前作『エマ』で19世紀末の英国・階級制度の恋愛を描いた森薫先生の最新作はシルクロード!美貌の娘・アミル(20歳)が嫁いだ相手は、12歳の少年・カルルク。遊牧民のアミルと街を作り定住する定住民のカルルク、8歳もの年の差がある2人の愛の行く末は?
前作ではメイド愛を爆発させていた森薫先生、今作でも圧倒的な情報量と繊細かつダイナミックな画力で中央アジアの「乙嫁」たちの生活、愛を描きます。嫁入り前に必ず行う布支度や、結婚式、料理、描かれる日常が本当に面白い!洋服に入れる刺繡の作画が細かくて本当に美しい…
キャラクター達もとても魅力的です。主人公であるアミルをはじめとした、様々な「乙嫁」たちもそれぞれ個性が強い…!美しく、健康的でたくましく、それでいてチャーミング!一度読んだら乙嫁語りの世界観から抜け出せなくなること間違いなし!!
人間だけじゃなく動物も沢山登場する本作、ぜひ読んで頂きたい一冊です!
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
一夫多妻という言葉だけで、その文化がすごく批判されたりすることがありますが、一夫多妻制にはこの作品で描かれているように、寡婦救済の意味があったとも言われます。
もちろん、その制度を悪用して女性を搾取することは許されませんが、この作品の旦那様は、客人をもてなし、妻を愛し、困っている人を助ける大変徳の高い方のようですね。良かった、良かった。
異文化に対して、抗弁や批判ではなく、シンプルで心温まるストーリーと美しい絵で迫る森薫さん、本当に素晴らしいと思います。
Posted by ブクログ
今回はまた趣向がガラリと違ってて面白かったんですけど、あまり趣味じゃないです…姉妹妻ってなんだか面白いですね。一夫多妻もそうですけど、こう言った夫婦間や家族間の文化的な違いがすごく新鮮です。銭湯があるなんてちょっと驚きでした。前巻では諍いごとが中心でしたので、今回は箸休め的で読み物としては面白いんですけどね〜やっぱ、カルルクとアミルの物語が好きなんですよね〜次回作を期待しておきます。
Posted by ブクログ
新キャラ アニス 登場。
女性の一生の親友を持つという物語が主になっております。
アニスが出会ったのはシーリーンという女性。
お風呂屋(蒸し風呂)で出会った二人は「姉妹妻」となる。
この 姉妹妻 は男性との結婚との違いは同性だということ。
ちなみに今この風習はないらしい。
アニスは一夫多妻制の一人目の、一人だけの妻だった。
が。
シーリーンの夫が急逝して、アニスはご主人に頼んだ。
「二人目の奥さんにシーリーンを迎えて」と。
平等に接しないといけない一夫多妻制。
二人は。幸せになって欲しい。
少しほんわか。
最後にカルルクのお母さんが熱を出す話し。
そしてオマケマンガ有り。
一夫多妻制。コレはエジプトなどでも未だにある話だ。
憧れる人はいるらしいけど、難しいと思う。
器も、財力も無ければ養えないからだ。
スミスの旅はまだまだ続く。
Posted by ブクログ
うおっ!! これだよ!
この漫画で百合を見るとは思わなかった!
だけど、これだよ! これが百合なんだ!
思うに、やっぱり「百合」って、女性の母親への憧れなんだな。
一人でさみしがってる少年みたいな体つきのアニスが、豊満で女性的なシーリーンに惹かれるのってすごく象徴的だし。
アニスが、夫とシーリーンの語らいを眺めて幸せだって微笑むのも、お父さんとお母さんが揃っててうれしいなあっていう子供の笑い方だし。
そういうの、作者はわかってるなって思う。
百合ってのは、どこか母親と娘の関係なんだよ。
レスビアンとはちょっと違う。より健全とも言えるし、より倒錯してるとも言える。
もしかしたら作者としてはこれは百合じゃないかもだけど、私は絵にかいたような百合だなーって思った。
Posted by ブクログ
主人公のスミス君が逗留している友人の妻のアニスさんが中心の巻です。
普段は友人さんの豪邸で不自由なく暮らすアニスさんですが、公衆浴場に出かけて友達になりたい女性が出来、なんとかお近づきになろうと考えをめぐらします。
浴場のシーンが多く女性の裸の描写がたくさん出てきます。それだけではなく女性同士の友情という男性読者にとっては少しつらい話が続きます。
姉妹妻とよばれる友情関係を結ぶあたりから、(男の読者にとっては)だいぶ大変なものを見ている感じが強くなるのですが、一方で悲しい展開に行くのではと心配しながら読みました。
結果は、なんとも、個人的には想定外というか新しい価値観を見ているような流れで、一種作者の個性が出ていると思います。