新谷尚紀のレビュー一覧
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新谷尚紀(しんたに たかのり)
一九四八年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程単位取得。国立歴史民俗博物館教授、総合研究大学院大学教授などを歴任。現在、国立歴史民俗博物館名誉教授、國學院大學大学院客員教授。社会学博士。『伊勢神宮と三種の神器』『氏神さまと鎮守さま』(ともに講談社選書メチエ),『ケガレからカミへ』(岩田書院)など多数の著書がある。
神社とは何か (講談社現代新書)
by 新谷尚紀
しかし、水田稲作を基本的な生業として定着させていった社会では、恵みの基本である水に対して、その水源への感謝と管理と祭祀、そして水利についての管理と維持などの技術は必要不可 -
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遠野物語
◯動機
遠野にツレと行くので、現地のキラーコンテンツである世界観を知るべく、どんなもんか読んでみようと思った。
◯印象に残った点
・実話の体裁
これは1920年頃の時点で、柳田氏が遠野の住民である佐々木氏が収拾した話を聞き書きしたものであること。ここをスルーするとよくわかんない断片的な話になってしまうので要注意。
・不思議な存在やできごと
これらが実際に見聞きした人や体験した人からのまた聞きらしいが、話が伝言ゲームになってたりリップサービスで盛られてたりしないのか、疑問に思う。
・遠野の人たち(主に男性)のリスクテイクな気質
でかい男につかみかかる、飲んだ帰りにいきなり相撲を -
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・新谷尚紀 編著「民俗学がわかる事典」(角川文庫)を読んだ。事典であるから言葉を調べるための辞書ではない。そのやうに使へないこともないが、何しろどの項目も3頁か4頁といふ分量である。索引はない。第1章「民俗学への招待—身近な疑問から —」から始まつて第12章「民俗学に取り組む—民俗学と民俗学者の今昔—」に終はる全12章139小項目からなる。読むための事典であることは容易に察しがつく。しかも、この最初と最後の小項目だけ見ても、民俗学をできるかぎり広い視点から紹介しようといふ意図が分かる。
・第12章は民俗学の今昔である。最初は「民俗学は国学とどのような関係があるのか」である。国学との関係である。 -
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・新谷尚紀「日本人の葬儀」(角川文庫)は書名通り、日本人の葬儀について3つの観点から論じてゐる。葬儀の深 層、葬儀の歴史、他界への憧憬である。序に代はる文章として「現代人と死」といふのがあり、ここでは尊厳死と脳死といふ死の現代医学的な問題と、葬儀の作法や費用といふ極めて世俗的な問題が採り上げられてゐる。いづれも既に問題となつてゐることばかりである。コロナ禍の現在、葬儀の在り方も変はりつつある。本書は30年前に出てゐる。この間、脳死や尊厳死は日本人に受け入れられたのであらうか。最近あまり言はれなくなつてゐるところからすれば、もしかしたら受け入れられてゐるのかもしれない。しかし、脳死移植は増えず、
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著者の新谷尚紀(1948年~)は、國學院大学教授で、日本民俗学、民族伝承学を専門とする民俗学者。
本書は、日本の神社や神道とは、むしろ伝統的な文化、伝承的な文化であるとの理解に基づき、日本人にとっての神道を解説しようとしたものである。
本書の趣旨・流れは以下である。
◆日本の神社や神道は、「伝承」でもあり「変遷」でもある。即ち、長い歴史の中で、重要な部分は継承されながらも、時代ごとに大きな変遷を辿ってきた。
◆神道の本質は、「素材」にではなく「形式」にある。時代の変化の中で、その「形式」の中に様々な「素材」を包括してきた。
◆長い歴史の中で変わることなく伝承され、神道を神道たらしめている中核 -
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日本各地で氏神として地域の人びとに信仰されている神社を主題にとりあげ、そうした信仰のありかたがどのようなしかたで形成されてきたのかということを、民俗学と歴史学の双方の観点から考察している本です。
日本固有の宗教とされる神道は、明治時代において近代国家が確立されるなかで、天皇と皇室を中心とする制度のもとに統合されることになりました。これに対して、地域の人びとが「鎮守の森」と呼んで親しんできた、各地の神社を中心とする信仰には、国家神道によってすくいとることのできない内実がふくまれていたという議論が、主に民俗学者によって展開されてきました。しかし、柳田國男が見抜いていたように、民間の神祇信仰や神祇 -