あらすじ
未発表のルポ『巡礼』。舞台は1941年、ハノイの法廷から始まる、殺人の罪で死刑判決を待つ犯人に助命嘆願の申し出が。しかもその嘆願は被害者の夫からだった! 上海からハノイまで、1000キロを歩きとおして駆けつけた憎き相手の裁きの場。愛する妻を奪われて何故、彼は慈愛の境地に至ったのか? そして何故『巡礼』は発表されなかったのか? 72年前の事件の真相を探るため、燈馬(とうま)と可奈(かな)がハノイに飛ぶ!
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Posted by ブクログ
毎回、丁寧に証明を考えながら読めて納得させてくれるシリーズです。
落語家さんの話では、とても大きなものをもらった気分
ベトナムの話では、人の思いの強さと愛情の深さからくる結末・・・証明に鳥肌がたちました。
Posted by ブクログ
盗難事件の『失恋』、殺人事件の『巡礼』の2編収録。
今巻は、ドラマの比重がとてもよく、しかも、グッと読ませるものでした。
46巻、ここに来て、更に一段階進化する感じです。
「妻を殺した犯人を、なぜ
夫は救ったのか?――驚きは、
答えが出た後やってくる!!」
この、本帯の煽り文章がまったく誇張ではなく、まさしくその通りであると納得するために、是非読んでいただきたい。
『失恋』に関しては、この終わり方は好きです。
ヒロシくんのあの顔は、出色の出来です。
グッときました。
Posted by ブクログ
1本目の落語の方では、ネタはすぐに分かるけれど、芸に関しての話が面白かった。
2本目の凌遅刑も、どういうことが起こったかは宛がついても、どう至るのかは、やっぱり面白かった。
よかった。
Posted by ブクログ
45巻の『初恋』と同時進行していた、演芸場で起きた盗難騒動の話『失恋』と、妻を殺された男がなぜか犯人の死刑を止めたという過去の事件の顛末を追う『巡礼者』収録。
『巡礼者』は、死んで楽になるより生きて苦しめったかったんだとは思ったけどそういう事か。
Posted by ブクログ
「巡礼」が大傑作だと聞いたので、シリーズを何も知らずにこの巻だけ読んだ。
確かにそういうのが好きそうな人が好きそうな話だった。
でも、まあ、凶悪事件の被害者遺族の感情を得体の知れない深淵として(そのまわりを巡る人々の人生とともに)描くというもので、慈愛とか憎悪とか赦しとか怒りとか祈りとか、建てつけが大振りなので、あんまし刺さり切りはしなかった。名作だとは思うけど。
併録の「失恋」も結構良かった。
いずれにしても、短篇ってどんな内容だろうがまとまりよく(後味良く?)終わろうとする傾向にあるようで、それがいい軽さ、薄さに繋がっていると思った。