あらすじ
楊令率いる梁山泊は北京大名府を占領し、自由市場を開く。だが、同志の中からは、天下を取るべきだという声も上がり始めていた。金国の傀儡国家・斉は、扈成が宰相となり、都を開封府へと移して勢力を拡げる。北京大名府を離れた張俊は、扈成と結んで斉軍に加わった。一方、金国は、中原の岳飛を討つべく、蕭珪材軍を出動させた。蕭珪材は護国の剣を佩き、戦場へと向かう。楊令伝、相克の第十三巻。
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Posted by ブクログ
蕭珪材「剣が、私に死ねと言ったのか」
護国の剣と蕭珪材の最後が一緒なのが凄く良かった。
苦悩する岳飛は、どんどん魅力的になっていく。
李英を自分の愚弟に重ね合わせて読んでいたので、こういう形での梁山泊離脱は残念!でも、物語としては、ここに来てますます楽しくなってきたと感じる。
あと2冊で終わるの!?
Posted by ブクログ
愈々終焉に向けて動き出す
梁山泊の印象が薄く成り
南宋の禁軍と金国の戦いの方が
鬼気迫っている様な気がする
執拗に梁山泊を攻撃する南宋の禁軍に対し
梁山泊軍は 最早ぼろぼろ状態です
このまま梁山泊軍が
滅びるのかが気がかり
続きが楽しみ
Posted by ブクログ
ひとつの目的のために、大勢が心を一つにして立ち向かう。
そんな時代を過ぎてしまった梁山泊は、もう一枚岩ではない。
国を造る。
いうのは簡単だが、思い描く国の形はそれぞれ。
楊令に託す国の形が、自分勝手なものになってきたとき、梁山泊の未来に暗雲が立ち込めてくる。
まるで哲学の書のように、「国とは?」を考える人物たち。
国とは、民衆を守るための強い軍隊と考えた岳飛は、守ってきたはずの民衆から反乱を起こされる。
国とは、民衆から搾り取った税金で潤っていくものと考える旧宋の生き残りたち。
国とは、民族の独立のためにあるものと考えた女真族の国・金。
国とは、民衆が安寧に暮らせる場所と考える楊令。
歴史的に見ると梁山泊は生き残れない。
だとしたら物語の着地点はどこか。
楊令が生きている限り梁山泊は負けないのなら、楊令の死をもって終わるのか。
しかし楊令は戦いに負けることはないはずだ。そういう存在に作られている。
だとしたら病死、事故死、暗殺、自殺…のうちのどれかなのか。
「仲睦まじい父と子」という存在が楊令の唯一の弱点で、それすら克服しかかっている現在、楊令は無敵だ。
けれどなんでだろう、巻が進むにつれて楊令の内心が虚ろに感じる。
何のために闘い、何を守ろうとしているのか。
誰に相談することもできない、誰にも意見を聞くことがない、絶対的な頭領・楊令。
楊令の幸せはどこにあるのかな。
軍事的過ちをうやむやのうちになかったことにされた李英は、やっぱり自分を反省することなく、出世できない不満だけを膨らませていくことになった。
「あれはなかったことになったはずなのに、なぜだ?」
反省するきっかけを得られなかった李英は、成長するきっかけも得られなかった。
これは本当に聚義庁(しゅうぎちょう)の落ち度だ。
そして、楊令から子ども呼ばわりされた岳飛が、今は子持ちなのである。
時間の流れが速すぎて…私も年を取るはずだよ。←違う