あらすじ
新野を捨てた玄徳は千里を敗走。曹操はなおも追撃の手をゆるめない。江夏にわずかに余喘を保つ玄徳軍に対し、潰滅の策をたてた。天下の大魚をともに釣ろう、との曹操の檄は呉に飛んだ。しかし、これは呉の降参を意味する。呉の逡巡を孔明が見逃すはずはない。一帆の風雲に乗じ、孔明は三寸不爛の舌をもって孫権を説き伏せる。かくて赤壁の会戦の大捷に導き、曹操軍は敗走する。
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Posted by ブクログ
赤壁の戦いは非常に読み応えがあった。兵法を駆使し、人の心をも読み欺き合う駆け引きの面白さ。
一方、この戦いで膨大な死者が出たことは恐ろしく、兵の一人一人を単純な数として見ることはしたくないと思う。規模が大きくて想像もできないほどだ。
趙雲の武人としての誇りや生き方、胸に響くものがあった。
Posted by ブクログ
赤壁の戦い前なので映画「レッドクリフ」で観た有名シーンが続々登場。落ちぶれた(もう何度見たことか)劉備一行の起死回生は、いかに。それは、孔明によって孫権を巻き込んだ連合軍での反撃にあった。
三国志の山場というべき名場面のオンパレード。
世子を護った超雲の決死行。孔明と周瑜の静かな対決と、周瑜の死。敗走の曹操を見逃す関羽。玄徳の新妻・孫権の妹の女丈夫っぷり。
劉備は五十にしてやっと一国の主になるが、いまだに情にもろい様子。孔明が叱咤激励しつつなんとか攻略できたが、まだまだ前途多難。
にしても曹操軍は大企業病というべきか、各人が功を争い味方を疑い自滅に向かうが、悪運強くて曹操いまだに健在。
伏龍と並ぶ鳳雛こと龐統とやらは誰に仕えるのだろう。
Posted by ブクログ
この巻は三国志前半のクライマックスとも言える赤壁の戦いがメイン。
孔明は単身で呉に向かい、曹操と戦うべきか迷う孫権を説得し、また大都督(総司令官)周瑜の手助けをして開戦の決意をさせる。
水上の戦に不慣れな曹操は船に火攻めを受けて大敗北を喫し必死に退却する。味方も少ない疲労困憊の中、かつて厚遇した関羽が待ち受けていた。
この巻は曹操と孫権の両陣営がお互いに偽の降伏者を相手に送り込み、策を巡らし合う駆け引きがとにかくおもしろかった。
また孫権が机を一刀両断して迷いを断ち切る場面は20代なのにすばらしいリーダーシップだったし、周瑜の統率ぶりも見事。
「演義」だと孔明に出し抜かれてばかりで不憫な扱いだけど、周瑜は誰もが認める名将だったみたいです。
Posted by ブクログ
諸葛亮孔明が登場してからというもの、頭脳戦の要素が濃くなってますます面白くなってきた。
曹操が欺かれると、なぜか愉快になる。
逃げ落ちゆく曹操を見逃す関羽はやっぱりイイオトコだ。
50歳になった玄徳が17歳の後妻をもらい、鼻の下が伸びきってる様がまたなんとも普通っぽくてかわいい。
やっとこのあたりで三国志になってきた。
Posted by ブクログ
ついに赤壁の戦いが終わり、曹操は回送し、劉備が我が城を手にする。
・・・にしても、映画のレッドクリフはだいぶ違っていて、差異を見つけるのもまた楽しく、映画はずいぶん丸く収めたもんだうなあと感心する。
孔明と周瑜の話。
周瑜没後に孔明が慟哭した場面ではホロロときた。
完全に孔明にしてやられるわけだけれども、それもまた天命であったと生涯を閉じた周瑜に天晴れ。
知謀を巡らし、策略の裏の裏を読んで、駒を進める―息もつかせぬ展開。期待通りの赤壁の巻だった。