度繰り返し読んでもそれは変わらない。

『「ありがとう」ユナはこれだけしか言わなかったが、
その声を聞いてリラは自分のささやかな犠牲が
報われたことを感じた。』

込められている深い意味、言い尽くせない多くの感情で
重たくなっているにもかかわらず、どこか軽やかで
清々しいこの一文はしなやかな名文だと思う。

リラの目を通して描かれている本作だが、
私はアンの目線で描かれた物語も読んでみたい。
年齢も50代となったアンは今の私と同年代。
感受性の豊かなアンが母として、一人の女性として
どんなことを思いながら戦時下の日々を過ごしたのか
知りたくなった。

戦争から帰還したジェムは言う。
「古い精神を追い出すだけでは足りない
ー 新しい精神を導入しなくてはならないのだよ」
まさしく今に通じる言葉だと思う。

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2020年06月01日

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