【感想・ネタバレ】夏目友人帳 16巻のレビュー

妖怪が見える少年・夏目が、祖母の遺品の「友人帳」を架け橋にして妖怪たちと心を通わせていく模様を描いた物語です。

妖怪をテーマにした作品は数多くあれど、「夏目友人帳」ほど優しい物語を、私は見たことがありません……!

祖母・レイコの残した「友人帳」は、レイコが妖怪たちと勝負をして、負けた妖怪たちがサインをしたもの。そのサインには契約の意味があり、契約の解除を願う妖怪たちに名前を返していくことにした夏目は、ボディーガードの「にゃんこ先生」と一緒に彼らと触れ合っていきます。

幼いころから、人には見えないものが見えていることで周囲から気味が悪いと言われていた夏目は、妖怪を避け、関与しないように生きてきました。そんな夏目が、友人帳を通してはじめて妖怪たちに向き合うことで、少しずつ、考え方を変えていく様子には、まるで自分の子どもが少しずつ友達を増やしていくような、そんなやさしい気持ちになって嬉しくなります。

名前を返したときに判明する真実は、ちょっぴり切ないことが多いですが、決して悲しい結末ではなく、じんわり心が温かくなるような、そんな物語ばかりです。
ぜひ暖かいお飲み物をお供に、じっくりお楽しみください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

夏目のおだやかな日々を脅かすかと思われたクラスメイトが、複雑な身の上や妖との過去を抱えているというストーリー展開が見事です。
1巻に収録されている田沼くんとの出会いと同じくらい好きなのが名取さんの登場する第7話です。分かり合える人に出会えたかと思いきや、名取さんの妖に対する対応に疑問を抱く夏目君。でも、名取さんが言うように同じ考えでなければ一緒にいてはいけないというわけでもないはずです。名取さんは名取さんで色々な苦労をしてここまで来ているわけで、今までの経験から選び取った末の現在が、名取さんにも夏目君にもそれぞれにある。色々な修羅場をくぐってきたなとりさんから見れば、夏目君の考えがとても甘く感じるのもわかる話です。
人間と妖という区別ではなく、自分以外の人と分かり合うことはなかなか難しいものでありそれこそが平等というものなのかなという気もします。

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2018年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

安定した面白さ。価値観の違う妖(あやかし)と人との交流。妖のまっすぐさは妙に心にしみる。
一番気に入ったのは、第64・65話「結んではいけない」。

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2013年07月15日

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