あらすじ
「あぁー」「はぁー」。男たちの哀愁漂うため息は聞きなれていた。だが、この日の彼はいつもと違った……。理想の女性に見下され、婚活に挫折した男、育休をとったため、出世コースから巧妙に外された男、生涯現役という甘い罠にはまり暴走した男など、多くの中年男性が「生きづらさ」を抱えているにもかかわらず、その苦悩がメディアに取り上げられることは少ない。本書では、恋愛・結婚から、定年後の生き方、職場での出世競争、わが子の育児、老親の介護まで、人生の節目で直面する問題を取り上げ、男性が背負わされている理不尽ともいえる現実をリアルにあばき出す! (目次より)●「男」にこだわり過ぎた自分を悔やむ ●粗探しをされ、「女性が信じられなくなった」 ●性機能回復が招いた家庭崩壊 ●「生涯現役」へのこだわりが招く誤算 ●男の育休を阻む「男らしさ」の固定観念 ●他人を頼れない介護男性の苦悩 ●起業を目指すも社内競争に焦り
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
男がどれだけ自分の中の、『か弱い男らしさ』を守るために自らを痛めつけているのかがわかる本です。
・しっかりと稼がなくてはならない
・嫌なことにも立ち向かわなければならない
・弱いものを守らなければならない
こういった規範に自らを沿わせようとすることで、まるで自ら家畜小屋に入っていく畜産動物のように、男たちは支配される側にどっぷりと浸かっていっていることに気付いてハッとなりましたよ。
『男らしさ競争ゲーム』から抜けたり、参加しない自分を認めてくれる異性や同性を見つけることは簡単ではないけれど、そこにこそ男の真の安らぎがあるんだろうなぁ。
Posted by ブクログ
これを読むと、男の人は、なんだか自分たちで自分たちの首をしめているというか……
そうさせているのが、私たちのこれまでの文化とか同調圧力って話なんだろうけど。
歴史的に見ても(そして今でも)、まわりから抑圧され続けてきた女性たちに対して、自分たちで勝手に抑圧されている(と思い込んでいる)男性たちは、何だかなぁという感じ。
最近も、身近でジェンダー的なハラスメント発言を見聞きしたばかりだから、こんなふうに思ってしまうのだろうか。
でも、本書のように、男性も一枚岩ではないのだと提起する本は必要だと思う。
男性も、自分がよわい生き物だと認められれば、女性のように連帯できるのかな。
Posted by ブクログ
長年にわたる取材から「出世して社会的評価を得なければならない」「他人を頼る弱い男と思われてはいけない」など「男らしさ」のジェンダー規範に縛られ、苦悩する男性の実情、心情を知ることができる。社会的役割は女性だけの問題ではない。社会は男性の抱える問題にも目を向けるべきだと知ることができる。