あらすじ
全部読まなければ、この本のすごさはわからない!
日本民俗学の創始者である柳田の原点にして代表作には、いったい何が論じられ、企てられたのか。
「平地人を戦慄せしめよ」という高らかな宣言に込められたものとは何か。
「ザシキワラシ、オシラサマや河童たちが躍る不思議な世界」
「叙情豊かな日本人の原風景」
という本書がまとってきたイメージの奥にある真価を読み取るための、
懇切な解説つき全文現代語訳。
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Posted by ブクログ
遠野物語
◯動機
遠野にツレと行くので、現地のキラーコンテンツである世界観を知るべく、どんなもんか読んでみようと思った。
◯印象に残った点
・実話の体裁
これは1920年頃の時点で、柳田氏が遠野の住民である佐々木氏が収拾した話を聞き書きしたものであること。ここをスルーするとよくわかんない断片的な話になってしまうので要注意。
・不思議な存在やできごと
これらが実際に見聞きした人や体験した人からのまた聞きらしいが、話が伝言ゲームになってたりリップサービスで盛られてたりしないのか、疑問に思う。
・遠野の人たち(主に男性)のリスクテイクな気質
でかい男につかみかかる、飲んだ帰りにいきなり相撲を取る、山の中で見かけた不審な事物に対してとりあえず鉄砲ズドンしたり絡みに行ったり。
謎の女にふらふらついて行ったり。
妻に化けた狐を怪異と思ってとりあえず包丁で刺したり。
人間の生存本能に反するリスクテイクなムーブが現代のわたしからすると、怪異より不思議。
・遠野の人たちの価値観
河童の子はとりあえず殺す(狂人はコミュニティに包摂するのに、馬と娘のつがいをオシラサマと信仰の対象にしているのに)
他人の住居(マヨイガ)に無断で入る
河童、猿、異人が女性に手出しするけど狩に行ったりしてる様子が本書からは窺えない。
不思議な話より、現代のわたしからすると価値観も違ってこちらの方がむしろ不思議。