上野修のレビュー一覧

  • 哲学史入門Ⅱ デカルトからカント、ヘーゲルまで

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    西洋哲学のオールスターというラインナップ。
    通読しまして、やはりここの哲学思想を学びたいなとモチベされました。

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    2024年07月16日
  • スピノザの世界

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    スピノザの哲学は、かつてエチカをチラッと開いて絶望して依頼、中公クラシックの迫力とあわせて敬遠していたが、この本でかなりイメージが変わった

    こんなに透き通った人はいないのではないか
    憧れる

    デカルトが、合理的、機械的といいつつも、とても人間的、実際的であったのに対して、スピノザは超越しちゃってる
    全てが原子だとして、大事なのは心の平穏、アタラクシアとしたエピクロスと、どこかで通じるものを感じてしまっている

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    2019年07月23日
  • スピノザの世界

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    新鮮な思考がある。
    目的と衝動。目的をはっきりすれば禁欲するまでもない。愛でも全知全能でもない神。自由意志の否定。幾何学的証明。政治と国家。

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    2019年02月24日
  • スピノザ 「無神論者」は宗教を肯定できるか

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    信仰と理性をめぐる関係において、ここまで切実に、また、真正面から考え、論じた哲学者がいたのか。スピノザ。ここから、私の新たな探求が始まりそうだ。時代制約があったればこそ、ここまで深まったのだろう。

    短いながらも濃密な思考の軌跡だった。

    ・自由が牧歌的だったことはない。p19
    ・哲学の目的はもっぱら真理のみであり、これに反して信仰の目的は、服従と敬虔以外の何ものでもない。p57
    ・ほかのどんな政体もフィクションである。政治はメンバーの誰でもない服従と不可視の第三者を呼び出しその声を法として取り次ぐ。p69

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    2016年05月03日
  • スピノザの世界

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    めちゃくちゃ感動した。
    最後は第三種の認識まで到達して一気に理解。
    理解できるのはもともと知っているからで、スピノザの言うように最初から真なる観念が与えられているからなんだろう。

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    2016年03月20日
  • スピノザの世界

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    デカルトの思想をそのまま理系的につきつめると汎神論になる、というのがスピノザか。そんな感じがした。著者はスピノザの『エチカ』を丁寧にたどりながら、読者をスピノザの頭の中に連れて行ってくれる。通常「汎神論」といわれても、今ひとつわかったようなわからないようなところがあるが、この本を読むとそれを豊かにイメージできる。そしてスピノザの説く倫理が、実はニーチェに近いと言うことも、ニーチェ自身や著者の指摘を待つまでもなく、実感できる。

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    2015年03月10日
  • スピノザの世界

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    特異なる神学者・哲学者であるスピノザ。その代表的著作である『エチカ』を中心とした解説書・入門書です。

    とにかく記述が明快です。淀みがないので大変にわかりやすく、それでいてレベルを落としたところがない。元々の思想をよほどよく読理解していないとこの本は書けません。後半はさすがに手強いですが、順序だてて考え、読んでいけば理解出来るようになっています。

    全六章からなる本書ですが、「6 永遠」のスリリングさは圧巻。あくまでも神と人間の関わりに基づいていた議論が、魂と永遠の次元にまで一気に高まる様は興奮すらおぼえます。

    お勧めです。

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    2013年09月29日
  • スピノザの世界

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    「衝動」が人間を動かしている。自由意志の否定。「神、あるいは自然」というフレーズ。全てが必然であり、「神」の一部である。

    諦めではない、全てを受け入れる勇気を与えてくれる。

    スピノザの思想に魅力を感じるきっかけとなった一冊。

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    2013年08月06日
  • デカルト、ホッブズ、スピノザ 哲学する十七世紀

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    読んでる途中だが、すごく面白い。最初の論文も面白かったが、2つ目の「社会契約」にかんするところとか、すごく納得。ホッブズのやり方では契約が成立しえず、そこでスピノザが集団の圧力というのを持ち込んだという話とか。この本を読む限り、自分はスピノザと仲良くなれそう。21世紀になって、ようやく庶民でもスピノザが理解できるほどに時代が進んだということか。続きも楽しみ。

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    2013年04月29日
  • デカルト、ホッブズ、スピノザ 哲学する十七世紀

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    『エチカ』とドゥルーズ『差異と反復』のミッシング・リンクたりうる「無数に異なる同じもの」以下、主にスピノザを論じた論文集。先に『スピノザの世界』を読んでおいたほうがいいのか迷ったが、元になった単行本は『世界』よりも古いようなので気にすることもなかった。それにしてもスピノザ本人の用いていない"反復"というタームが、何故にこうもスピノザ思想と高い親和性を持っているのだろう。"それ以外に理解しようのない怪物的思考"について、更に思索を深めていく必要性を感じた。

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    2012年09月16日
  • スピノザの世界

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    凄いとしか言いようがない。まさにそんな著書だと思う。この著書を読む前まではスピノザという人の名前すら知らなかった(デカルトに比べ)が、今はスピノザの考えなしには生きられないというくらいだ。

    スピノザの哲学論理は数学の定理のような厳密さで進む。三角形の内角の和が180度と普遍な定理なように、私たちの周りに起こる様々なことも普遍的な定理に基づいた「必然性」に過ぎない。そもそも私たち自身が神の「一様態」に過ぎず、他人との様々な出来事も神の起こす衝動の衝突に過ぎないのだ。こう言い切ってしまうほどの彼の哲学論理の積み重ねには脱帽する。無論、著書はあくまで超入門編に過ぎないし、それでもいささか難解ではあ

