あらすじ
燈馬(とうま)に届いた、差出人不明の招待状。「Question!」とだけ記された封筒の中身は、列車の切符と宿泊券。便箋には「フェルマーの大定理」の数式……。いったい誰が何の目的で? 招待状に従った燈馬は、現地で2組の夫婦に出会う。共通点は、それぞれ「Question!」を受け取っており、それぞれ離婚調停中ということだった――! “数論”のパズルの中で、人は何を思い、何を選択するのか?
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『チューバと墓』、『Question!』収録。『チューバと墓』はありきたりな頭悪い犯人のうっかりを利用した解決でイマイチだったけど、『Question!』はなる程という招待者。
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久々に購入したQ.E.Dシリーズ。惰性で買っているといっては聞えが悪いけど、安定的に見かけたら必ず買っているシリーズはこれだけなので、自分にとっては「惰性で買ってる」ってスゴイことなんです。
毎度毎度、手に汗握るほど、すっごく面白いかと言われればそうじゃないんですが、私にとってぐっとくるポイントがコンスタントにあるのです。
今回は特に、2話収録中の2話ともに、ぐっとくるポイントがあって、読んで良かった。
最初の話、探偵同好会の江成さんの矜持とか、
2話目の犯人の才能の輝きとか、すごくぐっときました。
Q.E.Dは人情話とミステリの解がスコンと嵌った瞬間が、心のわだかまりが解けてしみこんでいくようでいいよね。
それが読みたくて毎回買ってしまうのかも。
Posted by ブクログ
いつの間にやら44巻。
・『チューバと嘘』
探偵同好会の話、好きなんです。
基本的にこのマンガそのものが本格ミステリなので、モルダーの宇宙人話は一笑に付される会話のアクセントにしかならないけど、たまにはモルダーが中心で、燈馬にも解けない、そういう「ミステリアス・ミステリ」も読んでみたかったり。
部長さんの、「あなたとてもいいことをいいました」のセリフは、今までも積み重ねがあり、だからこその今回の、そのセリフに続く言葉のこのキレの良さよ。
今回の話で、一番辛辣なセリフ。
「自分たちの給料は確保したいが何もできない……だから盗る
盗みが平気でできるようになったような連中さ」
このセリフで何も感じない人間にはなりたくないです。
・『Question』
お見事としか言いようがない。
「フェルマーの大定理」を元にして、パズルミステリを構築してある。読めば、とりあえずなんとなく、フェルマーの大定理について知っているような気になれるだけでもすごい。
パズルとドラマの融合として、過不足がない。
ロッジの男性の話は、至言。
そして、この話のラスト、どういった解答を導き出したとしても、きっと正しい答えを出してくれるだろうと確信させてくれる、気持ちの言い終わり方。
『Q.E.D.』ならでは。白眉。