上野修のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
著者の「スピノザの世界」が分かりやすかったので、勢いで、こちらのほうも読んでみた。「スピノザの世界」が「エチカ」を中心としているのに対し、本書はスピノザの生前にでた主著(?)「神学・政治論」を中心とした宗教・モラル・政治論。
「スピノザの世界」が、「エチカ」を時代や社会環境を超えて、そのテクスト自体から読み解いていく試みであったのに対して、本書は、当時の社会情勢や思想的なコンテクストを踏まえながら、「神学・政治論」を読み解いていく。といっても、著者の読みは、やはりスピノザのテクストの論理に忠実で、隠された意図、例えば、「本当はスピノザが主張したいのは無神論だが、それを直接的に言えないので、 -
Posted by ブクログ
約7年ぶり(!)に読んだ。
スピノザの主著『エチカ』の読解。
最初に本書を手にしたのは、スピノザの思想と、ミニマリストプログラム以降の生成文法の言語観・自然観との間に相通ずるものがありそうだと感じたのがきっかけだった。
抽象的な話が多く、骨の折れる読書となった。
著者の意図をきちんと読解できているかもあやしいが、本書で述べられているスピノザの思想を自分の言葉で粗削りに要約すると、次のようになる。
「神とは、数式や自然法則のようなものであり、世界は自動機械がものを作るように、必然的に生み出されていった(神が何かを意図して創造したのではない)。
世界に存在するすべての事物は、良いも -
Posted by ブクログ
スピノザ哲学の入門書。きわめてとっつきにくいスピノザの哲学に読者が親しめるような工夫が文章に感じられる。
著者は『エチカ』の解説を始めるにあたって、「実在」や「神」ではなく「真理」に注目している。古来哲学は真理を獲得するための方法を熱心に論じてきた。だがこうした方法論の企ては無限遡行に陥るほかない。ここで問いの方向を転換してみてはどうだろうか。つまり、私たちにすでに「与えられている真なる観念」が、真と言えるための規準をもたらしてくれるからこそ、私たちは真理を獲得するための方法を手にしているのではないのかと。
著者はこうした議論を、スピノザの「外的標識」と「内的標識」によって裏づけている。観 -
Posted by ブクログ
難しいいいいい('A`)
結構間を空けながら読んでしまったのがそもそも悪かったのですが、ただぼーっと読んでいると全然内容が頭に入ってこなかった……やはりこの手の本はなかなか読み慣れないとあらためて自覚させられた次第。いつかリベンジしたい。
こんな自分が言うのも説得力がないですが、一つの章のページ数はそれほど多くなく、章毎に読んでいくとすればそれほど苦にはならないと思います。ただ内容はやはり難しく、意識的に「読書」をしなければ内容を読み飛ばしてしまいます。そう、自分のようn(ry
後半に書かれた自由意志の否定、物事(人)の許し方、永遠の相のもとの観念について、自分は特に興味深か