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    2012年02月24日
  • スピノザの世界

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    [ 内容 ]
    スピノザの思想史的評価については多くのことが言われてきた。
    デカルト主義との関係、ユダヤ的伝統との関係。
    国家論におけるホッブズとの関係。
    初期啓蒙主義におけるスピノザの位置。
    ドイツ観念論とスピノザ。
    現代では、アルチュセール、ドゥルーズ、ネグリ、レヴィナスといった名前がスピノザの名とともに語られる。
    スピノザはいたるところにいる。
    が、すべては微妙だ。
    たしかにスピノザについてはたくさん言うべきことがある。
    そのためにはスピノザの知的背景と時代背景、後代への影響、現代のスピノザ受容の状況を勉強する必要がある。
    けれども、まずはスピノザ自身の言っていることを知らなければどうしよ

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    2010年12月17日
  • スピノザの世界

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    われわれはあるものを善と判断するがゆえにそのものへと努力し・意志し・衝動を抱き・欲望するのではなくて、反対に、あるものへ努力し・意志し・衝動を抱き・欲望するがゆえにそのものを善と判断するのである。(『エチカ』第3部定理9の備考)
    ・・・・・・『スピノザの世界』30頁

    驚いた。ここまで、自分の考えに合った哲学者は初めてだ。
    幾何学的記述による哲学というアプローチ。
    生への強い肯定。
    徹底した利己主義によって導かれる功利主義的な最高善の解釈。
    自由意志の否定。(だが、その否定も虚無的なものではない。)
    汎神論。(宗教的であり、無神論的でもある。)
    実に面白い。

    どんな哲学も、証明不可能な仮説に

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    2010年11月02日
  • スピノザ 「無神論者」は宗教を肯定できるか

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    自然法則の課する正しい規範が偶然にもあらわれ「神の統治」「神の法」ができた。みんながそろって賢者でなくても全うに存続する社会ができた。
    聖書は、そんな素敵な社会が出現する過程をややオーバーにつづった有難い記録である。
    現代は偶然に頼らず「人民の統治」「国家の法」が出来てる。
    ここがすでに神の国☆
    しかし「神の統治」「神の法」=「人民の統治」「国家の法」の失敗によって迷信がはびこる~。
    ってゆうのがスピノザの考えらしい。(私の勝手な解釈では…)


    オーバーで分かり難い聖書からではなく、政治の仕組みやら憲法でも読んでみようかwww



    スゴク良かった。
    借りたけど、購入したいく

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    2010年07月21日
  • スピノザの世界

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    上野先生のスピノザ解説はやっぱり面白い。

    常識的な推論を逆に考えてしまうことでこれほどすっきりと物事が理解できるようになり、それ以降はそうとしか考えられなくなるような凄い思想だと思う。

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    2025年02月10日
  • 哲学者たちのワンダーランド 様相の十七世紀

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    面白かった。

    デカルト、スピノザは『哲学史入門II』のプラスアルファくらいだったが、より詳しく書かれていて理解が深まったと思う。

    ホッブズは何とも不気味で怖い感じの哲学なんだということがわかってきた。
    ただ、自由意志に関する議論は中々ラディカルで面白かった。
    相互不信からの契約に至る話は、急に人を信頼するステップが挟まれているようで気になるところが多かった。
    もちろん、その疑問についても本書で言及されていたがあまり腑に落ちない。

    ライプニッツはよくわからないことを言っている人というイメージだったが、前の3人からの流れで見ると何がしたかったのか理解できるようになった。
    ただ、それはそれとし

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    2024年12月15日
  • 哲学史入門Ⅱ デカルトからカント、ヘーゲルまで

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    上野先生のところが一番面白かった。

    本書でも批判されている図式だが、あえて使わせてもらうと大陸合理論やイギリス経験論の説明はわかりやすかった。
    しかし、カントやドイツ観念論は相変わらずなんだかわからなかった。

    ブックガイドを参考に深掘りしやすいのも良かった。

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    2024年11月22日
  • スピノザの世界

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    「神あるいは自然」は外部を持たず、自己原因のみに従うという意味においては“自由”であるが、メンタルな「自由意志」を持つわけではない。無論、この唯一の実体の変状、すなわち神の「様態」にすぎぬ我々も然り。しかしスピノザは悲観する必要はないと言う。必然性の認識は肯定への道である。ただし、その哲学はライプニッツ的な予定調和論とは本質を異にするドライな決定論だ。存在や生起に大層な意味は無い。だが、それを知り、全てを永遠の相のもとに見るとき、我々は真に神と一体であり、本当の自由と愛、そして至福を得る。

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    2021年09月18日
  • スピノザの世界

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    思想がでかすぎる。一般的に神として想起される人格神ではないいわゆる全てが神といわれると、そもそも西洋人が神という言葉でくくっている何かってなにをいわんとした概念なんだろうなんて考えた。

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    2020年07月01日
  • スピノザの世界

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    汎神論を徹底すると唯物論になってしまうというところがとても気になるスピノザであるが、「エチカ」はあまりにも難解というか、すごく読みにくいので、なかなか近づけなかった。

    ということで、とりあえず、新書で手っ取り早くと思って、本書を読んだが、「エチカ」を中心に丁寧に説明しつつ、読者が抱くであろう疑問を先回りしつつ親切に解説してくれる、なかなかに分かりやすいスピノザ入門本であった。

    基本的には、他の思想家との関係やさまざまな解釈はおいといて、スピノザのテクストに沿って議論は進むのであるが、それでもニーチェとの関連については触れてある。スピノザは、それほどまでにニーチェの「善悪の彼岸」や「道徳

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    2017年04月30日