奥田祥子のレビュー一覧
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婚活、育児参加、親の介護、アンチエイジング、非正規雇用、これらは女性だけではなく、男性にとっても深刻な問題。
とくに育児参加するのは当たり前という風潮に対して、働き盛りで責任の多い時期にあるイクメンたちのプレッシャーには同情する。
昔、自分は子供達を保育所に預け働いていたが、20年前にも関わらず、父親や祖父母の協力を得ている母親は多かった。だから今さらイクメンというのがよく分からなかった。
しかしこの取材を読んで、仕事がうまくいかず逃げ道として育児に集中するとか、パパ育児サークルとか、自分の有能さを子供に誇示するとか、、イクメンと言われる人達に対して、ますます理解に苦しんでしまった。基本的に彼 -
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ネタバレ結婚、育児、介護、老化、仕事をテーマにした男性論。
バブル脳のキャリアウーマンが駄目男たちを「だから男が悪いのよ!」メッタ切り…というのを想定して、戦々恐々として読んだが、以外と著書の人当たりが柔らかいせいか、読みやすかった。
こじらせ男を面白い獲物がきたとばかりに、自己の心の動きまでありありと描写した部分は笑ってしまった。
10年越しの長期取材でターゲットとていねいな関係を築きあげながら、プライバシーまで聞き出せた努力は評価されてもよい。すくなくとも、新聞に載せられている、貧困を知らないエリート目線ではない。
白雪姫を待つ王子のように、若く美人女ばかりが寄ってくることを願って行動しない -
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学生の頃は結婚して子どもをもってもバリバリ働きたいと思っていたけれど、20代後半になって婚約中の今、大事な子どものことと重要な仕事を両立していく自信がなくなっていたところでこの本を見つけました。(子どもがもてるかどうかはわからないのにこんな不安を抱えているのもおかしいなと思っていたけれど「女性の人生には計画が立てられない」という言葉にまさにそのとおりだなと、、)
読み進めていくうちに、この悩みは社会に求められている、バリバリ働いて育てて活躍する(管理職を目指す)になる役割から逃げ出したくなっていることへの後ろめたさからきていることだということがわかりましたし、これに応えられないことに思い悩む必 -
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これを読むと、男の人は、なんだか自分たちで自分たちの首をしめているというか……
そうさせているのが、私たちのこれまでの文化とか同調圧力って話なんだろうけど。
歴史的に見ても(そして今でも)、まわりから抑圧され続けてきた女性たちに対して、自分たちで勝手に抑圧されている(と思い込んでいる)男性たちは、何だかなぁという感じ。
最近も、身近でジェンダー的なハラスメント発言を見聞きしたばかりだから、こんなふうに思ってしまうのだろうか。
でも、本書のように、男性も一枚岩ではないのだと提起する本は必要だと思う。
男性も、自分がよわい生き物だと認められれば、女性のように連帯できるのかな。 -
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女性活躍、という言葉が政府の施策のひとつとして掲げられるようになってから、ずいぶん時間が経った。
世の中はどう変わって来ただろうか? 未だに世界から遅れていると見られているこの国で、活躍を期待される女性たちは、今何を考えているのだろうか? そういう疑問に、たくさんの取材対象の女性(時に男性も)たちがそれぞれ答えてくれる。作者の人が、自分も悩みながら、丁寧に取材しているのが感じられる。
出世していこうとして、さまざまな壁にぶつかり結局その道を選ばなかった人、結婚や出産という幸せをまず考えた人。どの選択にも絶対はないけれど、女性活躍が持て囃されているために、それぞれ悩みを抱え、迷ってしまう。同じ女 -
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ネタバレリスクのほうに入れるべきか?妻はこうあるべきという内在化された規範意識に沿った、非現実的ともいえる過剰な役割を幻想の中に期待するようになる。夢のような安心安全を手に入れることが難しいためそれを求めて幻想に逃避している。無自覚モラハラはこの幻想を追求するプロセスで起きている。家庭が職場化し安らぎよりも効率性を重視した場へと変容しても現実から目を背けず家庭を共同経営するパートナーとして夫婦関係を前向きにとらえる。
>これ出来るのかなあ。
相手に対する過度な期待。対策としてのコミュニケーションには相当の努力と工夫が必要であることの心得。承認欲求の水準を下げ自己効力感を高める。相手に対して求める役割期 -
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現代の夫婦のあり方に一石を投じる良書。
自分達の親世代(高度成長期)には、「夫は仕事、妻は家庭」という分業が成立していたが、経済成長が頭打ちになった現在ではこのような分業が成り立たなくなっている。さらに時代は女性の社会進出を推し進めていため、夫婦の形も多様化してきている。
本書では、それらの代表的なパターンとして、「活躍する妻とイクメン夫」「大黒柱と内助の功(前時代の夫婦像)」「恋人夫婦(子供なし)」「羽ばたく妻と立ちすくむ夫(熟年離婚)」について、それぞれ長年の取材事例を紹介している。
そこには、それぞれのパターンにおける夫と妻の「こうあるべき」という幻想と理想の解離に苦しむ姿が赤裸々に紹介