あらすじ
未発表のルポ『巡礼』。舞台は1941年、ハノイの法廷から始まる、殺人の罪で死刑判決を待つ犯人に助命嘆願の申し出が。しかもその嘆願は被害者の夫からだった! 上海からハノイまで、1000キロを歩きとおして駆けつけた憎き相手の裁きの場。愛する妻を奪われて何故、彼は慈愛の境地に至ったのか? そして何故『巡礼』は発表されなかったのか? 72年前の事件の真相を探るため、燈馬(とうま)と可奈(かな)がハノイに飛ぶ!
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Posted by ブクログ
「巡礼」が大傑作だと聞いたので、シリーズを何も知らずにこの巻だけ読んだ。
確かにそういうのが好きそうな人が好きそうな話だった。
でも、まあ、凶悪事件の被害者遺族の感情を得体の知れない深淵として(そのまわりを巡る人々の人生とともに)描くというもので、慈愛とか憎悪とか赦しとか怒りとか祈りとか、建てつけが大振りなので、あんまし刺さり切りはしなかった。名作だとは思うけど。
併録の「失恋」も結構良かった。
いずれにしても、短篇ってどんな内容だろうがまとまりよく(後味良く?)終わろうとする傾向にあるようで、それがいい軽さ、薄さに繋がっていると思った。